酸化亜鉛ユージノールセメントとは?
酸化亜鉛ユージノールセメントとは、主成分のユージノール(液)が持つ水酸基と酸化亜鉛(粉)の亜鉛イオンがキレート結合することでユージノール亜鉛を産生し、硬化するセメントのことです。ユージノールがレジンセメント、コンポジットレジンと接触するとレジンの重合を遅延させ、ポリマーを溶解するので、レジン充填の覆髄には適しません。
酸化亜鉛ユージノールセメントの粉末の成分である酢酸亜鉛は、硬化反応の促進剤として用いられます。また、水分やアルコールの存在は著しくセメントの硬化を促進する為、器具などに水分、アルコールが付着している場合、注意が必要です。キレート結合は結合力が弱いためセメント強度は低く、歯質接着性もあまりありません(この性質は窩洞形成や覆髄処置を行ったあとの歯面の印象採得後から修復物が完成するまでの期間、あるいは感染根管治療を行なっている途中の根管を次の治療までの期間など歯科臨床ににおいて一時的に細菌や汚染物質、唾液などの侵入を防止するために封鎖が必要な場面は多々あります。そのような場面で一時的な封鎖(仮封)を行うために用いられる材料を仮封材といいます。">仮封材と呼びます。仮封は最低でも3mm~4mmの厚みを持たせた方が感染根管治療の予後が良いとされます。なお、仮封は英語でtemporary sealingといいます。">仮封には適している)。また、ユージノールは弱い消炎鎮痛作用を有しています。
酸化亜鉛ユージノールセメントと類似した組成を持つEBAセメント(強化型酸化亜鉛ユージノールセメント)の液には、ユージノールとエトキシ安息香酸(ethoxybenzonic acid : EBA)が含まれます。EBAの水酸基もユージノールと同様に亜鉛イオンとキレート結合します。
酸化亜鉛ユージノールセメントの粉末の成分である酢酸亜鉛は、硬化反応の促進剤として用いられます。また、水分やアルコールの存在は著しくセメントの硬化を促進する為、器具などに水分、アルコールが付着している場合、注意が必要です。キレート結合は結合力が弱いためセメント強度は低く、歯質接着性もあまりありません(この性質は窩洞形成や覆髄処置を行ったあとの歯面の印象採得後から修復物が完成するまでの期間、あるいは感染根管治療を行なっている途中の根管を次の治療までの期間など歯科臨床ににおいて一時的に細菌や汚染物質、唾液などの侵入を防止するために封鎖が必要な場面は多々あります。そのような場面で一時的な封鎖(仮封)を行うために用いられる材料を仮封材といいます。">仮封材と呼びます。仮封は最低でも3mm~4mmの厚みを持たせた方が感染根管治療の予後が良いとされます。なお、仮封は英語でtemporary sealingといいます。">仮封には適している)。また、ユージノールは弱い消炎鎮痛作用を有しています。
酸化亜鉛ユージノールセメントと類似した組成を持つEBAセメント(強化型酸化亜鉛ユージノールセメント)の液には、ユージノールとエトキシ安息香酸(ethoxybenzonic acid : EBA)が含まれます。EBAの水酸基もユージノールと同様に亜鉛イオンとキレート結合します。
酸化亜鉛ユージノールセメントの用途
酸化亜鉛ユージノールセメントの用途は、以下の通りです。
- 覆髄
- 修復物・補綴装置のテンポラリークラウン(テンポラリーブリッジ)やプロビジョナルレストレーションをはじめとして、最終補綴物でも適合を確認するために仮着されることがあります。仮着には仮着用セメントが用いられます。">仮着
- 窩洞形成や覆髄処置を行ったあとの歯面の印象採得後から修復物が完成するまでの期間、あるいは感染根管治療を行なっている途中の根管を次の治療までの期間など歯科臨床ににおいて一時的に細菌や汚染物質、唾液などの侵入を防止するために封鎖が必要な場面は多々あります。そのような場面で一時的な封鎖(仮封)を行うために用いられる材料を仮封材といいます。">仮封材と呼びます。仮封は最低でも3mm~4mmの厚みを持たせた方が感染根管治療の予後が良いとされます。なお、仮封は英語でtemporary sealingといいます。">仮封
- 暫間充填
- 根管充填
酸化亜鉛ユージノールセメントの組成
酸化亜鉛ユージノールセメントの組成は、以下の通りです。
[粉末]
[粉末]
- 酸化亜鉛
- アルミナまたはシリカ
- ロジンまたはポリメタクリル酸メチル
- 酢酸亜鉛
[液]
- ユージノール
- O-エトキシ安息香酸
- オリーブ油
※ ZOEセメント、EBAセメントで組成は異なります。
酸化亜鉛ユージノールセメントの使用方法(添付文書より)
酸化亜鉛ユージノールセメントの使用方法は、以下の通りです。
- 粉液の採取: 特にテンポラリークラウン(テンポラリーブリッジ)やプロビジョナルレストレーションをはじめとして、最終補綴物でも適合を確認するために仮着されることがあります。仮着には仮着用セメントが用いられます。">仮着物の取り外しを容易にする場合は、液をやや多く練和する。
- 練和: 粉と液を紙練板またはガラス練板上に採取し、粉を2~3等分し、液中に徐々に投入し、均一に練り上げる。
- 窩洞形成や覆髄処置を行ったあとの歯面の印象採得後から修復物が完成するまでの期間、あるいは感染根管治療を行なっている途中の根管を次の治療までの期間など歯科臨床ににおいて一時的に細菌や汚染物質、唾液などの侵入を防止するために封鎖が必要な場面は多々あります。そのような場面で一時的な封鎖(仮封)を行うために用いられる材料を仮封材といいます。">仮封材と呼びます。仮封は最低でも3mm~4mmの厚みを持たせた方が感染根管治療の予後が良いとされます。なお、仮封は英語でtemporary sealingといいます。">仮封・テンポラリークラウン(テンポラリーブリッジ)やプロビジョナルレストレーションをはじめとして、最終補綴物でも適合を確認するために仮着されることがあります。仮着には仮着用セメントが用いられます。">仮着: 練和後直ちに適用するが、形成した歯面はエアやアルコールで乾燥させずに使用する。余剰セメント泥は軟らかいうちに除去する。
酸化亜鉛ユージノールセメントの取り扱い上の注意点
酸化亜鉛ユージノールセメントの取り扱い上の注意点は、以下の通りです。
- テンポラリークラウン(テンポラリーブリッジ)やプロビジョナルレストレーションをはじめとして、最終補綴物でも適合を確認するために仮着されることがあります。仮着には仮着用セメントが用いられます。">仮着用としてZOEセメントを適用した表面はユージノールが残留している可能性がある為、レジン系接着剤を使用する場合は十分な清掃を必要とする。
- ユージノールは刺激性が強い為、ユージノールに対して接触により発疹や皮膚炎を起こすなど過敏症がある患者には使用を避ける。
酸化亜鉛ユージノール印象材とは?
酸化亜鉛ユージノール印象材とは、酸化亜鉛とユージノールのキレート結合により硬化する非弾性の印象材です。無歯顎患者に対する精密印象や咬合採得の際に用いられます。