サンダラックバーニッシュ

「サンダラックバーニッシュ」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年10月18日

サンダラックバーニッシュとは?

サンダラックバーニッシュとは、精選したサンダラックという天然樹脂をアルコールに溶かし精製した仮封材のことである。綿球(綿栓)をサンダラックに浸し、急性症状のある根尖性歯周組織疾患の髄室内に挿入し、根管口を開放したままにしておく方法をサンダラック仮封という。サンダラック仮封は仮封の術式のなかでも、膿瘍から根管への排膿を確保するために根管を閉鎖しない開放性仮封法のひとつである。

サンダラックバーニッシュの成分

サンダラックバーニッシュの形状・組成は、以下の通りである。

性状:液
組成:サンダラック、無水エタノール、その他
 

サンダラックバーニッシュの使用方法

サンダラックバーニッシュの適量を綿球に浸し、充填仮封を行う。
以下に詳細を示す。
①    根尖孔をKファイルなどで穿通し、排膿路を確保する。
②    十分に排膿させ、根管内を洗浄する。
③    (ヨードを浸した)綿栓を根管内に挿入する。
④    綿球をサンダラックバーニッシュに軽く浸して、髄腔内に置く。
⑤    水をかけて綿球を固定する。
 

サンダラックバーニッシュの使用上の注意

サンダラックバーニッシュの使用上の注意点は、以下の通りである。
  1. 使用注意
    ・サンダラックバーニッシュは可燃性のため、火気に注意する。
  2. 重要な基本的注意
    ・サンダラックバーニッシュの使用により、発疹、皮膚炎などの過敏症状があらわれた患者には、使用を中止し、専門医の診察を受けさせること。
    ・サンダラックバーニッシュに対して発疹、皮膚炎などの過敏症のある術者は、手袋などを用いて直接サンダラックバーニッシュに触れないように注意すること。また、使用により過敏症を起こした場合には、使用を中止し、すぐに専門医の診察を受けること。
    ・サンダラックバーニッシュが皮膚に付着した場合は、すぐに流水で十分に洗浄すること。
    ・サンダラックバーニッシュは、目に入らないように注意すること。万一目に入った場合には、すぐに大量の水で洗い流したあと、専門医の診察を受けること。
 

仮封の意義と目的

仮封とは、窩洞形成や根管治療の際、一時的に窩洞や根管口を封鎖することを仮封という。窩洞形成や根管治療を行う際は、唾液や汚物などからの感染を防止するためにラバーダム防湿を施すのが基本である。しかし、感染防止をしながら治療を施した患歯を次回の来院まで仮封せずに放置すれば、治療している欠損部に食物残差が停滞して口腔内が不潔になるばかりではなく、切削部の象牙細管から細菌が侵入して治療効果を妨げる結果となるので、それぞれのケースにかなった材料を選び仮封処置を行う必要がある。

仮封は次のような目的で行われる。

①    外来刺激からの歯髄保護
②    歯髄の鎮静
③    食片圧入の防止
④    歯の位置の確保
⑤    窩縁部の保護
⑥    審美性の確保
 

仮封材とは?

窩洞形成や抜髄および根管治療を行ったあと、これらの窩洞を一時的に封鎖するが、この暫間的に封鎖する材料を仮封材という。仮封材として次のような性質が望まれる。

①    操作性に優れている
②    合着性が強く、しかも着脱しやすい。
③    封鎖性に優れている。
④    無刺激性である。
⑤    電気・熱・化学的刺激などを防止できる。
⑥    咬合圧に耐えられる。
⑦    審美性に優れている。
 

仮封材の種類

仮封材として次のような種類がある。

①    テンポラリーストッピング
テンポラリーストッピングを炎にかざして軟化後、錬成充填機を用いて窩洞へ圧接充填する。または、ストッピングキャリアーのなかへストッピングを挿入し、ストッピングキャリアーを炎にかざしてなかのストッピングを軟化したあと、ストッピングキャリアーの先端を窩洞へ圧接しながらストッピングを押し出して仮封する。操作は簡単であるが封鎖性に劣る。

②    酸化亜鉛ユージノールセメント
紙練板上に適量の液と粉末を取り出し、セメントスパチュラーで練和したあと窩洞へ填塞する。封鎖性はよいが除去しにくい。

③    水硬性仮封材
パテ状の水硬性仮封材を適量取り出し、錬成充填機を用いて窩洞へ充填する。操作は簡単であるが除去しにくい、封鎖性は酸化亜鉛ユージノールセメントに劣る。

④    MMAレジン
模型上または直接の窩洞に分離材を塗布し、MMAレジンを一塊状にして窩洞に圧接、または筆積みによって仮封修復物を作製し、レジンの硬化後形を整え、テンポラリーセメントを用いて装着する。操作は煩雑であるが封鎖性は確実である。

⑤    光重合型仮封材
フッ素徐放性フィラーを含有している。窩洞にノズルを当てて仮封材を適量押し出し、光照射によって硬化させる。操作は簡単であるが接着性に欠ける。また、除去も簡単である。


「サンダラックバーニッシュ」の文献・書籍など

【読み】

さんだらっくばーにっしゅ

【文献・書籍】

『歯内治療学 第4版』, 中村洋ら, 医歯薬出版株式会社, 2012.

著者/監修者情報

歯科医師

誇り高き道産子。岡山大学歯学部卒業後、歯科医師免許取得。北海道大学病院にて研修終了後、ワンディー株式会社にジョイン。歯科業界のマーケティングに携わる。