歯科用語集
2022年3月16日

SPT

「SPT」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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SPTとは?

SPT(Supportive Periodontal Therapy)とは、歯周組織検査によって病状安定と判定されたのち、それを維持するために歯科医師・歯科衛生士によるプラークコントロールやスケーリング・ルートプレーニング(SRP)、咬合調整などを行う定期的治療のことです。
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病状安定とは?

SPTやメインテナンスに移行する際の「病状安定」についてまず解説を行います。病状安定とは、歯周治療後に病変の進行は停止したものの、歯周ポケットが残存している状態のことです。歯周治療後の「治癒」は、歯肉の炎症・歯肉からの出血(BOP)が存在せず、歯の動揺も生理的な範囲となり、歯周ポケットが全顎的に3mm以下の状態を指すが、病状安定とは、4mm以上の歯周ポケットや根分岐部病変、生理的範囲を越えた歯の動揺が認められたとしても病変の進行が停止している状態のことを指します。病変の進行が停止している場合、歯科医師・歯科衛生士によるプロフェッショナルケアによって歯周組織を継続して維持するための処置が必要となり、これをSPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)といいます。

SPTとメインテナンスの違い

SPTは歯周治療後の「病状安定」に対して行う処置であり、メインテナンスは歯周治療後の「治癒」に対して行う処置です。病状安定と治癒の違いは先述の通りであり、SPTはメインテナンスと比較して、プロフェッショナルによる積極的な介入が必要となることが多いです。

SPTの目的

SPTの目的には、主に以下の3点が挙げられます。

1
病状安定部位の維持、あるいは治癒させるための治療
2
新たな歯周病再発部位の早期発見
3
良好な歯周組織環境の維持

SPTの治療・処置内容

SPTでは、口腔内の状態や全身疾患の状態、服薬状況、口腔の健康に対するモチベーションの状態などを確認した後、処置に入ります。SPTではまずプラークコントロールの状態を確認し、状態に応じて口腔衛生指導を行います。また、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)やスケーリング・ルートプレーニング(SRP)などの機械的清掃、歯周ポケット内洗浄、咬合調整、歯周ポケット内抗菌薬投与などを行います。

超高齢社会とSPT

超高齢社会における高齢者の残存歯数の増加に伴い、高齢者の歯周病も増加しています。特に全身状態の悪化などによって歯周外科治療が制限されることによって、4mm以上の歯周ポケットが残存しているケースが多くなっているとみられており、超高齢社会である我が国にとってSPTが果たす役割は大きいと考えられます。加齢による生体反応や免疫機能の低下を抱える高齢者のケースにおいては、その時々の状態に合わせたプロフェッショナルによる口腔衛生管理が重要です。

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