歯科医療史は、実はこんなに面白い。
日常的に使用している器具・器材、システム、法律。すべてのものには「はじまり」、それを作った傑出した人とそのストーリーがあります。
皆さんが日々取り組んでいる歯科医療にも、その「はじまり」には不合理な状況にも耐え奮闘してきた偉人たちの物語があります。
例えば、「歯科医師法」。
1899年のある日、東京帝国大学医学部の関係者によって医師法案が発表されます。法案には、「歯科医師には本法を適用しない」という記述が。医師側のこうした動きを目にした大日本歯科医会は、独自の立場から歯科医師に関する特別法、すなわち歯科医師法を策定します。
医師法案は1906年に帝国議会に提出されたため、歯科医師側も急遽法案を衆議院に提出。一部修正された上で、同年の医師法と歯科医師法の同時交付にこぎつけました。
この時中心となって動いていたのは、高山紀齋や血脇守之助など、私塾の貢献者たち。歯科医師の身分を定める歯科医師法は、政府から与えられたものではなく、私塾や師弟制度から生まれたものであるというユニークな歴史があるのです。
これは、ロマンというほかありません。本セミナーは、現代歯科医療のシステムに続くルーツを深掘りし、それを新たな視点で語り直す野心的な試みです。
診療に役に立つというわけではありませんが、明日の診療が少し楽しくなるはずです。
歯科医療に関わるすべての方々、ぜひご参加ください。