歯科用語集

2022年03月15日

Simonの分類

「Simonの分類」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

Simonの分類とは?

Simonの分類とは、Simonが考案した、患者の顔面に3平面を設定し、歯列と顎顔面頭蓋との相互位置関係を表現できるようにしたものです。

Simonの分類

Simonの分類は以下の通りです。
  • 眼耳平面(フランクフルト平面)
    • 左右側の眼点(瞳孔直下で眼窩下縁と交わる点)〜耳点(耳珠上縁)で構成される平面
    • 上顎模型の基底面との距離によって、上顎部の垂直発育を評価する
  • 眼窩平面
    • 左右側の眼点を含み、眼耳平面に直交する平面
    • 歯列弓の前後的な位置を評価する
  • 正中矢状平面
    • 正中口蓋縫合を通り、眼耳平面に直交する平面
    • この平面からの距離で歯列の幅を評価する
※フランクフルト平面・正中矢状平面は互いに直交するが、眼窩平面・正中矢状平面は必ずしも直交しません。

Simonの分類の記録方法

Simonの分類による3平面を模型上に再現するための装置は、顎態模型調整器と呼ばれます。Simonの分類を記録する顎態模型では、歯列と顎顔面頭蓋との相互位置関係を表現できます。しかし近年では、同じ役割を果たすことができるセファログラムの普及によって、以前ほどの重要性はなくなりつつあります。またSimonの分類を記録するにあたって、顎態模型の代わりにクラウン・ブリッジ)の制作のために使われる器具の一つで、頭蓋あるいは顎関節に対する上顎歯列(人工歯列を含む)の3次元的位置関係を咬合器上で再現するために用いられます。調節性の咬合器への模型のマウント(装着)に用いられ、フェイスボウによる咬合器への一連の装着操作を「フェイスボウトランスファー」といいます。フェイスボウは日本語表記では「顔弓」と呼ばれます。">フェイスボウトランスファーを行い、咬合器に石膏模型を装着・機能的な評価を行うこともあります。

Simonの眼窩犬歯の法則

SimonはSimonの分類以外にも、眼窩犬歯の法則を提唱しています。眼窩犬歯の法則は、「正常咬合をしている者は、眼窩平面は上顎犬歯の尖頭・下顎犬歯の遠心隅角を通る」というものです。

この記事は無料の会員限定です
会員登録して読む(無料)
ログインして読む