口腔内装置、外科療法、矯正治療など歯科的アプローチを用いた閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療に注目が集まり、従事していらっしゃる先生も増えつつあります。小児OSAに主に関わる耳鼻科と歯科学は関連性の深い分野であり、OSA治療の歯科的アプローチのほとんどが歯科の中で日常的に行われている手技を応用したもので馴染みやすく感じるかもしれません。しかしながら、従来の歯科治療はあくまで口腔内の機能回復に目的をおいており、呼吸という視点が見過ごされてきました。
また、小児OSAにおいては小児の成長途中であるという特徴から、目の前の問題のみでなく成長による変化を加味した治療計画が必要。つまり「どの成長やどの機能がいつどの程度障害されたのか、これからされるのか」という思考が重要になります。
つまり、現状の顎口腔系の形態や機能改善のみを根拠した介入は疾患の本態を見誤る可能性が高いのです。
このセミナーでは「小児の閉塞性睡眠時無呼吸」をテーマに、小児のOSAは歯科医師が単独で診断、治療する疾患ではないこと、医科が診断、治療選択し歯科が加療に当たるという医科歯科連携なしには成立しない治療であること、また歯科治療患者のなかに疑わしい患者がいた場合の対処方法について概説するとともに、現在一般に行われている歯科介入自体が将来のOSA発症リスクを上げている可能性についても最近の知見をもとに 九州大学病院口腔総合診療科特任助教 津田緩子先生に解説していただきます。
小児OSAにおける歯科的アプローチの在り方を学べるセミナーです。
こんな方におすすめ
👉 閉塞性睡眠時無呼吸治療に従事している
👉 小児閉塞性睡眠時無呼吸の特徴について学びたい
👉 歯科介入による小児閉塞性睡眠時無呼吸治療のリスクについて知りたい
講義目次
閉塞性睡眠時無呼吸と歯科
小児の閉塞性睡眠時無呼吸の特異性
歯科的アプローチの有効性と危険性
九州大学歯学部卒業後、九州歯科大学大学院口腔欠損再構築学分野博士課程修了。九州大学病院口腔総合診療科助教、愛知医科大学睡眠科非常勤講師(兼任)、九州大学病院睡眠時無呼吸センター特任助教を経て、現在は広島大学睡眠医学講座客員研究員、九州大学病院口腔総合診療科特任助教を務める。日本睡眠学会歯科専門医、アメリカ睡眠歯科国際認定医。著書・講演に「The correlation between craniofacial morphology and sleep-disordered breathing in children in an undergraduate orthodontic clinic(大学病院矯正歯科を受診した患者における顎顔面形態と睡眠呼吸障害との関連)」「顎顔面の成長と機能から考える小児OSAに対する歯科的アプローチのあり方」など多数。