乳歯冠(既製乳歯冠・既製金属冠)とは?
乳歯冠(既製乳歯冠・既製金属冠)とは、乳歯に適用されるクラウンのことです。小児の歯科治療は、なるべく迅速に行う必要があります。乳歯は永久歯と比べて歯質が薄く、髄角が突出しているなどの解剖学的特徴があるので、歯質の削合は永久歯よりも少なくする必要があります。また、対合歯の咬耗にも気を付けなければなりません。このため乳歯冠が適用されることが多いです。
乳歯冠(既製乳歯冠・既製金属冠)の特徴
既製乳歯冠・既製金属冠などの乳歯冠の特徴を以下に示します。
- 製作に際しては直接法と間接法がある
- 歯質削除量が少ない
- 機能回復が容易である
- 審美性が不良である
- 前歯部ではクラウンフォームを用いる
- 辺縁形態・マージン形態はナイフエッジとする
乳歯冠(既製乳歯冠・既製金属冠)の適応症
既製乳歯冠・既製金属冠などの乳歯冠の主な適応症を以下に列挙します。
- う蝕による歯冠の崩壊が著しい乳臼歯
- 多歯面(3面以上)にう蝕が多発している乳臼歯
- 窩洞の保持形態・抵抗形態が得られないもの
- う蝕罹患傾向が高い幼児の下顎第一乳臼歯
- 歯髄処置を施した乳歯
- 幼若永久歯の暫間修復
- 形成不全歯(エナメル質形成不全症など)
- 保隙装置の支台歯