今回の社歯サーは、「法医歯学の”リアル”な現場」について深掘りします。トピックは「大規模事故や災害時の遺体の個人識別」と「歯科医院における死亡事故時の対応」。
法医歯学が初めて全国の注目を集めたのは、1985年夏。日本航空123便が群馬県の山中に墜落し、520名が死亡した凄惨な事故がありました。4ヶ月におよぶ身元確認には多くの歯科医師が動員され、200名以上の身元が歯型によって特定されました。
それから26年が経った、2011年春。東日本大震災では多くの方が被災し、JAL機墜落事故の教訓を活かした個人識別が行われました。
また、今後30年以内には、南海トラフを起点としたより大きな震災が推測されています。この南海トラフ地震で動員が想定される歯科医師の数は数万名を超えるとも言われています。
これを示唆するように、近年の歯科医師国家試験には災害における個人識別をはじめとした関連する歯科法医学の問題が頻出し、歯科医療における法医学の重要性を改めて見直す必要が出てきています。
今回は、歯科法医学をテーマに、歯科医院における事故や医療安全から災害時における個人識別の重要性など、歯科法医学の”リアル”な部分について、鶴見大学公共医科学研究センター長・教授の佐藤慶太先生とディスカッションを深めていきます。
縁遠いようで、いつでも当事者になる可能性のある、歯科法医学について学んでおきませんか?
こんな方におすすめ
👉 歯科医院での事故について知りたい
👉 災害時の歯科医師としての対応を身に付けたい
👉 歯科法医学者のリアルな体験を聞きたい
鶴見大学公共医科学研究センター長・教授。鶴見大学歯学部を卒業後、東京医科歯科大学大学院医学研究科(法医学専攻)にて医学博士修得。東京医科歯科大学医学部助手、鶴見大学歯学部准教授、鶴見大学先制医療研究センター教授を経て現職。他に日本法歯科医学会理事(倫理・医療安全委員会委員長)、日本医療安全学会代議員、日本歯科医学会連合医療安全調査委員会副委員長、地方裁判所医事関係訴訟裁判専門委員等を務める。著書に「社会医学事典」、『法医歯科学』、「医と法の課題と挑戦」等多数。医療事故の原因分析と防止のプロフェッショナル。
1992年、千葉県生まれ。鶴見大学歯学部在学中から個人でアプリ開発を行う。歯科医師国家試験の対策アプリを開発し、新卒歯科医師の約8割が利用するまで成長させる。2016年に歯科医師免許を取得。東京歯科大学大学院博士課程に進学後は、医事・衛生法規や歯科医療管理、社会保障制度など歯科保健医療が抱える種々の問題について専攻。同大学院中退後の2017年にワンディー株式会社を創業。