口呼吸

「口呼吸」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年06月14日

口呼吸とは?

口呼吸とは、鼻腔の代わりに口腔を介して行われる、習慣性の呼吸のことである。

鼻呼吸を行う鼻腔は、温度・湿度の調整や、ほこりなど異物の除去を行なっている。口腔を介した口呼吸はその補助的なものであるが、口呼吸が鼻呼吸の代わりに主として行われるようになると、様々な問題が生じてくる。



口呼吸の種類

口呼吸はその病院因子により、以下のように分類される。
  • 鼻性口呼吸
  • 歯性口呼吸
  • 習慣性口呼吸

口呼吸による障害・影響

口呼吸による影響・障害は以下である。
  • 唾液の自浄作用低下
  • プラーク形成の促進
→これらにより歯周病やう蝕に罹患しやすくなる。その他、
  • 上顎前歯部の歯肉に炎症を引き起こす
  • 顎顔面携帯・歯の位置に影響を及ぼす

口呼吸の原因

口呼吸の原因は以下である。
  • 鼻閉塞を引き起こす鼻腔の異常
  • 口唇閉鎖不全を引き起こす口腔の異常
その他鼻・口など顔貌形態に関する遺伝因子の関与も考えられている。

口呼吸の検査方法

口呼吸の検査方法は以下である。
  • 医療面接
    • 口呼吸の自覚症状の有無
    • 鼻咽喉疾患の有無
    • 口腔内乾燥感の有無
    • いびきをかくか、他人にいびきを指摘されたことがあるか
    • 口臭の自覚の有無
  • 視診
    • 口唇乾燥:口唇の乾燥やひび割れなどの有無
    • 口呼吸線:口唇を指で開いて、口呼吸時に露出する前歯の唇側歯肉発赤・腫脹の有無
    • 堤状隆起(テンションリッジ):上顎口蓋側歯肉の堤状腫脹の有無
    • 鼻閉塞:ミラーを用いて呼気による曇りを検査する
    • 口唇を軽く接触させた時、オトガイ部に梅干し状のしわが見られるか
    • 歯肉増殖

口呼吸の治療方法

口呼吸の治療方法は以下である。
  • 鼻性口呼吸の治療法
    • 主な原因は鼻閉塞であり、その多くはアレルギー性鼻炎や慢性鼻炎・慢性副鼻腔炎、鼻中隔彎曲によるものである
    • 咽頭扁桃の腫脹・口蓋扁桃肥大、アデノイド肥大なども原因として挙げられる
    • →耳鼻科の受診を勧める
  • 歯性口呼吸の治療法
    • 歯列異常の改善
      • 前歯部に叢生・前突があると口唇を閉鎖しにくくなる
      • 歯周炎が進行すると、上顎前歯提出や歯間離開を伴う前突が起こり、口呼吸を助長する
      • →歯列矯正による歯列不正改善により口唇閉鎖を容易にし、口腔乾燥も改善されることでプラーク付着の減少を図ることができ、またブラッシングも容易になる
    • 歯肉増殖症に対する処置
      • 口呼吸を長期に行ってきた場合、前歯部に歯肉炎・歯肉増殖を起こしやすい
      • 前歯部における歯肉増殖は、口唇閉鎖を困難にする
      • 口唇閉鎖不全になるとさらに前歯部歯肉を乾燥させ、歯肉炎症・増殖を強め、さらに口唇閉鎖を難しくする
      • →徹底したプラークコントロールによる口腔衛生状態の改善を図る。歯肉増殖が重度である場合は、歯肉切除術も検討する
    • 口唇閉鎖不全の改善
      • 覚醒時には鼻呼吸を行なっているが、睡眠時に口呼吸をしている場合がある
      • →補助用具を用いて睡眠時の口呼吸の為害性を軽減する。就寝時の口唇閉鎖を補助する手段として、サージカルテープを口唇に貼る方法やオーラルスクリーンを使用する方法がある
    • 歯肉の乾燥防止
      • 口呼吸は上顎前歯を中心に、粘膜の脱水乾燥を引き起こし、炎症に対する抵抗力を低下させる
      • →就寝前に歯肉にワセリンなどを塗布し、乾燥を防止することが有効である
  • 習慣性口呼吸の治療法
    • 鼻疾患・歯列不正が治癒した後も、習慣的に口呼吸を行なっている患者に対しては、口を閉じて呼吸する練習をさせる
    • →このような患者の多くは口唇の筋力が弱いため、口輪筋などの訓練が必要である




「口呼吸」の文献・書籍など

【読み】

くちこきゅう

【文献・書籍】

『臨床歯周病学 第2版』, 吉江弘正ら, 医歯薬出版株式会社, 2013.

著者/監修者情報
歯科医師

1992年千葉県生まれ。鶴見大学⻭学部歯学科卒業後、⻭科医師免許を取得。学生時代から個人でアプリやWebサービスの開発を行う。東京⻭科大学大学院博士課程中退。2017年にワンディー株式会社を創業。

歯列・骨格の症例リスト

相談させてください。

◆8歳男児
◆口呼吸
◆嚥下時、舌突出
◆幼い頃からアレルギー体質(ダニと花粉)
◆慢性鼻炎で耳鼻科に通っているが、薬が効かなくなってきた
◆週に1度野球をやっている
◆1日1時間程度ゲームもやる
◆睡眠時間は7〜8時間程度


お母さまから「前歯の出っ歯とお口ポカンが気になる」との事でマイオブレース矯正を開始したのですが、鼻炎でほぼ使用できていない状態です。

みなさん、慢性鼻炎などで鼻呼吸ごできずトレーナーが入れられないお子さんへの指導はどのようにされていますか?
何かいい方法はありますでしょうか?

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