親知らず放置で死亡することも?なぜ歯科医は抜歯を進めるのか解説!

1D編集部
2022年8月13日
親知らずが原因で引き起こす可能性のある最悪の結果は、何か知っていますか?「たかが親知らず」と侮ってはいけません。

本記事では、基本的な症状からあまり認知されていない身体への症状まで、詳しく解説していきます。


親知らずが原因で起こる主な症状

親知らずとは

親知らずとは、一番奥に生える8番目の歯です。智歯(ちし)とも呼ばれ、すべての方が生えるとは限らず、なかには親知らずがもともと無い方もいます。

最近では顎のサイズが小さい方が多いため、親知らずが斜めに生えるケースがよくみられます。真っすぐに生えるよりも汚れが溜まりやすくなりますが、歯ブラシの毛先が届きにくいため注意が必要です。親知らずが原因でどのようなことが起こるのかをみていきましょう。

症状① 奥歯の歯肉の疼き

はじめは歯肉が疼くなどの軽い症状ですが、次第に腫れが酷くなり、場合によっては発熱する場合もあるため注意が必要です。

斜めに生えている親知らずの場合、歯肉が半分だけ被っていることが多く、歯と歯肉のすき間から汚れが入り込み、免疫力が低下したタイミングで腫れることがあります。

症状② 手前の歯にむし歯が広がる

親知らずが斜めに生えていると、手前の歯との間に汚れが溜まりやすくなるため、むし歯のリスクが上がります。手前の歯の裏側もむし歯になる確率が高いことから、注意しなければいけません。

しかし通常の歯ブラシではすき間の汚れを掻きだすことが難しく、一歯ずつ磨く用の『タフトブラシ』を使うなどの工夫が求められます。

症状③ お口が開けにくくなる

親知らずの歯肉の強い炎症やむし歯による痛みがあるとお口が開けにくくなり、場合によっては食事をするのが難しくなります。お手入れがしにくいことから、放置した場合は症状はより悪くなると言えるでしょう。

症状④ 口臭が強まる

歯肉の炎症やむし歯があると、口臭が強くなる傾向にあります。歯肉からの出血や排膿(膿がでること)があれば、より可能性は高まります。

口臭を止めるには、歯肉の炎症をおさえるために抗生物質を飲むか、むし歯であれば抜歯を検討しなくてはいけません。

親知らずは抜歯すべき?

すべての親知らずが抜歯の対象ではありません。抜歯をおすすめするのは、斜めに生えている親知らずとすでにむし歯や炎症が見られる親知らずです。

親知らずの中には歯肉の中に完全に埋まっているものもあり、その場合は矯正治療を進めるためなど特別な理由がない限り、基本的には触らずそのままにしておきます。

真上に生えているタイプの親知らずも、しっかりとお手入れができていてむし歯や炎症がみられない場合は、抜歯の対象ではありません。

斜めに生えいる親知らずは難抜歯となるケースが多い

斜めに生えている親知らずは、他の歯のように簡単に抜けるケースは少なく、多くは歯肉を開いておこなう難抜歯となります。

通常の抜歯よりも時間はかかってしまいますが、放置しておくと取り返しのつかないことになるケースもゼロではないため早めの対処をおすすめします。

抜歯の対象かどうかを知りたい方は、一度歯科医院へご相談ください。

親知らずの放置は危険!最悪のシナリオ

親知らずによる歯肉の腫れは、他の部位よりも危険度が高くなります。放置した結果どうなるのか、感染の広がり方について以下にまとめました。

⒈ 下の親知らず周辺が腫れる

下の親知らず周辺の歯肉が疼きだし、放置することで腫れが徐々に大きくなってきます。歯科医院ではクリーニングや抗生物質の処方で対処しますが、それをせずに放置するとさらに痛みが強くなり、他の部位まで感染が広がります。

