日常臨床において、咬合挙上や咬合再構成を要する症例に遭遇した際、どの位置を顎位の基準とすべきか迷いを抱く臨床家は少なくありません。
一見すると綺麗に整った理想的な顎関節や明確な指標を前提とした理論は数多く存在しますが、実際には関節円盤の位置異常や関節頭の吸収・変形など、何らかの障害を抱えた顎関節を持つ患者様が大半を占めるのが臨床の現実です。
教科書的な指標や理想的な接触関係をそのまま当てはめようとしても、解剖学的な個体差や身体の動的なバランスまで考慮すると、書籍や論文の記述通りには進まない場面に直面します。
患者ごとに異なる関節状態や全身の姿勢バランスの中で、何を基準として咬合位置を決定し、臨床手順へ落とし込んでいくべきかという明確な判断軸を持つことが求められています。
本セミナーでは、「咬合治療の真実と迷信」をテーマに、理想と現実のギャップを踏まえた顎位決定の考え方から具体的な精度向上のヒントまでを、日本顎咬合学会認定医の松木 佳史先生に解説いただきます。
中心位や中心咬合位をはじめとする従来の概念と臨床での実際、関節の状態や身体のバランスが咬合に与える影響について多角的に整理。
日常の印象採得やフェイスボウ供覧、ワックスやシリコンを用いた咬合採得など、院内でのスタッフ教育や精度向上に直結する手技のヒントについても詳しく触れていきます。
さらに、実際の治療から10年が経過した長期経過症例の経過観察データをもとに、設定した咬合がどのように変化・維持されたのかを解説。
一律の答えが存在しない咬合治療において、自身の明確な基準を持って診断・治療計画の立案にあたりたい先生方におすすめの講義です。
こんな方におすすめ
👉 顎関節の状態に合わせた咬合挙上・顎位決定の判断基準を知りたい
👉 印象採得や咬合採得など精度を高める臨床ステップを学びたい
👉 10年経過症例から学べる長期的な咬合管理の考え方を身に付けたい
講師
2002年日本歯科大学歯学科卒業。同付属病院での臨床研修を経て東京歯科大学千葉病院クラウンブリッジ学講座に入局。美容歯科勤務やスポーツ整体歯科の研究機関設立、クリニック併設のリハビリテーションセンター長などを歴任し、2011年より院長として歯科医院の運営に携わる。2019年に医療法人社団伯松会を設立し理事長に就任。さらに順天堂大学医学部公衆衛生講座研修生やデンマーク・オーフス大学での研究歴を有し、学術面での知見も深める。 専門領域である「咬合(かみ合わせ)」を中心とした包括的歯科治療を強みとし、顎関節症や補綴、全身とのバランスを考慮した質の高い予防・リハビリテーション治療を追求。臨床・学会発表・研修講座の講師など、幅広く精力的な活動を展開している。