歯科医療は「支出弾力性が高い」ことが指摘されています。支出弾力性とは、消費支出総額が1パーセント変化した時に、当該の消費支出がどれほど変化したかを示す指標です。
例えば、内科は診療科のなかでも支出弾力性が低く、「必需品」の性質が強いと言えます。一方で歯科や眼科は支出弾力性が高く、ある意味で「贅沢品」と言えるでしょう。
つまり、歯科医療という産業は、景気に左右されやすい、ということです。歯科医院の患者数は、景気が良くなれば増え、悪くなれば減る。
もちろん、先行き不透明な経済動向や世界情勢のなかで、景気を精緻に予測することは困難です。しかし、景気が歯科医療の需要(ひいては、歯科医師としての人生)と密接に関わるファクターであることは疑いありません。
これからの不透明な時代を生きる歯科医師にとって、教養としての社会歯科医学を知ることは悪いことではありません。これからの歯科医療の需要がどのように変化し、そのなかで歯科医師はどのような役割を担うのか。
今回の社歯サーでは、日本大学客員教授の尾崎哲則先生をお迎えして、ワンディー株式会社代表取締役の松岡周吾がお話をお伺いします。
こんな方におすすめ
👉 これからの歯科医療の需要がどうなっていくのか知りたい
👉 歯科医師という職業の今後の役割について知りたい
👉 世界情勢や経済動向と歯科医療の関わりについて関心がある
日本大学客員教授。日本大学歯学部卒業後、同大学院歯学研究科修了、同大歯学部助教授、日本大学歯学部医療人間科学分野教授を経て現職。日本歯科医療管理学会理事長、日本産業衛生学会生涯教育委員会委員長、社会歯科学会副理事長、日本禁煙学会理事、歯科部会長他。著書に「歯科衛生士のための禁煙支援ガイドブック」「禁煙学 改訂4版 」など。
1992年、千葉県生まれ。鶴見大学歯学部在学中から個人でアプリ開発を行う。歯科医師国家試験の対策アプリを開発し、新卒歯科医師の約8割が利用するまで成長させる。2016年に歯科医師免許を取得。東京歯科大学大学院博士課程に進学後は、医事・衛生法規や歯科医療管理、社会保障制度など歯科保健医療が抱える種々の問題について専攻。同大学院中退後の2017年にワンディー株式会社を創業。