⒉ 感染が顎の下まで広がる

感染が顎の下まで広がると外から見ても腫れていることが分かり、場合によっては発熱や倦怠感などの症状が出ることがあります。仕事に支障をきたす方も少なくありません。

こちらもクリーニングや抗生物質の処方で対処しますが、改善がみられない場合は口腔外科のある病院で入院する可能性もあります。

⒊ 感染が喉周辺まで広がる

さらに悪化すると喉周辺まで感染が進行し、徐々に胸周辺にも広がっていきます。感染がここまで広がると命の危険性があるため、一刻も早い対処が必要です。

⒋ 感染が心臓まで広がる

胸まで感染が広がると一気に心臓まで進行するため、助かる可能性は非常に低くなってきます。

ここまで感染が広がるケースは稀ですが、首から下に感染が広がってしまうと死亡率は20%以上といわれているため十分な注意が必要です。大切な命を失わないためにも、できるだけ早めの対処を心がけましょう。

まとめ

親知らずが原因で起こるトラブルには、歯肉の腫れやむし歯による痛みがあります。歯肉の腫れは、早めに対処すればクリーニングや抗生物質の処方で治すことができますが、悪化すると入院が必要になるだけでなく、場合によっては命を失う危険性があるため注意しなければいけません。

斜めに生えている親知らずはトラブルが起こりやすいことから、抜歯をすすめられた場合はできるだけ早めの対処をおすすめします。

著者/監修者
1D編集部
歯科医師

1D編集部は、臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士で構成されています。歯科業界の最新ニュースから歯科医療の臨床・学術情報、歯科医療者のためのライフスタイル記事まで、歯科医療の専門家の視点で、ただしく・おもしろいコンテンツをお届けします。

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1D編集部
2024年10月24日
愛され続け60年。知覚過敏ケアの定番『シュミテクト』を大解剖!

