「ルッキズム(lookism)」とは、外見至上主義とも呼ばれるように、人間の外見のみを重視して人を判断したり、容貌や容姿を理由に差別的な扱いをしたりすることを指します。
近年では、各大学で行われていたミスコンの中止やプラスサイズモデルの活躍など、ルッキズムへの批判の風潮が広がりを見せています。
この立場は、審美歯科治療ーー矯正治療や自費補綴、ホワイトニングなどーーと矛盾するはずです。なぜなら、審美歯科治療は、乱暴な言い方をすれば「外見だけ」を問題にしているためです。
歯科医師は、その養成過程で歯の審美的要件に関する教育を受けており、それが何たるかを理解しています。歯科医師の頭の中には「絶対的によい見た目」が存在し、そこから外れるものは「審美的ではない」と解釈します。
世間における「外見」への認識が大きく変化するなかで、審美歯科治療はこのままでよいのでしょうか。歯列の1mmのズレを訴える未成年の女性に、われわれはどこまでの侵襲性を許容すべきでしょうか。また、その侵襲の根拠はいったいどこにあるのでしょうか。
今回の社歯サーでは、社会学者で関西大学教授の谷本奈穂先生をお招きし、反ルッキズムと審美歯科治療の関係性や意味についてディスカッションをします。
通常の臨床セミナーでは満足できない先生方のご視聴、お待ちしています。