歯周治療を円滑に進め、良好な予後を維持する上で、歯周組織と歯の結びつきである「付着」の概念は欠かすことのできない重要な要素です。
一方で、この付着の状態を臨床で正確に把握し、治療計画や日々の処置に落とし込むことは決して容易ではありません。専門的には極めて重視されている概念でありながら、日常臨床においては「プロービング深さの数値」だけに気を取られ、付着の動的な変化やその本質的な意義を十分に活用しきれていないケースも少なくありません。
書籍や論文に目を通しても、組織学的な理論は理解できるものの、実際の臨床現場でどのように付着の喪失リスクを見極め、補綴設計や外科処置の選択に活かせばよいのか、具体的なイメージが湧きづらいと感じる先生も多いのではないでしょうか。
歯周病の進行を正しく評価し、治療のゴールを的確に見定めるためには、単にポケットの深さを測るだけでなく、付着の状態を評価するための確かな「判断基準」を持つことが重要となります。
本セミナーでは、「付着について考える」をテーマに、基本構造の理解から付着を考慮した臨床アプローチまでを、日本歯周病学会専門医・指導医の藤田 剛先生に解説いただきます。
講義前半では、そもそも付着とは何かという基礎的な概念から、付着が破壊されたときに歯周組織で何が起こるのか、その臨床的意義とリスクについて整理。
続く後半では、付着喪失を防ぎ、あるいは健康な状態を維持・再獲得するために必要なアプローチとして、付着の存在を考慮した的確な補綴設計や外科処置を行う際のポイントをわかりやすく示していただきます。
「付着の健康をいかにして守るか」という視点を持つことで、日常のインスツルメンテーションから複雑な補綴・外科ケースにいたるまで、一貫した一本の軸を通して臨床を組み立てることができるようになります。
なんとなく理解していた付着の概念を臨床現場での強力な武器へとアップデートし、日常診療での診断や処置の迷いをすっきりと解消したい医療者におすすめの内容です。
こんな方におすすめ
👉 歯周治療における「付着」の基礎概念と重要性を臨床レベルで学びたい
👉 付着喪失に伴うリスクと臨床的意義を体系的に理解したい
👉 付着の状態を考慮した的確な補綴設計や外科処置のポイントを身に付けたい
講義目次
歯周組織における「付着」の定義と基本的な考え方
付着の破壊と喪失リスクに関する判断基準
日常の歯周治療における臨床的意義と評価方法
付着の健康を維持・考慮した補綴設計のポイント
付着を意識した外科処置の実際と手技の考え方
講師
1996年広島大学歯学部卒業。2000年に同大学院にて歯学博士号を取得後、米国ボストン大学博士研究員やカナダ・ブリティッシュコロンビア大学客員研究員などを経て、広島大学病院歯周診療科にて講師(外来医長)、准教授として24年間にわたり臨床・研究・教育に従事する。2020年に三重県伊勢市の「藤田歯科」を再開院し、院長に就任。現在も臨床の第一線で「抜歯を最終手段とする歯の保存」にこだわった先進的な歯周病治療を提供する傍ら、複数大学での客員教授・非常勤講師を兼任している。日本歯周病学会理事をはじめ、同学会の専門医・指導医として後進の育成や臨床指導にも尽力しており、歯肉上皮細胞の防御機能や歯周ポケットマネジメントに関する研究で日本歯周病学会学術賞など多数の受賞歴を持つ、臨床と学術の双方に精通したエキスパートである。