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成人の約30%が罹患していると推計される「知覚過敏」データで見る知覚過敏知覚過敏は日常臨床においてもよく見られる症状ですが、実際に3人に1人が知覚過敏症状を経験しており1,2、若年者*に至っては5人に2人が経験しています。3*18~35歳また成人の2/3が歯周病に罹患していると言われている現代、歯周病罹患患者のうちで知覚過敏症状を発症しているとされる方は60%以上*とされています。冷たいものや甘いものを口にした際に感じる鋭い痛みは、日常生活において大きなストレスとなるため、歯周病だけでなく知覚過敏症状も現代人の口腔内の悩みとして大きい割合を占めていると言えるでしょう。*Haleon調べ知覚過敏の病理・病態カリエスがなく、しみるという訴えがあるとき「知覚過敏」と一言でまとめてしまいがちですが、その定義はエナメル質が摩耗したり歯肉が退縮することによって象牙細管が露出することで生じる一過性の疼痛で、刺激(主として熱,脱水,擦過,浸透圧,化学的刺激)を加えることにより短く鋭い痛みを発するのが特徴です。知覚過敏が発症するケースは多岐に渡りますが、開口した象牙細管の内部にある組織液がさまざまな刺激により動くことにより、閾値が下がり、鋭敏となった象牙細管内の神経終末や象牙芽細胞が興奮し痛みが生じるという動水力学説が一般的に考えられています。Hys症状改善方法の違い知覚過敏の発生機序から考えて、症状改善方法として3つの方法が考えられます。1つめは結晶物を析出させたり、レジン系やグラスアイオノマーセメント系の材料で行う「象牙細管の封鎖」です。次に、グルタールアルデヒドとハイドロキシエチルメタクリレート(HEMA)などを主成分とする各種製品やレーザーなどにより「タンパク質を凝固させることにより細管内組織液が動かないようにする」方法があります。この2つが主にオフィスケアで用いられている方法です。3つめの方法である「知覚鈍麻(閾値上昇)」に関しては、硝酸カリウムを主として有効成分とする製品が知られています。オフィスケア用の製品もありますが、そのほとんどが歯磨剤としてセルフケア用に使用されており、予防も含め、ホームケアとして有効成分が含まれた歯磨剤を普段から使用することによって適切な効果を発揮していきます。市場に溢れる知覚過敏症状の抑制効果を謳った各種材料は、いずれも上記のどれかが(複数の場合もあり)採用されています。参考資料1.Addy M. Int Dent J 2002; 52:367–375.2.Ipsos Claimed Penetration Omnibus. January, 2015.3.West NX et al. J Dent 2013; 41:841–851.知覚過敏には患者さんのセルフケア習慣化も重要なぜセルフケアが重要なのか?適切な診断のもと、知覚過敏症状に対する正しい原因除去を行うことができればほとんどの症状は治まりますが、現実には処置後も続く患者の訴えに困ることもあるかもしれません。そのようなときには、繰り返し同じ知覚過敏症状を抑制する製品を使用したり、異なる製品を用いるしか方法はないのでしょうか?実は、知覚過敏症状を抑制するためには効果的な順番があり、その順序を守らないと望ましい効果が得られないのです。まずは「知覚鈍麻」させた後に「凝固」させ、それから「象牙細管の封鎖」を行うというプロセスで行うのが望ましいでしょう。凝固や象牙細管の封鎖に関する処置を行なった後に知覚鈍麻を行なっても、効果は十分に期待できず、治らない症状に対して次の手がなくなり困ることになるかもしれません。