転倒や衝突などにより、口や歯を強く打って急患として来院する小児の対応は、日常臨床において遭遇する機会が非常に多いテーマの一つです。
しかし、突然の事故によって小児本人や保護者が大きなショックと不安を抱えて来院するため、現場の医療者側も限られた時間の中でいかに冷静に診察を進めるか、対応に苦慮することが少なくありません。
書籍や論文を読めば一般的な外傷の分類は理解できても、実際の臨床現場におけるパニック状態の親子への配慮や、自院でどこまでを応急処置として抱え込むべきかの境界線は、客観的なテキストだけでは判断しづらい部分です。
見た目の破折にとどまらず、歯根や歯槽骨、歯髄といった目に見えない損傷を的確に診断できるかがその後の発育や歯の予後を大きく左右するからこそ、迅速に動くための明確な判断基準を持っておくことが求められます。
本セミナーでは、「すぐできる小児の外傷対応<急患対応シリーズ>」をテーマに、口・歯の外傷に対する検査から診断、そして開業医ですべき応急処置の実際までを、日本小児歯科学会専門医・指導医の大多和 由美先生に解説いただきます。
小児期における外傷の実態を乳歯・永久歯・軟組織のそれぞれから整理し、初診時に医療者が注意深く観察・傾聴すべき「医療面接のチェックリスト」や全身の観察を含む検査方法を提示。
さらに、歯の破折や脱臼、軟組織の損傷といった外傷分類に応じた具体的な処置内容に加え、迅速かつ適切な対応が求められる止血や縫合などの応急処置について解説します。
また、すべての症例を自院だけで抱え込まずにトラブルを回避するための、小児歯科専門医などへの対診・紹介のタイミングについても言及。
あわせて、トラブル防止のための初診時の口腔内写真などの記録の重要性や、保護者への予後の説明、経過観察の要点、さらには実務で役立つ学校歯科保健(保険)の仕組みについても網羅して解説いただきます。
外傷急患の小児を前にしても慌てずに的確な初期対応を行いたい方や、専門医へ依頼するかの判断基準、保護者への適切な説明方法を整理したい先生におすすめの内容です。
こんな方におすすめ
👉 外傷でパニック状態にある小児や保護者に対する、医療面接でのチェックリストや検査の進め方を知りたい
👉 歯の破折・脱臼・軟組織の損傷に対する的確な診断と、止血・縫合などの応急処置を学びたい
👉 自院で対応すべきか専門医へ依頼すべきかの判断基準や、学校歯科保健の仕組みを身に付けたい
講義目次
小児期における歯と口の外傷の実態と初期対応の基本的な考え方
医療面接で押さえるべきチェックリストと全身・口腔内の検査診断
外傷の分類(破折・脱臼・軟組織)に応じた応急処置と止血・縫合のポイント
専門医へ紹介すべき症例の判断基準とトラブルを防ぐ口腔内記録の重要性
保護者への予後の説明方法と経過観察、学校歯科保健への対応の実際
講師
東京歯科大学卒業。現在は東京歯科大学水道橋病院にて客員教授を務め、小児歯科領域・障害者領域を中心とした臨床、研究、および後進の教育に深く従事している。日本小児歯科学会専門医・指導医および日本障害者歯科学会専門医指導医として臨床の最前線に立つとともに、ガイドラインに準じた適切な初期対応や治療法の普及に努めている。各地の歯科医師会や各種研修会において、豊富な臨床経験に基づいた実践的な講演・セミナーを多数行っており、受講する歯科医療従事者から高い信頼を得ている。