口腔内装置、外科療法、矯正治療など歯科的アプローチを用いた閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療に注目が集まり、従事していらっしゃる先生も増えつつあります。小児OSAに主に関わる耳鼻科と歯科学は関連性の深い分野であり、OSA治療の歯科的アプローチのほとんどが歯科の中で日常的に行われている手技を応用したもので馴染みやすく感じるかもしれません。しかしながら、従来の歯科治療はあくまで口腔内の機能回復に目的をおいており、呼吸という視点が見過ごされてきました。
また、小児OSAにおいては小児の成長途中であるという特徴から、目の前の問題のみでなく成長による変化を加味した治療計画が必要。つまり「どの成長やどの機能がいつどの程度障害されたのか、これからされるのか」という思考が重要になります。
つまり、現状の顎口腔系の形態や機能改善のみを根拠した介入は疾患の本態を見誤る可能性が高いのです。
このセミナーでは「小児の閉塞性睡眠時無呼吸」をテーマに、小児のOSAは歯科医師が単独で診断、治療する疾患ではないこと、医科が診断、治療選択し歯科が加療に当たるという医科歯科連携なしには成立しない治療であること、また歯科治療患者のなかに疑わしい患者がいた場合の対処方法について概説するとともに、現在一般に行われている歯科介入自体が将来のOSA発症リスクを上げている可能性についても最近の知見をもとに 九州大学病院口腔総合診療科特任助教 津田緩子先生に解説していただきます。
小児OSAにおける歯科的アプローチの在り方を学べるセミナーです。