そのため、患者さんの日々のセルフケアによる知覚過敏に対するアプローチも重要になってくるのです。セルフケアの原則は「歯磨き」知覚過敏の主な原因のひとつとしてプラークコントロールの不良が挙げられますが、プラークの付着は象牙細管の開口に関わるため適切なセルフケアによるプラークコントロールは知覚過敏症状抑制の原則となります。また、軽度の知覚過敏症状であれば、酸性食品、飲料の摂取を控えて適切なプラークコントロールを行えば自然に治癒する場合もあり、予防も兼ねて知覚過敏ケア効果のある歯磨剤を使用して歯磨きを行うことが知覚過敏に対する基本的な対処法として考えられます。知覚過敏ケアの定番『シュミテクト』『シュミテクト』は、知覚過敏の症状を予防するための歯磨剤で、海外では『Sensodyne(センソダイン)』と呼ばれ、世界中で高く評価されています。知覚過敏用の歯磨剤の市場規模が拡大する中、『シュミテクト』は特に注目されるブランドであり、2024年1月時点で、18年間連続で売上を伸ばし、市場をリードしています。*歯がしみるのを防ぐ「硝酸カリウム」や、歯肉の炎症を抑える「グリチルリチン酸モノアンモニウム」、う蝕予防に役立つ「高濃度フッ素1,450ppm」も含まれており、知覚過敏症状だけでなく、歯周病、口臭、ホワイトニング、う蝕といった多様なオーラルケアニーズにも対応しています。*インテージSRI+ハミガキ市場2023年5月~2024年4月累計販売金額シェア(「シュミテクト」シリーズ計)『シュミテクト』研究員にインタビュー『シュミテクト』の歴史と『シュミテクトプラチナプロテクト EX』の開発秘話今回は、Haleonジャパン株式会社のオフィスに実際に伺い、研究開発担当の中谷 遼太朗氏に、『シュミテクト』の歴史と、新商品の『シュミテクトプラチナプロテクトEX』の開発秘話についてお伺いしました。Haleonジャパン株式会社 研究開発担当 中谷 遼太朗氏── まずは、シュミテクトの歴史について教えていただけますか?はい、シュミテクトの歴史は非常に長いです。まず、1961年にアメリカとイギリスで『Sensodyne original』として誕生しました。その後、1980年に、硝酸カリウムを含む初の歯磨剤『Sensodyne F』が登場し、臨床的に知覚過敏症状抑制効果が証明され、画期的な製品として大きな注目を集めました。1992年には、日本で初めて硝酸カリウムを配合した『シュミテクト』が発売され、それ以来、多くの方に愛用されています。さらに進化を続け、2024年3月には『シュミテクトプラチナプロテクトEX』が新たに発売されました。── 新製品『シュミテクトプラチナプロテクトEX』の開発に至った背景をお聞かせください。ワンディー株式会社 編集部・高橋 佳奈これまでのシュミテクト製品は、知覚過敏症状に対する有効成分として硝酸カリウムを主に配合していました。従来の製品でも十分に効果を発揮していましたが、より広範囲のユーザーに効果を届けたいという思いから、今回の『シュミテクトプラチナプロテクトEX』では新たに、有効成分の乳酸アルミニウムを加えました。これにより、より幅広いニーズに応えることができる、さらに効果的なケアを実現する製品が完成したと考えています。『シュミテクトプラチナプロテクトEX』の特徴とエビデンス── 『シュミテクトプラチナプロテクトEX』の主な特徴について教えていただけますか?先ほどもお伝えしたのですが、『シュミテクトプラチナプロテクトEX』は、硝酸カリウムと乳酸アルミニウムという2つの有効成分を配合しています。硝酸カリウムは歯髄神経の過敏性を鎮めることで、内側からの知覚過敏症状を軽減します。一方、乳酸アルミニウムは露出した象牙細管の穴を塞ぎ、唾液中のリン酸イオンと結びついてリン酸アルミニウムとして結晶化し、外側からの刺激を防ぎます。