ダイレクトボンディングや補綴物の装着など、日常臨床のあらゆる場面で関わる「接着」ですが、その成功はドクターの手技だけでなくアシストを担う歯科衛生士の理解や操作精度にも大きく左右されます。
しかし、次々と新しい材料が登場する中で、「なぜこの前処理が必要なのか」「どの手順を間違えると脱離や二次齲蝕につながるのか」といった根拠までを十分に整理できていないと感じる方も少なくないのではないでしょうか。
書籍やマニュアルで工程を覚えても、実際の臨床では唾液汚染や過乾燥などの阻害因子が多く、現場でどのように判断・対応すべきか迷いが生じやすい部分でもあります。
特に、目に見えない界面での現象だからこそ、表面清掃や防湿、処理剤の組み合わせといった各ステップの意図を正しく理解し、確実な判断基準を持つことが欠かせません。
本セミナーでは、「歯科衛生士も知っておくべき『接着』の基本」をテーマに、接着のメカニズムから処理剤の使い分け、臨床で役立つアシストのポイントまでを、鶴見大学歯学部歯科理工学講座教授の廣田 正嗣先生に解説いただきます。
接着の重要性や口腔内環境が及ぼす影響といった基礎知識をはじめ、接着面を清潔に保つための清掃手順、被着体に応じた化学的洗浄やサンドブラストの有効性について整理。
さらに、エナメル質と象牙質における接着機序の違い、エッチング・プライミング・ボンディングの役割、各種セメントの特徴や補綴装置の材質別前処理(金属・セラミックス・ジルコニア・CAD/CAMレジンなど)についてもわかりやすく解説いただきます。
防湿や吸引、光照射、アシスト時の準備や留意点まで具体的に網羅。
「接着の基礎から学び直したい」「日頃のアシストや準備の精度を上げて治療の予後向上に貢献したい」と考えている歯科衛生士やスタッフの方におすすめの内容です。
こんな方におすすめ
👉 接着の基礎理論と材料ごとの役割の違いを体系的に学びたい
👉 唾液汚染などの接着阻害因子を防ぐ具体的なアシストポイントが知りたい
👉 被着体や補綴装置に応じた適切な前処理・洗浄の考え方を身に付けたい
講義目次
接着の重要性と口腔内環境における阻害因子
接着面の清掃と補綴装置・修復物の各種前処理
歯質(エナメル質・象牙質)への接着メカニズムと処理剤の役割
補綴装置の合着におけるセメントの選択と被着体別の対応
接着成功のための臨床テクニックとアシスト時の留意点
講師
鶴見大学歯学部 歯科理工学講座 教授
2009年鶴見大学歯学部卒業。香川大学工学部材料創造工学科機械材料科学分野特別研究学生を経て、2014年鶴見大学大学院歯学研究科(専攻:有床義歯補綴学)にて博士号取得。鶴見大学歯学部 有床義歯補綴学講座助手、同大学歯学部 歯科理工学講座助手、同大学歯学部 歯科医学教育学講座講師を経て現職。
研究テーマは、インプラントの表面改質、ジルコニア製インプラント、コーティングや骨補塡材のためのアパタイト開発などの基礎的研究であり、他業種とコラボレーションし工学的な手法を取り入れ、様々なバイオマテリアル研究を行っている。
日本歯科理工学会、日本バイオマテリアル学会、硬組織再生生物学会等、多数学会に所属。2019年度、日本歯科理工学会論文賞及びDental Materials Science賞を受賞。歯科補綴学、歯科材料学に関する執筆多数。