歯周組織再生療法において、切開線やフラップデザイン、軟組織の取り扱いは、治療成績を左右する重要な要素です。
近年では、軟組織を可能な限り温存し、創傷治癒の安定化を図ることを目的として、Single Flap Approach(SFA)をはじめとする低侵襲なアプローチが注目され、臨床応用されています。
しかし、実際の臨床では、すべての骨欠損に同じ術式を適用できるわけではありません。
骨欠損の形態や部位、欠損壁の残存状態に加え、頬舌側の歯肉の厚み、角化歯肉幅の状態、歯間部の解剖学的条件などを総合的に評価し、それぞれの症例に適したアプローチを選択することが重要です。
SFAは、片側から骨欠損へアクセスすることで反対側の軟組織を温存できる、低侵襲な術式の一つです。
一方で、その適応には限界があり、骨欠損の広がり、術野の確保、デブライドメントの必要性、軟組織の状態などによっては、他のフラップデザインやアプローチを選択する必要があります。
本セミナーでは、歯周組織再生療法の基本から、骨欠損形態と軟組織の評価、SFAの適応判断、切開・剥離の考え方、術式上のメリットや注意点について、徳島大学病院高次歯科診療部 歯周病専門部門長の二宮雅美先生にご解説いただきます。
実際の症例を通して、「骨欠損形態と軟組織の状態をどのように読み取り、どのアプローチを選択するのか」という臨床判断について解説していただきます。
さらに、再生療法を成功に導くための切開・剥離・縫合の工夫、創部の安定化、再生材料を使用する際の考え方に加え、結合組織移植術(CTG)を併用した軟組織マネジメントについても、具体的な症例を交えながらご紹介いただきます。
SFAという一つのアプローチを起点としながら、骨欠損と軟組織を読み取り、症例ごとに適切な再生療法を組み立てるための「考え方」と「テクニック」を整理していきます。
日常臨床における歯周組織再生療法の術式選択や臨床判断の幅を広げたい先生におすすめの内容です。
こんな方におすすめ
👉 SFAの基本的な考え方や適応を整理したい
👉 骨欠損形態や軟組織の状態に応じた術式選択の考え方を学びたい
👉 歯周組織再生療法における切開・剥離・縫合のポイントを知りたい
👉 低侵襲で予知性の高い再生療法を行うための臨床判断を身につけたい
講師
1992年に徳島大学歯学部歯学科を卒業後、1996年に同大学大学院歯学研究科博士課程を修了。徳島大学歯学部附属病院助手等を経て、長年にわたり歯周治療学および歯科保存治療学領域の教育・臨床・研究に従事している。
現在は、徳島大学病院高次歯科診療部にて歯周病専門部門長を務め、重度歯周炎症例や歯周組織再生療法をはじめとする高度な歯周治療に携わっている。また、松本歯科大学臨床教授を兼任し、臨床教育および後進の育成にも尽力している。日本歯科専門医機構認定の歯周病専門医として豊富な臨床経験を有し、その臨床実績は高く評価されている。日本歯周病学会では優秀臨床ポスター賞および最優秀臨床ポスター賞を、日本歯科保存学会においても優秀症例発表賞を複数回受賞するなど、歯周治療・歯科保存治療の両領域において数多くの受賞歴を有する。さらに、歯周組織再生療法を中心とした高度歯科臨床に関する知見を、学術論文、学会発表、セミナー・講演等を通じて積極的に発信している。