Haleonジャパン株式会社 メディカルアンドサイエンスアフェアーズ オーラルヘルス研究員 金山 昌氏このダブルの効果により、「鈍麻」と「封鎖」の両面から知覚過敏にアプローチします。さらに、寝ている間が知覚過敏ケアに有効な時間であることに着目し、こちらの『プラチナ プロテクトEX 集中ナイトケア』を開発しました。就寝前に使用していただくことで、長時間有効成分が歯にとどまり、象牙細管をしっかり封鎖し、外からの刺激を防ぎます。この他にも、歯周病予防のために、抗炎症作用を持つ「グリチルリチン酸モノアンモニウム(MAG)」、う蝕予防として「高濃度フッ素」が含まれており、知覚過敏の症状を防ぐだけでなく、歯周病やう蝕予防にも効果的なケアが行えます。── 『集中ナイトケア』の効果を示すエビデンスはありますか?ナイトケア製品は、象牙細管の封鎖効果が8時間後に2倍以上増加することが研究データで確認されています。このデータは、ナイトケアとして就寝前に使用することで、長時間にわたり知覚過敏をケアできることを示しています。さらに、これだけではなく、当製品は耐酸性の効果も持ち合わせています。酸性のクエン酸溶液を用いた実験では、封鎖物が流されず、酸に対して強い保護層が形成されることが証明されました。── 製品の信頼性については、どのような点が重視されていますか?当社では「信頼されるサイエンス」を理念に掲げ、科学的根拠に基づいた製品開発を行っています。法律で義務付けられていないことでも、品質保証のために社内の厳しい基準を設けています。たとえば、私たちの歯磨剤は全て、品質保証期間を通じて、フッ素がう蝕予防に有効な形(遊離フッ素)として製品に存在することを担保しています。また、新たに配合した乳酸アルミニウムは酸性の成分ですが、歯磨剤のpHをを中性に保ちながら有効成分の効果を最大限に発揮できるように設計されています。これは高度な技術であり、成分同士の相互作用を考慮しつつ効果を保つためのバランスを取ることが求められます。このような徹底した品質管理と研究開発の取り組みが、実際に製品を使用したお客様から「効果を実感した」「知覚過敏症状が改善した」といった評価を得ることにつながっていると考えています。Haleonヘルスパートナーに登録する3つのメリット!Haleonヘルスパートナー(旧:GSKヘルスパートナー)ではオーラルヘルス、特にセルフケアに関する知識を深めるためのコンテンツや、歯科医療従事者の日々の臨床をサポートする情報を提供するプラットフォームです。著名な講師が登壇。臨床に役立つ情報をウェブ講演会で無料配信!象牙質知覚過敏症、歯周病、義歯安定剤や義歯洗浄剤、口腔内装具用洗浄剤に関するウェブ講演会を無料でご視聴いただけます。過去のウェブ講演ダイジェスト 動画もご覧いただけます。 患者さん用無料サンプルでセルフケアを習慣化!診療がスムーズに患者さんのセルフケア習慣化をサポートするための患者さん用製品サンプルをご依頼いただけます。歯磨剤(シュミテクト・カムテクト)や義歯安定剤、義歯・口腔内装具用洗浄剤などインターネットから簡単に患者さん用サンプルをオーダーいただけます。日々の臨床にお役立てください。製品情報と患者さん用資材ダウンロード製品情報や、セルフケアの指導に活用していただける患者さん用資材をダウンロードいただけます。ぜひ、こちらよりアカウント登録をして申し込んでみてはどうでしょうか。無料で登録する
1D編集部
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「8割の歯科医師が将来性を感じている」。訪問歯科診療の実態調査を実施

