訪問歯科診療において、患者が最期まで口から美味しく食べる機能を支える義歯治療は、極めて重要な役割を担っています。
しかし実際の現場では、外来診療とは大きく異なり、患者の姿勢保持の難しさや意思疎通の壁、限られた治療時間や機材、さらにはご家族や多職種との連携など、数多くの制約や困難に直面します。特に下顎義歯の吸着や安定を得ることは難度が高く、臨床現場で頭を悩ませている先生も多いのではないでしょうか。
教科書的な義歯製作の手順を学んでいても、全身状態や環境が刻一刻と変化する訪問の現場では、書籍通りの手技をそのまま再現することは容易ではありません。
過酷な制約下だからこそ、安全性を確保しながら迷いなく進められるシンプルな製作プロセスと、明確な判断基準を持つことが不可欠となります。
本セミナーでは、「訪問でピッタリ下顎義歯づくり」をテーマに、制約下での印象採得や咬合採得から下顎吸着義歯の製作手順等、実践的なノウハウについて、歯科医師の湯田 亜希子先生に解説いただきます。
講義では、訪問診療における下顎吸着義歯の応用を軸に、安全かつ確実なステップを体系的に整理。印象採得、咬合採得、試適といった各ステージのポイントについても解説いただきます。
さらに、実際の臨床研究データや豊富な臨床症例を提示し、現場での具体的な診療の流れや手技選択の要点を紹介。摂食嚥下機能への配慮を含め、「食べること全体」を支えるアプローチを展開します。
訪問診療の限られた条件下で、しっかりと機能する下顎義歯を安全・確実に製作したい先生や、患者の「最期まで食べる」を支える臨床基準を整理したい先生におすすめの内容です。
こんな方におすすめ
👉 訪問歯科診療の制約下で行う下顎吸着義歯の製作手順が知りたい
👉 印象・咬合採得の臨床ポイントを学びたい
👉 「最期まで美味しく食べる」を支える確実な義歯治療のノウハウを身に付けたい
講師
2007年新潟大学歯学部卒業。同大学臨床研修医を経て、2008年新潟大学医歯学総合病院 摂食嚥下リハビリテーション学分野に入局。大学病院にて義歯治療および摂食嚥下障害に対する臨床研鑽を積む。その後、訪問歯科診療専門クリニックの立ち上げ・運営に参画し、2017年には北海道札幌市にて「ひだまり歯科」を開設。嚥下内視鏡(VE)を用いた訪問診療や多職種連携による摂食嚥下支援、高齢者補綴に注力した。現在は札幌市内複数医院で訪問歯科専門として非常勤勤務し、義歯臨床の指導・普及に携わる。共著書に『コピーデンチャーズQ&A』(デンタルダイヤモンド社)『医療・看護・介護で役立つ嚥下治療エッセンスノート』(全日本病院出版会)などがあり、訪問歯科・有床義歯・摂食嚥下リハビリテーション領域の臨床と教育の両面で活動している。