口腔細菌が原因で引き起こされる疾患といえば?
う蝕、歯周炎、誤嚥性肺炎、感染性心内膜炎など、歯科医療者であれば思い浮かぶ疾患は多数あるでしょう。口腔ケアを怠ることは脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病などのリスクを高める原因にもなります。
高齢者の直接の死亡原因第一位はがんではなく、口腔常在菌が原因の誤嚥性肺炎です。「寿命とは常在菌と共存できる期間」とも言えるでしょう。
経口摂取困難な状態は「平穏死」に至る自然な過程であり、過剰な延命処置は誤嚥性肺炎の最大の原因になり得ます。その点において、歯科医療者は患者の終末医療の「延命処置」における良いアドバイザーとなるでしょう。
日々の臨床で頻繁に遭遇するう蝕や歯周炎、根尖病変も、すべての原因は「細菌」によるもの。敵を知らずして、我々に何ができるのでしょうか。
本セミナーでは、口腔細菌と全身との関連性、また明日からの臨床に役立つ正しい口腔細菌の知識について、日本大学名誉教授の落合邦康先生に解説していただきます。
口腔細菌を制する者は、歯科治療を制する。それだけでなく、健康をも制する。GPの教養としての「細菌学」講座、スタートです。
こんな方におすすめ
👉 口腔細菌学について詳しく知りたい
👉 マイクロバイオームの知識を身につけたい
👉 なかなか治らない歯科疾患に悩んでいる
講義目次
微生物・免疫学の基礎
口腔細菌と全身の関連性
細菌のコントロール
終末期における口腔ケアの重要性
1973年、日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)獣医学科卒業。73年に日本大学松戸歯科大学(現・松戸歯学部)で副手(研究助手)となり、口腔細菌の研究を始める。1975年に松戸歯学部助手に就任し、University of Alabama at Birminghamへ留学、その後歯学博士号を取得。松戸歯学部講師、明海大歯学部教授、日本大学歯学部教授を歴任。2015年から日本大学歯学部特任教授に就任し、2021年より日本大学名誉教授。エイズやインフルエンザ、アルツハイマー病と歯周病菌の関係、口腔細菌と腸内細菌の関係など、独創的でありながら人々に身近な研究で注目されてきた。著書(監修、共著)に「腸内細菌・口腔細菌と全身疾患」(シーエムシー出版)や「口腔微生物学―感染と免疫―」(学建書院)など。