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勝ち組院長はやっている、訪問歯科診療の集患対策〜医業収入UPに必要な考え方と勝ち筋〜

勝ち組院長はやっている、訪問歯科診療の集患対策〜医業収入UPに必要な考え方と勝ち筋〜

現在、高齢者の要介護者は75歳以上の5人に1人となり、そのために通院が困難になり、多くの歯科クリニックで高齢者の来院数が減少している。患者の減少を防ぐために、歯科医院経営においては外来診療だけでなく、訪問歯科診療を活用することが重要だと考えられるが、訪問歯科診療の導入はハードルが高いと感じる歯科医師も多く、なかなか活用できていない現状がある。そんな中、2024年4月24日にデンタルサポート株式会社歯科事業部コンサルティングチームの丹澤淳二講師より、訪問歯科診療での”勝ち方”についての講演が行われた。本記事では、訪問歯科診療のおける患者を増やし医業収入を伸ばす方法として、認知度を高める介護サービスの理解連携を図るなど、講演で語られた重要なポイントをかいつまんで紹介する。訪問歯科診療で勝つ=患者が集まる歯科医院ビジネスにおいて、売り上げを上げるための考え方は次の公式で表せる。集客×成約×単価=売上訪問歯科診療に当てはめると、「集客=認知を高める必要がある」「成約=紹介を受けて問い合わせに繋げる」「単価=結果として診療をすることになる」と理解する必要がある。まず、集客の部分でもっとも大切な「認知」だが、訪問歯科診療を全く知らない患者に向け、どう情報提供し認知度を高めるかがポイントになる。外来と訪問の違いを理解する認知度を高めるためには、私たち歯科医療従事者が「対象患者・診療場所・患者説明・保険種類・ 診療点数」の5つを例に、外来と訪問の違いを理解しておく必要がある。外来対象患者・・・通院できる人診療場所・・・院内治療説明・・・患者本人保険種類・・・医療保険診療点数・・・初診再初診(267点・58点)訪問歯科診療対象患者・・・通院できない人診療場所・・・介護施設、病院、自宅など治療説明・・・患者本人、家族、施設のスタッフや本人を取り巻く関係者保険種類・・・医療保険、介護保険など診療点数・・・歯科訪問診療料(1,100点・410点・310点・160点・95点)異なる点も多いが、まず「診療場所」と「治療説明」に着目してほしい。介護施設や病院であれば、施設長や生活相談員、ケアマネジャー、医師や看護師、自宅であれば、他医療従事者や介護事業者など、患者(ひとり)に対し、歯科の必要性を理解してもらわなければならない。また歯科医療者側は患者に提供されているサービスを個別に把握する必要がある。そしてそれぞれに合った歯科医療の提供と他職種との連携が必須だ。介護サービスの理解前述の通り、訪問歯科診療における患者は基本的に介護サービスを受けており、その理解は非常に重要になる。主に提供されている介護サービスは大きく3つに分けられる。居宅施設地域密着型それぞれの詳細は以下の通りだ。居宅サービス訪問サービス訪問介護訪問入浴介護訪問看護訪問リハビリテーション居宅療養管理指導通所サービス通所介護通所リハビリテーション短期入所サービス短期入所生活介護短期入所療養介護施設サービス介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)介護老人保健施設介護療養型医療施設(2024年3月末に廃止、4に統合)介護医療院特定施設入居者生活介護地域密着型サービス訪問・通所型サービス小規模多機能型居宅介護夜間対応型訪問介護定期巡回・随時対応型訪問介護看護認知症対応型サービス認知症対応型通所介護認知症対応型共同生活介護(グループホーム)施設・特定施設型サービス地域密着型特定施設入居者生活介護地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護(地域密着型特別養護老人ホーム)その他のサービスとして、福祉用具貸与特定福祉用具販売住宅改修費支給居宅介護支援(ケアプラン)がある。このような多種多様なサービスを個々の要介護者が利用している。全てを把握する必要はないが、患者として訪問する対象者がどういったサービスを受けているかを理解し、それぞれの対応が求められる。介護サービスを理解し、複数のサービス事業者へ広報することで認知を広がり、集患につながるため訪問歯科診療を始めるにあたって欠かせないポイントだ。集患の鍵は多職種との連携サービス事業者等の認知を獲得できたとして、どう紹介してもらうかが集患の具体的な鍵になる。「多職種に歯科の必要性は理解されているか?」この課題に対しては歯科医院からの情報提供不足も原因だと考えられている。また厚労省調査より、歯科治療や口腔管理が必要だと判断された要介護高齢者は64.3%だったが、過去1年以内に歯科受診した要介護者はわずか2.4%に止まり、居宅系サービスにおいて歯科治療が必要な利用者57.8%に対し、73.8%は定期的に歯科を受診していないという結果がみられた。以上のことから、訪問歯科診療の必要性が理解されていない、歯科医院が多職種と連携できていないため需要に対して明らかに供給不足となってしまっていることが分かる。この課題を解消するために、外来で取り組める施策として院内掲示用ポスターの設置、告知用パンフレット、ダイレクトメールや情報交換誌などを活用することが大切だ。周囲との連携を図り、認知を拡大することで家族や知人を経由した紹介に繋がり、集患にレバレッジを聞かせることができる。認知を高める×連携を図る=患者紹介この効果を意識した対策をデンタルサポート株式会社では提案している。訪問歯科導入PLAN設定で売上up!これから訪問歯科診療を導入する先生及び、すでに訪問歯科診療を導入している先生が訪問歯科診療で他院との差別化し、どれくらいの売上を得られるか、デンタルサポート株式会社では緻密なシミュレーションのもと提案している。デンタルサポート株式会社では過去にも多くのシミュレーションと改善実績を誇り、様々なケースにおける歯科医院をサポートしてきた。本記事を読んで、もっと医院の売上を伸ばす方法を探したい訪問歯科診療における集患について学びたい施設・職員との連携や取り組みについて詳しく知りたいといった疑問や興味が沸いた先生は、ぜひ下のボタンからお申し込みいただきたい。無料で相談する
1D編集部
2024年8月15日
口腔外バキューム、ちゃんと使えてる?サブスクでお得に最新設備を導入しよう

