歯科用語集

2022年07月01日

クラウンループ

「クラウンループ」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

クラウンループとは?

クラウンループとは、固定性保隙装置の一種で、乳歯の早期喪失による隣在歯の傾斜移動によって永久歯の萌出スペース減少を防ぐため、近遠心的に喪失歯の空隙を保持する装置のことです。クラウンループは、乳臼歯の1歯喪失症例に用いられ、乳歯用既製金属冠を装着する必要があります。

クラウンループの構造

クラウンループの構造は、「乳歯用既製金属冠」と「ワイヤー」で作られています。乳歯用既製金属冠と乳犬歯遠心面に接するようループ型に屈曲したワイヤーをろう着し、早期喪失した空隙部分のスペースを確保しています。

クラウンループの材料

クラウンループの材料は、ステンレススチール製の乳歯用既製金属冠と、コバルトクロム製0.9mmラウンド型ワイヤーで構成されています。



クラウンループの長所

クラウンループの長所は、以下のような点が挙げられます。
  • 患児が外すことがないため、確実に空隙の保持ができる
  • 支台歯の機能を抑制しない
  • 後続永久歯を正しい位置に萌出誘導することができる
  • 製作が容易

クラウンループの短所

クラウンループの短所は、以下のような点が挙げられます。
  • 片側1歯の喪失症例にしか適用できない
  • バンドループに比べると歯質切削量が多い
  • 装着しても咀嚼機能を回復させることはできない
  • 対合歯が挺出することを防止することはできない
  • 支台歯に過重負担がかかる場合がある

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