日常の診療でパノラマX線写真やCBCT画像を撮影した際、上顎洞内に予期せぬ異常所見を見つけ、対応に迷った経験を持つ先生は多いのではないでしょうか。
粘液貯留嚢胞や歯性上顎洞炎、あるいは各種の透過像や硬化像など、上顎洞に現れる病変は多岐にわたります。所見ごとの正確な鑑別はもちろん、歯科医院で経過観察が可能なのか、それとも耳鼻咽喉科をはじめとする他科へ紹介すべきなのかという判断は、日常臨床で非常に迷いやすいポイントです。
画像検査の機器が進化しても、読影の基本的な着眼点や病変の特徴を押さえていなければ、解釈に不安が残り、実際の判断に落とし込むのは容易ではありません。
だからこそ、単に画像を眺めるだけでなく、解剖学的知識に基づく明確な読影ステップと他科連携まで見据えた判断基準を持つことが不可欠となります。
本セミナーでは、「しっかり見つける上顎洞の異常所見」をテーマに、頻出疾患に対応するための読影のコツから、実施すべき検査や適切な治療判断について、新潟大学大学院医歯保健学研究科顎顔面放射線学分野教授の林 孝文先生に解説いただきます。
まずはパノラマX線画像で確認すべき上顎洞底線や前後壁などの解剖構造をはじめ、CBCTにおける洞口鼻道系(OMU)の基本構造について整理。
さらに、歯性・非歯性上顎洞炎の原因歯特定や耳鼻咽喉科紹介のタイミング、粘液貯留嚢胞・洞結石・各種嚢胞といった日常診療で遭遇する代表的病変から見逃してはならない腫瘍性病変まで、画像上の特徴をわかりやすく解説。
実際の症例をもとに「経過観察」「追加検査」「専門医紹介」を分ける具体的な判断基準が提示され、今後の展望として超音波診断の可能性についても触れていただきます。
画像診断への苦手意識を克服し、自信を持って上顎洞の異常所見に対応・判断できるようになりたい先生に最適な講義内容です。
こんな方におすすめ
👉 パノラマやCBCTにおける上顎洞異常所見の読影のコツが知りたい
👉 耳鼻咽喉科など他科への紹介タイミングや判断基準を学びたい
👉 日常臨床で遭遇する上顎洞病変の鑑別ポイントを身に付けたい
講義目次
上顎洞および洞口鼻道系(OMU)の基礎解剖と画像観察のポイント
歯性・非歯性上顎洞炎の画像診断と紹介判断の基準
代表的な上顎洞病変および見逃してはいけない腫瘍性病変の特徴
超音波診断をはじめとする上顎洞診断の今後の展望
症例で学ぶ読影の実際と「経過観察・追加検査・紹介」の判断
講師
新潟大学大学院医歯保健学研究科顎顔面放射線学分野教授 新潟大学歯学部卒業、同大学にて博士(歯学)の学位を取得。新潟大学大学院医歯学総合研究科にて顎顔面放射線学分野の教授を務め、長年にわたり歯科放射線学および上顎洞を中心とした顎顔面領域の画像診断に関する教育・研究・診療に従事。歯科放射線学ならびに歯科医学教育を専門とし、日本歯科放射線学会の指導医・専門医として数多くの臨床画像診断および学術発表を手がけた。また、第116回歯科医師国家試験委員長ならびに令和7年度医道審議会専門委員・歯科医師国家試験出題基準改訂部会長を務めた。
現在は同大学の教育分野および管理運営等に携わり、上顎洞疾患の画像診断から歯科学生への講義・指導に至るまで、豊富な臨床・教育実績に基づく実践的な知見を提供している。