口腔外バキューム、ちゃんと使えてる?サブスクでお得に最新設備を導入しよう

厚生労働省が推奨する、院内感染対策の施設基準でもある「口腔外バキューム」を設置している歯科医院は多いだろう。しかし製品によって機能はもちろん異なり、設備としての要件や使用法をしっかり満たせているかは疑問だ。つまり、あれば何でも良いというわけではない。今回は感染対策の中でも口腔外バキュームに焦点を当て、意外と知らない型式による違いなどを紹介したい。口腔外バキュームの普及と誤解口腔内を治療する歯科医院は、感染症予防と衛生管理の徹底が患者からの信頼度に直結する。コロナ渦を通して、患者の感染症に対する意識が高まったこともあり、より清潔で安全な環境の整備が必要となった。あなたの医院ではどのような対策がなされているだろうか。有効な対策として口腔外バキュームがある。口腔内バキュームでは吸引できなかった微細な水や唾液、切削粉塵、におい等を吸い取ることができる。特に治療時に発生するエアロゾルは、患者の血液や微生物、病原菌も含んでおり、院内感染を引き起こす原因だ。これらを防ぐためにも、口腔外バキュームの使用が推奨されている。厚生労働省によると「口腔内バキュームのみ使用した歯の切削後に、患者の口腔レンサ球菌が術者のマスク・眼鏡、診療室の空気中から検出された一方で、口腔外バキュームを併用した場合の細菌の検出約9 割減少した」との結果が報告されている。そのため、口腔外バキュームの設置はあらゆる制度のより高い水準の施設基準となっている。「口腔管理体制強化加算(口管強)」や「歯科外来診療感染対策加算」認定基準の一つとして、「歯科用吸引装置により、歯科ユニット毎に歯の切削や義歯の調整、歯冠補綴物の調整時等に飛散する細やかな物質を吸引できる環境を確保していること」があり、この基準を満たすためにも口腔外バキュームを設置する医院は多い。しかし、口腔外バキュームを効果的に使えているかはまた別問題となる。基準を満たすために、簡易的な移動型の口腔外バキュームだけを使用してはいないだろうか。移動型は、導入コストが低く、最低でも一台購入すれば移動して使用できるといったフレキシブルな面もあるため、比較的導入しやすい選択肢となっている。しかし、いくつかの問題点があり、結果的に不適切な使用になってしまう場合があることに注意が必要だ。手軽な「移動型」のリスク移動型バキュームの特徴は、一台で吸引、汚染物の除去、排気を完結させられる点である。必要なすべての機能が一台にまとまっているため、設置・移動をスムーズに行うことができる。また小型なものが多く、価格帯も低くなっている。このような導入のしやすさから、前述したとおり、感染症対策において移動型を設置する歯科医院が急増した。しかし、これらの利点は、かえって口腔外バキュームとしての効果を損なっている。注意すべき点の一つ目として、移動型の製品は吸引力が弱いという点が挙げられる。製品によって差はあるものの、小型化によってより強い力を出すことは難しくなる。十分な吸引力を持たなければ、拡散しやすいエアロゾルを取り逃してしまい、口腔外バキュームの役割を果たせない。また石膏やレジンなどを吸えないこともあるので注意が必要だ。注意すべき点の二つ目は、移動型バキュームの排気方法である。吸引された空気はフィルターを通った後、移動型バキュームの外へと排気される。つまり、排気は室内で行われることになる。いくらフィルターを通った空気とはいえ、完全に汚染物質を除去できるとは断定できない。よって室外へ排気した場合と比べれば、移動型バキュームは十分な安全性を保てないと考えられる。その他にも移動型には、室内の騒音や位置決めの取りづらさなどといった問題もある。これらを踏まえると、「口腔内バキュームで除去しきれなかった物質の除去」と「飛沫やエアロゾルによる環境汚染の防止」という本来の目的を果たすには能力の劣る面があり、扱いやすさにおいても移動型にはデメリットがあることを把握しなければならない。正しい感染対策として適切な使用そこで、口腔外バキュームの効果を最大限に発揮するため、移動型に代わる製品がセントラル型となる。セントラル型とは、強力な基幹吸引モーターを機械室に取りつけ、設備された配管を通じて各ユニットの吸引口から汚染粉塵を吸引する方式である。移動型と異なり、吸引口は各ユニットに固定して設置し、基幹部分へと送る配管も床下に敷設する必要がある。そのため、導入には大規模な工事を伴い、価格帯も高めになるのだが、その分の効果が期待できる。まず、吸引モーターは移動型のように小型化する必要がなくなり、強力な吸引力が得られる。吸引力の強化は、治療時に排出される汚染物質の取り逃しを減らすことにつながる。加えて、各ユニットから離れた場所に吸引モーターを置くことによって、診療室内の静音化も可能になる。