日常臨床において、SRPやTBIを日々行いながらも「なぜこの場所に炎症が起こるのか」「なぜこの処置が必要なのか」を患者さんに十分説明しきれず、もどかしさを感じている歯科衛生士の方は少なくありません。
歯周病菌の種類や特徴を知識として持っていても、実際のバイオフィルムの中で細菌同士がどのように関わり合い、どのように病態が形成されていくのかという全体像までは、捉えきれていないケースも多いのではないでしょうか。
書籍や論文の解説を読んだだけでは、ミクロな細菌の世界と患者さんのお口の中で起きている臨床現象を結びつけてイメージすることが難しく、日常の指導にまで落とし込みづらいという課題が生じがちです。
だからこそ、単なる知識の暗記にとどまらず、細菌叢(マイクロバイオーム)の変化と病態形成のメカニズムを正しく理解し、臨床処置や患者説明に直結する明確な判断基準を持つことが極めて重要となります。
本セミナーでは、「歯科衛生士が聞くとめっちゃおもろい歯周病細菌の話」をテーマに、バイオフィルムの本質や細菌の定着プロセス、さらには全身疾患との関連性までを、大阪大学名誉教授/特任教授の天野 敦雄先生に解説いただきます。
生後から思春期にかけての口腔細菌叢の成長と、悪玉菌(レッドコンプレックスなど)が定着するしくみについて整理。
健康な状態(Symbiosis)からバランスが崩れる「Dysbiosis」への移行メカニズムや、出血・タンパク質を栄養源として高病原化する細菌の生態、歯周組織で起こる炎症反応をわかりやすく解説します。
さらに、歯周病菌やサイトカインが血流や嚥下を介して全身へ影響を及ぼすメカニズムを取り上げ、最新のセルフケア製品の考え方を含めた「Reverse dysbiosis(細菌叢の健全化)」へのアプローチ方法を紹介。
「なぜSRPやTBIが必要なのか」をメカニズムから深く理解し、患者さんに自信を持って根拠を語れる“伝えられる歯科衛生士”を目指したい方におすすめの内容です。
こんな方におすすめ
👉 細菌叢(マイクロバイオーム)の変化と歯周病発症のメカニズムを学びたい
👉 SRPやTBIの必要性を解剖・細菌学的な根拠に基づいて説明できるようになりたい
👉 歯周病と全身疾患が関連する具体的なルートや理由を身に付けたい
講義目次
口腔細菌叢の成長過程と歯周病菌(レッドコンプレックス)の定着
SymbiosisからDysbiosisへの移行と歯周病発症のメカニズム
出血や栄養共生によるバイオフィルムの高病原化と歯周組織破壊
血行性・嚥下ルートから見る歯周病と全身疾患との関連性
Reverse dysbiosisを目指す歯周治療・TBI・セルフケアの実践
講師
大阪大学大学院歯学研究科予測歯科創造共同研究講座 特任教授。大阪大学歯学部卒業後、同歯学部予防歯科学講座に入局。医員、助手、講師を経て、同大学院歯学研究科予防歯科学教室教授。大阪大学大学院歯学研究科長/歯学部長、日本口腔衛生学会理事長などを歴任。著書に「あなたの知識は最新ですか?歯科衛生士のための21世紀のペリオドントロジー ダイジェスト」「天野ドクターの歯周病絵本 バイオフィルム公国物語」など多数。