日常の臨床において、同じようにブラッシング指導や予防処置を行っていても、なぜか「う蝕が多発する患者さん」と「ほとんど進行しない患者さん」の違いに悩まされる場面は少なくありません。
患者ごとの「なりやすさ・なりにくさ」の背景には、単なる口内環境や歯質の問題にとどまらず、多様なリスク因子が複雑に関与しています。
う蝕の発症メカニズムやリスク因子に関する論文・教科書的な知識は理解していても、それを現場でのリスク評価や個別の予防管理にどう落とし込むべきか、整理しきれていないと感じることもあるのではないでしょうか。
特に、患者を取り巻く生活環境や家族的背景、さらには持病や全身状態の影響までを網羅的に捉え、予防アプローチへ反映させる判断基準を確立することは容易ではありません。
患者一人ひとりに適したリスク評価と予防計画を立案するためには、解剖・生理的な因子だけでなく、環境や全身的な視点も含めた包括的な知識の整理が重要です。
本セミナーでは、「むし歯になりやすい人・なりにくい人」をテーマに、う蝕リスクを左右する様々な因子や予防管理の捉え方について、歯学博士の中嶋 省志先生に解説いただきます。
う蝕罹患率の偏りや発症メカニズムといった基礎的な知見をはじめ、エナメル質の酸溶解性、唾液の性状、細菌の関与などの「なりやすさ」に関わる因子を中心に整理。
さらに、ネット依存やご家族の社会的背景といった生活習慣・環境の影響から、認知機能障害や頭頸部がん患者におけるリスクの考え方まで幅広くアプローチします。
また、双子研究やシステマティックレビューのデータから紐解く遺伝と環境因子の影響、そして臨床へ還元するためのリスク評価や予防ガイドラインの捉え方についても説き明かします。
個々の背景に応じたう蝕リスクの考え方を基礎から整理し、日常の予防指導やリスク管理の視野を広げたい医療者におすすめの内容です。
こんな方におすすめ
👉 う蝕の「なりやすさ・なりにくさ」を左右する因子を体系的に整理したい
👉 生活環境や全身的な背景まで踏まえたう蝕リスクの捉え方を学びたい
👉 エビデンスに基づいた個別化予防・リスク評価の考え方を身に付けたい
講師
金沢大学大学院 理学研究科修士課程(化学専攻)修了。米国フォーサイスデンタルセンター(現フォーサイス研究所)に留学、歯学博士を取得。九州大学大学院歯学研究院連携講座(客員助教授、教授)、東京医科歯科大学大学院う蝕制御学分野(特任講師)、鶴見大学(非常勤講師)を務める。日本歯科保存学会う蝕治療ガイドライン作成委員会。著書に「ちょっと深掘り!予防の科学-う蝕・酸蝕・歯石と歯周疾患-」「フッ素の不思議教室〜フッ素のう蝕予防メカニズム」など多数。