金銀パラジウム合金とは?
金銀パラジウム合金とは、歯科用金合金の一つである。金銀パラジウム合金には銀が多いので構成成分の含有量からすれば「銀パラジウム銅金合金」とよぶのが本来の呼び方であるが、歯科領域では古くからJIS規格に則り金銀パラジウム合金と呼んでいる。12%金銀パラジウム合金は保険適応されている合金であり、保険診療のインレーやクラウンはこの金属を使って作られる。金銀パラジウム合金の本合金の種類には第1種のクラウン、インレー用と第2種のブリッジ、クラスプ用とがあり金の含有量は12%以上、バラジウム20%以上、銀40%以上と規定されている。第2種は硬化熱処理が可能である。金銀パラジウム合金は略称では「金パラ」と呼ばれる。
金銀パラジウム合金の組成
金銀パラジウム合金の組成を以下に示す。
- Ag(銀):50%
- Pd(パラジウム):20%
- Cu(銅):14%
- Au(金):12%
- Zn(亜鉛):4%
金銀パラジウム合金の各成分の目的
- Pd(パラジウム):耐硫化性の向上、融点上昇、強さの増加、ガス吸収
- Cu(銅):時効硬化の発現、融点降下、鋳造性の改善、耐食性の低下
- Au(金):耐食性と鋳造性の向上少、融点上昇
- Zn(亜鉛):脱酸剤(酸化防止)、融点降下
- Ir(イリジウム)、Rh(ロジウム):結晶粒微細化、偏析の緩和、強さと伸びの増加
金銀パラジウム合金の問題点
近年パラジウムの価格が高騰しているため、それに伴い歯科用金銀パラジウム合金も価格が高騰している。
パラジウムは世界の市場では自動車の排ガス中に含まれる有害物質を無害化する触媒としての使用量総需要の7~8割程度を占めているため、世界経済の成長に伴って、必然的に価格は高騰するのである。
パラジウム地金相場高騰のあおりを受け、金銀パラジウム合金のの市場価格は年々高騰しているのにも関わらず、保険点数に反映されていないのが実情である。
パラジウムは世界の市場では自動車の排ガス中に含まれる有害物質を無害化する触媒としての使用量総需要の7~8割程度を占めているため、世界経済の成長に伴って、必然的に価格は高騰するのである。
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