オーバーオールレイシオ

「オーバーオールレイシオ」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年12月05日

オーバーオールレイシオとは?

 オーバーオールレイシオは、矯正で用いられる模型計測法の指標のひとつで、上下顎歯列の不調和を評価するための指標である。トゥースサイズレイシオの中のひとつであり、発案者はBoltonである。英語では、over-all ratioと表記される。


トゥースサイズレイシオとオーバーオールレイシオ

トゥースサイズレイシオ(tooth-size ratio)は、口腔模型を計測して上下顎の歯冠幅径の総和から上下顎比率を求める事により、将来の上下顎歯列の不調和や矯正治療の最終段階での咬合状態を予測する方法である。トゥースサイズレイシオには、左右の中切歯から第一大臼歯の計12歯の総和を用いるオーバーオールレイシオ(over-all ratio)と左右の中切歯から犬歯までの計6歯を用いるアンテリアレイシオ(anterior ratio)がある。その他に、左右の犬歯から第一大臼歯までを用いるポステリアレイシオ(posterior ratio)も用いられることがある。

それぞれの指標が評価できることを以下に示す。
  • オーバーオールレイシオ:上下顎歯列弓全体の調和を評価するのに用いる指標
  • アンテリアレイシオ:上下顎前歯部の調和を評価するのに用いる指標
  • ポステリアレイシオ:上下顎側方歯部の調和を評価するのに用いる指標
 

オーバーオールレイシオの算出方法

1/20mm縮尺つきノギスを用いて、口腔模型上で各歯の歯冠の幅径を測定する。測定した幅径を算出の式に当てはめて求める。

オーバーオールレイシオ=下顎12歯の歯冠幅径総和(mm)/上顎12歯の歯冠幅径総和(mm)×100(%)

※日本人の標準偏差値:91.37±2.10%
 

オーバーオールレイシオに影響を与える因子

オーバーオールレイシオは、歯冠幅径の総和を基に算出される。そのため、歯冠形態の異常や先天欠如などの影響を受けて値が変化する。また上下顎の比率で求められるため同じ異常でも下顎に起こる場合と上顎に起こる場合で値の大小が変わる。例えば先天欠如が起きた場合、下顎に発生すれば分子が小さくなるためオーバーオールレイシオの値は小さくなり上顎に発生した場合には分母が小さくなるのでオーバーオールレイシオの値は大きくなる。オーバーオールレイシオに影響を与える因子としては、先天欠如、癒合歯、巨大歯、矮小歯などがある。過剰歯については無視して考えるためオーバーオールレイシオの値は変化しない。



「オーバーオールレイシオ」の文献・書籍など

【読み】

おーばーおーるれいしお

【文献・書籍】

『歯科矯正学 第5版』相馬邦道ら,医歯薬出版,2010
『歯科国試パーフェクトマスター 歯科矯正学』清水典佳 鈴木里奈,医歯薬出版,2018.

著者/監修者情報

歯科医師

歯科医師・歯学博士。1987年東京都生まれ。2013年鶴見大学歯学部卒業後、歯科医師国家資格取得。2018年同大学大学院歯内療法学講座にて博士(歯学)取得。現在は同大学歯学部解剖学講座に非常勤研究員として所属。歯科医院に勤務する傍ら、個別指導塾を開設。個別指導歴は6年目、再試数2桁(学年最下位)を半年で進級させる。2020年から子どもたちに絵本を届けるため「スタジオ歯の絵本」で歯科の絵本製作プロジェクトを始動。
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