タウロドント

「タウロドント」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年09月01日

タウロドントとは?

タウロドントとは、歯軸(上下)方向に長い歯髄腔を持つ歯の形態異常のことで、タウロドント歯の異常根の一種である。歯根は長距離に渡って癒合し根尖部だけが離開している状態であり、歯全体は歯頸部のくびれが無く寸胴の形態をしている。この様な歯根形態を台状根と呼びタウロドントと同義に扱われる場合もある。

タウロドントの由来

タウロドントは、ラテン語 Taurodontと表記され、1913年にKeith Aによって提唱された。語源としては、taurus「雄牛」+odont「歯」であり、牛などの反芻動物や有蹄動物の歯の形態と共通した特徴を有するため名付けられた。

タウロドントの好発部位

タウロドントは、下顎第一乳臼歯、上顎第二大臼歯に好発する。その他、下顎第二乳臼歯や上顎第一大臼歯にも出現することがある。

タウロドントと症候群

タウロドントは、Klinefelter(クラインフェルター) 症候群やくる病の患者に多く認められている。

Klinefelter(クラインフェルター) 症候群
Klinefelter(クラインフェルター) 症候群は、男性の性染色体にX染色体が一つ以上多いことで生じる疾患の総称である。性腺機能不全を主病態としている。日本に約62,000人とされ、男性のみに発症する。X染色体の数的・構造的異常が原因であると考えられているが、発症に至るメカニズムについては不明な部分が多い。X染色体の数的増加による遺伝子量効果や染色体不均衡によって遺伝子発現量が変化するために引き起こされていると考えられる。主症状は四肢細長、思春期来発遅延、精巣委縮、無精子症などであり、女性化乳房を認める場合がある。合併症として悪性腫瘍、骨粗鬆症、自己免疫疾患、糖尿病、軽度の知的障害などが認められる。Klinefelter(クラインフェルター) 症候群おける二次性徴不全症例に対しては、テストステロン補充療法が用いられている。テストステロン療法は、骨密度の上昇のためにも有効である。なお、不妊に対する根本的治療法は存在しない。

くる病
くる病は、低リン血症性くる病・骨軟化症と呼ばれる疾患で、このうち、成長軟骨帯閉鎖以前に発症するものをくる病と呼んでいる。くる病・骨軟化症は、骨石灰化障害を特徴とする疾患で、罹患患者のQOLを重度に障害しうる。ビタミンD欠乏性くる病・骨軟化症とは異なり、天然型ビタミンDにより完治しない。ビタミンD抵抗性くる病の主症状として、O脚やX脚などの骨変形、成長障害、脊柱の湾曲、頭蓋癆、大泉門の開離、肋骨念珠、関節腫脹が挙げられる。ビタミンD抵抗性骨軟化症では、筋力低下や骨痛が主症状となる。適切な治療が行われないと、著明な筋力低下から、ビタミンD抵抗性骨軟化症患者は完全に寝たきりとなってしまう場合もある。

タウロドントの別名

タウロドントは、「長胴歯」や「広髄歯」とも呼ばれることがある。また、前述の通り「台状根」とは同義で扱われることもある。

タウロドントの原因

タウロドントの原因は、研究者によって様々な報告があるが、現在のところ原因不明である。

タウロドントと原人

タウロドントは、クラピナ人やネアンデルタール人、北京原人などの原始人の歯からも高頻度で認められており、タウロドントは原始形であるかどうかも議論されている。

「タウロドント」の文献・書籍など

【読み】

たうろどんと

【文献・書籍】

『歯内治療学 第4版』, 中村洋ら, 医歯薬出版株式会社, 2012.
『口腔外科学 第4版』, 白砂兼光ら, 医歯薬出版株式会社, 2020.

著者/監修者情報
歯科医師

1992年生まれ。千葉県の漁村で育つ。鶴見大学歯学部在学中からアプリやWebサービスの開発を趣味で行う。東京歯科大学大学院博士課程に進学するもお金が無くて中退。2017年にワンディー株式会社を創業。

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