ラヌーラ

「ラヌーラ」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年06月14日

ラヌーラとは?

ラヌーラとは、粘液貯留嚢胞(粘液嚢胞)の一種であり、舌下腺または顎下腺の排泄管障害によって生じる貯留嚢胞である。外見がガマ蛙の咽頭嚢に似ているので, ガマ腫とも呼ばれるが、最近では動物の名に由来する病名は使われなくなる傾向にある。(ただし、ラヌーラはカエルを意味するラテン語ranaに由来しているので、どちらにしろ動物由来の名前では有る。)



ラヌーラの所見

ラヌーラの被閉粘膜は薄く青みがかった透明感のある水疱状腫脹を呈し、容易に破綻する。

ラヌーラの検査法

ラヌーラは、穿刺にて黄色,粘稠な内容液が確認される。病変の進展範囲の把握にはCTやMRIが有用である。

ラヌーラの分類

顎舌骨筋の上方で口底部に存在する舌下型ラヌーラ、顎下部の腫脹のみで口底部の腫脹を欠く顎下型ラヌーラ、口底と顎下部の両方に腫脹がある舌下顎下型ラヌーラに分けられる。舌下型ラヌーラが一番多い。

ラヌーラの治療法

舌下型ラヌーラでは襄胞壁は薄く、破れやすく全摘出が困難なことが多いため、開窓術が第ー選択とされる。開窓術は容易であるが、再発率は高い。再発を繰り返す場合には嚢胞摘出と同時に舌下腺も摘出する。
顎下型では開窓術ではなく、嚢胞摘出と舌下腺摘出術の併用が推奨される。
顎下型ラヌーラではA群溶血性連鎖球菌の弱毒自然変異株をペニシリンで処理した製剤OK-432(ピシバニール)の腔内注射が行われることがある。主な副作用に発熱(86%)がみられ、対症療法としてNSAIDsが用いられる。

ラヌーラの開窓術の方法

ラヌーラの舌下腺摘出術の方法は以下の通りである。
  • 嚢胞の直上に切開を加え、粘稠な内容液を流出させる。
  • 切開部からリボン状のガーゼを挿入し、元の大きさに回復し、口底粘膜と嚢胞壁の上蓋を切除し、 残存する嚢胞壁と口底粘膜を全周にわたり縫合する。
  • 開窓効果を維持するため残存する腔内にガーゼを挿入し、タイオーバーにてガーゼを保持する。

ラヌーラの舌下腺摘出術の方法

ラヌーラの舌下腺摘出術の方法は以下の通りである。
  • 術中,導管を認識しやすくするため、あらかじめ顎下腺の導管開口部から涙管ブジーを挿入しておく。口底粘膜に切開を加え、舌神経、舌下動静脈の走行に注意しながら、嚢胞と周囲組織を鈍的に剥離していく。
  • 襄胞に接している舌下腺を周囲から剥離し、嚢胞とともに摘出する。




「ラヌーラ」の文献・書籍など

【読み】

らぬーら

【文献・書籍】

『SIMPLE TEXT口腔外科の疾患と治療 第3版』, 栗田賢一ら, 株式会社永末書店, 2011.
『標準口腔外科学 第4版第1刷』, 野間弘康ら, 株式会社医学書院, 2015.
『カラーアトラス サクシンクト口腔外科学 第3版』, 内山健志ら, 株式会社学建書院, 2011.

著者/監修者情報
歯科医師

1992年生まれ。千葉県の漁村で育つ。鶴見大学歯学部在学中からアプリやWebサービスの開発を趣味で行う。東京歯科大学大学院博士課程に進学するもお金が無くて中退。2017年にワンディー株式会社を創業。

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