口腔の健康格差は、なぜ起きるのか。それを知っておくことは、令和を生きる歯科医療者にとって重要です。健康格差の拡大は、歯科医療業界を取り巻く社会問題として近年クローズアップされつつあります。
GPの先生方においても、一口腔レベルでの視点のみならず「家族」「地域」「社会」といったレベルでの視点を持っておくことが必要な時代なのです。
こうした「口腔の健康の社会的決定要因」は、大学でも卒後教育でも学ぶ機会はありません。これまでの歯科業界において、軽視されてきたと言っても過言ではないでしょう。
例えば、「健康教育」に意味はあるのか。システマティック・レビューによれば、長期的な効果は否定されています。「分かってはいるけど、実行できない」人が多いのが現状です。それを解決する手がかりこそ、社会的な視点なのです。
不透明な時代だからこそ、歯科医療者にも「社会」の視点が必要です。ぜひ一度、一緒に健康格差の問題を考えましょう。
こんな方におすすめ
👉 公衆衛生学に関心がある歯科医師・歯科衛生士・学生の方
👉 マクロな視点を持って診療に当たりたい方
👉 これからの歯科医療像について考えたい方
講義目次
社会歯科こそ令和のニューフロンティアだ
「生物・医学」モデルから「生物・社会」モデルへ
口腔の健康の社会的決定要因と健康格差
社会のなかで歯科医療はどうあるべきか?
1992年、千葉県生まれ。鶴見大学歯学部在学中から個人でアプリ開発を行う。歯科医師国家試験の対策アプリを開発し、新卒歯科医師の約8割が利用するまで成長させる。2016年に歯科医師免許を取得。東京歯科大学大学院博士課程に進学後は、医事・衛生法規や歯科医療管理、社会保障制度など歯科保健医療が抱える種々の問題について専攻。同大学院中退後の2017年にワンディー株式会社を創業。