歯科用語集

2022年03月15日

フラビーガム

「フラビーガム」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

フラビーガムとは?

フラビーガム(英:flabby gum)とは、無歯顎患者における顎底粘膜の異常一種で、粘膜の肥厚と顎堤吸収によってコンニャク状にブヨブヨと軟らかくなった状態の歯肉のことを示します。flabby(意味:肉がたるんでしまりのない)+gum(歯肉)が語源です。

フラビーガムの原因

フラビーガムの原因は、適合不良の義歯の長期的な使用により起こる床下粘膜に対しての慢性の機械的刺激が主な原因とされています。また、下顎前歯による上顎前歯部への突き上げもフラビーガムの誘発に関与していると考えられています。
 

フラビーガムの特徴

フラビーガムは、顎堤の歯槽骨吸収、粘膜の肥厚、粘膜下組織の線維性増殖が特徴です。これらの組織的変化が起こることで、顎堤粘膜はコンニャク状に軟らかくなり可動性が大きくなります。
 

フラビーガムと臨床的意義

フラビーガムは、粘膜の被圧偏位量が大きいため発生すると義歯の安定を図るのが困難になります。現在使用中の義歯でフラビーガムが発生した場合には、テッシュコンディショナーを使用し義歯の安定を試みるか外科的切除によってフラービーガムの肥厚した粘膜を除去するなどの対応を行います。しかし、歯槽骨吸収も伴っているため、粘膜を切除しただけでは高度な吸収が起きた顎堤だけが残ってしまい、補綴が困難になる場合もあるので注意が必要です。フラビーガム存在下で新義歯を製作する場合には、印象採得時に使用する個人トレーのフラビーガム部のリリーフや遁路の付与を行うとともに酸化亜鉛ユージノール印象材、インジェクションタイプのシリコンラバー印象材および石膏印象材など流動性(フロー)の良い印象材を用いて無圧印象を行う必要があります。
 

フラビーガムとすれ違い咬合

フラビーガムは、下顎前歯部のみが残存している状態での下顎前歯による上顎の突き上げで起こることが多く、上顎無歯顎で下顎前歯部が残存している様な咬合や上顎臼歯部と下顎前歯部のみ残存の様なすれ違い咬合での発生症例が多いとされています。コンビネーションシンドローム(combination syndrome)の1症状にもフラビーガムは含まれています。