歯科用語集
2022年3月16日

オーバーオールレイシオ

「オーバーオールレイシオ」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

PICK UP

オーバーオールレイシオとは?



オーバーオールレイシオ(英:over-all ratio)は、矯正で用いられる模型計測法の指標のひとつで、上下顎歯列の不調和を評価するための指標です。トゥースサイズレイシオの中のひとつであり、発案者はBoltonです。
,

トゥースサイズレイシオとオーバーオールレイシオ

トゥースサイズレイシオ(tooth-size ratio)は、口腔模型を計測して上下顎の歯冠幅径の総和から上下顎比率を求める事により、将来の上下顎歯列の不調和や矯正治療の最終段階での咬合状態を予測する方法です。トゥースサイズレイシオには、左右の中切歯から第一大臼歯の計12歯の総和を用いるオーバーオールレイシオ(over-all ratio)と左右の中切歯から犬歯までの計6歯を用いるアンテリアレイシオ(anterior ratio)があります。その他に、左右の犬歯から第一大臼歯までを用いるポステリアレイシオ(posterior ratio)も用いられることがあります。

それぞれの指標が評価できることを以下に示します。
オーバーオールレイシオ:上下顎歯列弓全体の調和を評価するのに用いる指標
アンテリアレイシオ:上下顎前歯部の調和を評価するのに用いる指標
ポステリアレイシオ:上下顎側方歯部の調和を評価するのに用いる指標


オーバーオールレイシオの算出方法

1/20mm縮尺つきノギスを用いて、口腔模型上で各歯の歯冠の幅径を測定します。測定した幅径を算出の式に当てはめて求めます。

オーバーオールレイシオ=下顎12歯の歯冠幅径総和(mm)/上顎12歯の歯冠幅径総和(mm)×100(%)

※日本人の標準偏差値:91.37±2.10%


オーバーオールレイシオに影響を与える因子

オーバーオールレイシオは、歯冠幅径の総和を基に算出されます。そのため、歯冠形態の異常や先天欠如などの影響を受けて値が変化します。また上下顎の比率で求められるため同じ異常でも下顎に起こる場合と上顎に起こる場合で値の大小が変わります。例えば先天欠如が起きた場合、下顎に発生すれば分子が小さくなるためオーバーオールレイシオの値は小さくなり上顎に発生した場合には分母が小さくなるのでオーバーオールレイシオの値は大きくなります。オーバーオールレイシオに影響を与える因子としては、先天欠如、癒合歯、巨大歯、矮小歯などがあります。過剰歯については無視して考えるためオーバーオールレイシオの値は変化しません。

関連用語

PICK UP
1D SNS
掲載情報について

1D(ワンディー)は、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士向けの情報が集まる、日本最大級の専門メディアです。

トップレベルの臨床家・研究者からオンラインで学べる「歯科セミナー」や、臨床・経営・ライフスタイルの最新情報が収集できる「歯科ニュース」など、多彩な歯科医療コンテンツを配信しています。

本サイトは、歯科医療関係者(歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科助手・歯科学生等)を対象に、歯科医療の臨床・研究・経営等に関する情報を集約したものです。歯科医療関係者以外の一般の方に対する情報提供を目的としたものではないことをご了承ください。

また、本サイトで提供する情報について細心の注意を払っておりますが、内容の正確性・完全性・有用性等に関して保証するものではありません。詳細は利用規約をご覧ください。

SNS
© 2024 1D inc.
1D SNS
掲載情報について

1D(ワンディー)は、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士向けの情報が集まる、日本最大級の専門メディアです。

トップレベルの臨床家・研究者からオンラインで学べる「歯科セミナー」や、臨床・経営・ライフスタイルの最新情報が収集できる「歯科ニュース」など、多彩な歯科医療コンテンツを配信しています。

本サイトは、歯科医療関係者(歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科助手・歯科学生等)を対象に、歯科医療の臨床・研究・経営等に関する情報を集約したものです。歯科医療関係者以外の一般の方に対する情報提供を目的としたものではないことをご了承ください。

また、本サイトで提供する情報について細心の注意を払っておりますが、内容の正確性・完全性・有用性等に関して保証するものではありません。詳細は利用規約をご覧ください。

SNS
© 2024 1D inc.