バットジョイントとは?
バットジョイントとは、主に修復物の窩縁形態の一種です。窩縁斜面(ベベル)を付与せずに、窩洞形成したままの状態にした窩縁形態をいいます。窩縁斜面(ベベル)を付けないことで、修復物の辺縁を厚くすることが可能となり、縁端強度の弱い修復材料に付与するのに適した形態です。
バットジョイントの適応
バットジョイントは、下記のようなケースに対して適応されます。
- グラスアイオノマーセメント修復
- コンポジットレジンインレー修復
- セラミックインレー修復
- 臼歯部咬合面のコンポジットレジン修復
なお、臼歯部咬合面のコンポジットレジン修復がバットジョイントの適応となるのは、咬合力がかかるためです。
コンポジットインレー修復におけるバットジョイント
コンポジットインレー修復の窩縁形態においては、窩縁斜面は付与せずに、バットジョイント(ノンベベル)を基本とします。窩縁斜面を付与すると、仕上げ・研磨中に辺縁破折が生じやすくなるほか、窩洞外形が大きくなることで、咬合による辺縁破折のリスクを増大させることとなります。
セラミックインレー修復におけるバットジョイント
セラミックインレー修復の窩縁形態においては、バットジョイントを原則とすべきです。なお、歯肉側における辺縁形態は、ラウンデッドショルダーもしくはヘビーシャンファーとします。
インプラントにおけるバットジョイント
インプラントにおけるバットジョイントとは、インプラント体とアバットメントの接合様式で、インプラント体とアバットメントが隙間なく面同士で嵌合した適合様式のことをいいます。
一般用語におけるバットジョイント
「バットジョイント」という用語は、歯科に限った用語ではありません。一般用語におけるバットジョイントに関して、最後に解説を付け加えます。
一般用語でバットジョイントとは、「突合わせ継手」のことを指し、突合わせ継手とは2つの材料の端を重ねることなく隣り合わせに配置するだけで接合する技術のことです。『精選版 日本国語大辞典』によればバットジョイントは、「締結するものを突き合わせ、一直線に並べた形で接合した継手。突合わせ継手」とされています。
一般用語でバットジョイントとは、「突合わせ継手」のことを指し、突合わせ継手とは2つの材料の端を重ねることなく隣り合わせに配置するだけで接合する技術のことです。『精選版 日本国語大辞典』によればバットジョイントは、「締結するものを突き合わせ、一直線に並べた形で接合した継手。突合わせ継手」とされています。