超高齢社会の進展に伴い、在宅や施設における訪問歯科診療の需要は急速に高まっています。しかし、外来とは全く異なる環境での対応に対して、「大変そう」「一人で訪問に出るのは不安」と苦手意識やハードルの高さを感じている歯科衛生士の方も多いのではないでしょうか。
診療室のように設備や人員が整っていない限られた環境下では、効率的な準備や動線設計に迷いが生じやすく、患者さんの全身状態への配慮や突発的な体調急変への対応にプレッシャーを感じることも少なくありません。
書籍や論文などで訪問歯科の重要性や制度について学んでも、いざ現場に飛び込むと、個々の患者さんの生活環境に応じた柔軟な対応や、安全性を担保した具体的な口腔ケアへの落とし込み方に難しさを感じる場面は多々あります。
単に「お口の中をきれいにする技術」を磨くだけでなく、患者さんの生活の場を理解し、全身状態のリスク管理や、関わる多職種・ご家族との連携までを含めた、実践的な「人をみる力」とアプローチ方法を身に付けることが重要です。
本セミナーでは、「DHのための訪問歯科診療」をテーマに、訪問歯科の基本ルールから現場で即実践できる口腔ケア手技、ご家族への指導やコミュニケーションのポイントまでを、歯科衛生士の和田ひとみ先生に解説いただきます。
まずは、外来診療の延長ではなく「患者さんの生活環境に飛び込む」という訪問歯科ならではの基本的な考え方と、道具を探す時間を減らして患者さんの負担を軽減するための効率的な準備物・動線設計について紹介。
誤嚥性肺炎予防を意識した口腔ケアでは、安全にケアを行うための事前のバイタル測定や全身状態の「観察」によるリスク管理の手技を中心に整理。さらに、歯科だけでは解決できない問題を乗り越えるための、多職種連携のあり方についても症例を交えて解説します。
また、ご家族や介護者への指導においては、相手の介護力を見極め、負担を増やしすぎない役割分担のコツを提示。技術や知識の提供にとどまらず、現場でみんなで口腔を守るためのコミュニケーションの勘所についても触れていただきます。
訪問歯科診療に対する不安や疑問を解消し、「明日から訪問に行ってみたい」と思えるような、臨床現場に直結する実践的な知識と向き合い方を整理したい歯科衛生士の方におすすめの内容です。
こんな方におすすめ
👉 訪問歯科診療の基本的な流れや効率的な準備物の整え方が知りたい
👉 誤嚥性肺炎予防につながる、安全で効果的な口腔ケア手技を学びたい
👉 ご家族の負担に配慮した指導法や、多職種と連携するためのコミュニケーション力を身に付けたい
講師
長野県公衆衛生専門学校伊那校卒業。フリーランスの歯科衛生士として、訪問歯科診療や地域・施設における高齢者への口腔ケア・摂食嚥下支援に深く携わる。現在は「口腔ケア支援グループ オーラルサポート」の代表を務め、日本訪問歯科協会認定の研修講師として全国の歯科医療従事者や介護専門職への教育・指導に尽力している。
特に、認知症患者や終末期患者へのアプローチ、ミールラウンドにおける食環境の設定、多職種連携などを得意とし、現場経験に裏打ちされた実践的なノウハウに定評がある。専門誌への執筆や、映像教材への講師出演を通じ、臨床に即した有益な知見を幅広く発信している。