タウロドントは、Klinefelter(クラインフェルター) 症候群やくる病の患者に多く認められています。
Klinefelter(クラインフェルター) 症候群Klinefelter(クラインフェルター) 症候群は、男性の性染色体にX染色体が一つ以上多いことで生じる疾患の総称です。性腺機能不全を主病態としています。日本に約62,000人とされ、男性のみに発症します。X染色体の数的・構造的異常が原因であると考えられていますが、発症に至るメカニズムについては不明な部分が多いです。X染色体の数的増加による遺伝子量効果や染色体不均衡によって遺伝子発現量が変化するために引き起こされていると考えられています。主症状は四肢細長、思春期来発遅延、精巣委縮、無精子症などであり、女性化乳房を認める場合があります。合併症として悪性腫瘍、骨粗鬆症、自己免疫疾患、糖尿病、軽度の知的障害などが認められます。Klinefelter(クラインフェルター) 症候群おける二次性徴不全症例に対しては、テストステロン補充療法が用いられています。テストステロン療法は、骨密度の上昇のためにも有効です。なお、不妊に対する根本的治療法は存在しません。
くる病くる病は、低リン血症性くる病・骨軟化症と呼ばれる疾患で、このうち、成長軟骨帯閉鎖以前に発症するものをくる病と呼んでいます。くる病・骨軟化症は、骨石灰化障害を特徴とする疾患で、罹患患者のQOLを重度に障害しうります。ビタミンD欠乏性くる病・骨軟化症とは異なり、天然型ビタミンDにより完治しません。ビタミンD抵抗性くる病の主症状として、O脚やX脚などの骨変形、成長障害、脊柱の湾曲、頭蓋癆、大泉門の開離、肋骨念珠、関節腫脹が挙げられます。ビタミンD抵抗性骨軟化症では、筋力低下や骨痛が主症状となります。適切な治療が行われないと、著明な筋力低下から、ビタミンD抵抗性骨軟化症患者は完全に寝たきりとなってしまう場合もあります。