またセントラル型では、排気口を室外にとりつけることができる。これによって、万一フィルターで汚染物質が完全に取り除かれなかった場合の再拡散を防ぎ、感染症対策という観点において安全性が高められるのだ。以上のように、セントラル型は移動型と比べると、あらゆる面で長けた性能を持ち、本来の目的により近づいた結果が期待できる。しかし、導入コストの面からセントラル型を選択しない歯科医院が多いのが実情である。特にテナント歯科であれば、配管工事に時間とコストがかかるため設備投資に手が回らないだろう。実際、2020年5月のデータでは全国で15%ほどの歯科医院にしか設置されていない。やむを得ず、移動型で対応するという形になりがちだ。しかし一台一台が幅を取るため、全台設置までとは至らないだろう。初期費用に悩まない「セントラル型」のサブスクが登場そんなセントラル型の口腔外バキュームを、手軽に導入できる方法がある!株式会社Deportでは、2024年4月から「セントラル型」のサブスクリプション(定額制)サービスを開始した。また、通常購入でも定価380,000円とリーズナブルな設定となっている。これまで、その初期費用の高さから、なかなかセントラル型の設置に踏み出せなかった医院も多いことだろう。しかし、このサービスとリーズナブルな価格によって設置のハードルが格段に低くなる。株式会社Deportのセントラル型バキュームは、強力なモーターによってウィルスや石膏、レジンの吸引が可能。関節部はフレキシブルに動き、位置調整が誰でも簡単にできる。スタイリッシュで診療室内の幅をとらないデザインだ。またサブスクリプションは「支払手数料」といった費用科目で経理処理ができるため、固定資産税がかからない。さらに、料金内にはメンテナンス料も含まれているため、いつまでも安心して使い続けることができる。このような利点はサブスクリプションならではのものだ。「手軽に導入したい」という医院にお勧めなこのサービス、気になる金額は?アーム&ポールとモーターそれぞれ一台ずつ契約することが可能。組み合わせでの利用は月額26,020円で利用することができ、4年目以降はなんと月額13,010円となる。リースよりもお得で、4年目以降いつでも解約できるのも、このサービスの特徴だ。定常的に利用している、もしくは利用する可能性が高い場合は、こちらのサブスクを活用して長期利用するのがおすすめだ。継続年数、設置数によって月額は変動するため、下の表が参考だ。※税抜価格となります令和6年6月の診療報酬改定で加算対象にさらに令和6年6月のの診療報酬改定により、個室や陰圧室での処置が加算されることとなった。従来、医科でのみ個室や陰圧室の定義がなされていたが、今回の改定で歯科にも表記されるようになったのだ。その詳細は、「歯科診療特別対応加算」が細分化され「円滑に処置する手技・手法を用いる、もしくは個室/陰圧室にて診療を行う」事で、250点もしくは500点の加算が得られるといったものである。 これは株式会社Deportの口腔外バキュームにも適用される。株式会社Deportの口腔外バキュームを使った陰圧検証において、密閉空間で口腔外バキュームを設置し検証した結果、約25秒で2.5pa(陰圧と認められる数値)を測定することができた。よって、個室内で株式会社Deportの製品を使用すると陰圧対応と認められるため、特別対応加算を得られることとなった。 ※口腔外バキューム(DeApollo)での検証結果感染対策がより重要視されている 診療報酬改定を受けて、感染対策はさらに重要事項となっている。 具体的には従来の「外来環」が廃止され、「歯科外来診療医療安全体制加算」と「歯科外来診療感染対策加算」の2つに分けられ、より高い水準の施設基準に変更となった。 これまでは、基本的なAEDなどの医療機器の整備と緊急時の他医療機関との連携準備ができていることが施設基準となっていた。しかしこの度の改正により、感染対策も施設の基準に追加されることとなった。感染対策にはCOVID-19といった新興感染症も含まれている。 つまり、感染症の流行期であっても医療を止めてはならないという訳だ。 また、近年では患者だけでなく衛生士においても、感染症対策の設備が整った医院を選ぶ傾向が顕著である。口腔外バキュームを設置することは、患者から、スタッフから、そして国からも求められている投資なのではないだろうか?衛生管理に力を入れているかの尺度となる、セントラル型の口腔外バキューム。新しく誕生した株式会社Deportのサブスクリプションサービスを使い、より清潔な診療室を手軽に目指してみてはいかがだろうか。詳細はこちら
1D編集部
2024年8月1日
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