口腔領域においても、人や世代、地域ごとによって「健康格差」があることが認められています。健康格差の是正は国家政策として注力されていますが、それは「ソーシャルキャピタル」の要因と切っても切り離せません。
また、ソーシャルキャピタルのみならず、患者さんの家族構成や住んでいる環境、医療保険制度、社会システムといった「健康の社会的決定要因」も、歯・口腔の健康と分けて考えることはできないでしょう。
複雑化した不透明な現代社会を生きる臨床医にとって、マクロな視点で考えることは今後ますます重要になってくるはずです。
社会歯科・公衆衛生のトピックを超・深掘りする『社歯サー』第1回は、東京医科歯科大学教授で歯科分野の疫学研究の第一人者である相田潤先生をゲストにお招きします。モデレーターは、ワンディー株式会社代表取締役の松岡周吾が務めます。
口腔単位・患者単位よりもマクロな視点に立って、歯科医療の新しい景色を一緒に体感してみませんか?
こんな方におすすめ
👉 疫学・公衆衛生・社会歯科のトピックに興味がある
👉 日常診療にマクロな視点で取り組むことに関心がある
👉 健康格差やソーシャルキャピタルの問題に関心がある
講義目次
日本における「口腔の健康格差」の現状と課題
口腔の健康格差とソーシャルキャピタルの関連性
臨床家にとって健康の社会的決定要因とは何か?
これからの歯科医療者に求められる「マクロな視点」
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科健康推進歯学分野教授。北海道大学歯学部を卒業後、国立保健医療科学院専門課程修了、北海道大学大学院歯学研究科修了。その後、東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野助教、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン客員研究員、東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野准教授を経て、宮城県保健福祉部参与などを歴任しながら、2020年より現職。
1992年、千葉県生まれ。鶴見大学歯学部在学中から個人でアプリ開発を行う。歯科医師国家試験の対策アプリを開発し、新卒歯科医師の約8割が利用するまで成長させる。2016年に歯科医師免許を取得。東京歯科大学大学院博士課程に進学後は、医事・衛生法規や歯科医療管理、社会保障制度など歯科保健医療が抱える種々の問題について専攻。同大学院中退後の2017年にワンディー株式会社を創業。