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【ルポ】歯科医師国家試験、多浪生の現実

【ルポ】歯科医師国家試験、多浪生の現実

歯科医師国家試験の難化について取り上げた記事( 歯科医師免許をかけた、歯科大学と厚生労働省の戦い )には、国試浪人中の方から多くの反響を頂いた。歯科医師国家試験が「落ちれば落ちるほど受からない」のは、厚生労働省も認めているデータだ。5浪以上となると、国試に合格できるのは10人に1人しかいない。今回1D編集部では、5浪以上の国試受験生に取材を行った。協力してくれたのは、2013年に某私立歯科大学を卒業した稲屋さん(仮名)だ。彼は来年2月、6回目の国家試験を受ける。私たちが取材を行ったのは、まだ夏の余韻が残る10月上旬。「合格体験記は飽きるほどありますが、”不合格体験記” は珍しいんじゃないですか」。笑いながら話す彼の表情からは、諦めのような感情が見て取れた。6年生までは全てが順調だったーー5浪に至るまでの経緯を教えてください。意外に思われるかもしれませんが、6年生まではストレートで進級しています。成績も平均だったので、まさか自分がこんなに立ち止まってしまうとは思っていませんでした。卒業試験で留年してしまいましたが、1年間頑張ったら卒業はできた。その年の国家試験も1問に泣いただけだったので、1年間頑張れば受かるだろうと高を括っていました。ーーところが翌年も、翌々年も合格できなかった。これはやばいかもな、と思ったのは1浪目の秋です。模試を受けるたび、現役生にどんどん追い抜かされていき、成績が下がっていくんですね。自分の方が勉強時間や努力の総量は多いのに、結果が出ない。どう勉強すれば良いのかがわからなくなり、焦りにつながりました。もがき続ける浪人生活ーー1日にどれくらい勉強していますか。授業が始まる10時30分から、予備校が閉まる22時まで、一日中机に向かっています。一生懸命やっていますが、はっきり言って集中していない時間が多いです。心のどこかで「もう合格できない」と諦めているのかもしれません。近年は国家試験の当日も、1日目の午前中に心が折れて、2日目は気合が入らないこともあります。ーー周りのサポートはありますか。既に歯科医師になった友人が優しく「大丈夫か?」と連絡をくれても、「こいつ俺のこと馬鹿にしてるんじゃないか」と感じてしまいます。仲が良かった友人のなかには、もう院長をしている奴もいる。学生時代は対等だったのに、自分のことを嘲笑っているんだろうなという一方的な劣等感はありますね。祖母に見せられなかった白衣姿ーーいま、最も辛いことは何ですか。祖母が、ずっと自分のことを気にかけてくれていたんです。祖母は「私の孫は歯医者の先生になるんだ」と自慢げに友人に言っていたのに、自分が歯科医師になる前に他界してしまいました。祖母に、歯科医師として働いている姿を見せられなかった、というのは未だに悔やんでいます。1年でも早く歯科医師になって、天国にいる祖母に報告したいですね。ーー合格するまで浪人を続けていくわけですね。ここまで来たら後には引けません。歯科大を卒業しても、ライセンスを持っていなかったら仕事はない。自分の活躍できる場所はここしかないという気持ちで、追い込んで勉強しています。もう10年以上も歯科業界にいるので、今さら他の職種には就きたくないという気持ちもあります。浪人中、やってはいけないことーー合格したら、どんな歯科医師になりたいですか。正直、今は国試合格がゴールなので、歯科医師の仕事をしている自分を想像できません。机と向き合っている生活が長いので、実際に現場に出たらどうなることか。この数年間で知識だけは身に付きましたが、臨床現場に出て自分が治療をしたり、患者さんとうまく話せる自信はありません。ーー浪人中、やってはいけないことはありますか。どんな友人と付き合うかは真剣に考えた方が良いと思います。勉強を一緒にできる友人とだけ付き合うべきです。予備校には10浪以上の人もいたり、勉強をせずに遊んでいる人もいる。そういう人たちと付き合ってしまうと、モチベーションが下がり、成績も上がりません。自分は今年、あえて誰とも付き合わず、1人で勉強することを意識しています。平成最後の歯科医師国家試験は、必ず合格したいですね。歯科臨床を学ぶなら、1Dプレミアム!歯科医師向けセミナーなら、「1D(ワンディー)」で!臨床・経営問わず1,000講座以上の歯科セミナーが見放題。会員満足度96%超え。会員登録で今すぐセミナーを受講しよう。今すぐ申し込む
1D編集部
21時間前
多浪生ほど受からない。歯科国試受験から「消えた206人」の闇

多浪生ほど受からない。歯科国試受験から「消えた206人」の闇

歯科国試、合格者数を絞る厚労省歯科医師国家試験は、2000年代から表面化した「歯科医師過剰問題」を受けて、その間口を絞りつつある。現に、10年前の2012年(第105回歯科医師国家試験)時点では2,364名いた合格者が、今年・2022年(第115回歯科医師国家試験)では1,969名にまで絞られている。全体の合格率も71.1%(2012年)から61.6%(2022年)と、10年の間で10%近く低下している。歯学部を卒業しても、歯科医師国家試験に合格できなければ歯科医業はできない。いくら歯のことが詳しくても、歯科業界の外ではあまり意味がない。歯学部を卒業して受験資格を得ることができる医療系職種という道もあるが、歯科医師になるために浪人を重ねてしまう学生も少なくない。> 【ルポ】歯科医師国家試験、多浪生の現実(1D)浪人すればするほど受からない歯科医師国家試験は、浪人を重ねれば重ねるほど合格できない。下図は、昨日の合格発表と同時に公表された「卒業年次別受験者数・合格者数・合格率」のデータである。「受験可能回数」は実質的に浪人年数を指しており、一浪、二浪…と浪人を重ねていくごとに合格率は低くなっていく。二浪の時点で合格率は半数を割り、3人に1人程度しか合格できなくなる。五浪になると、合格できるのは9人に1人だ。浪人をすればするほど、厳しい現実が待っていることは間違いない。歯科国試に「回数制限」を導入?厚労省のワーキンググループでも、こうした多浪生にまつわる問題はたびたび議論されている。2016年4月開催の『歯科医師の資質向上等に関する検討会 歯科医師の需給問題に関するワーキンググループ(第5回)』では、検討委員から下記のような発言があった。川添 堯彬(大阪歯科大学理事長・学長):卒業してから多数回、国家試験を受けている人の 3 回以降、あるいは 5 回以降、あるいは 7 回以降といった回数が累積するごとに、急激に落ちる段階があるのです。そういうときには、例えば昔、在学中に実習をやっていた内容がもう全然変わってきているのです。多くの国試浪人の人は予備校に行っているのです。予備校は臨床実地問題を遮に無にペーパーだけで教え込む。最近、例えばインプラントの問題が出ると、そんなものは習ったことも何もないのです。その実物も分からない。ですから、ただ回数を経るというのは無為に年齢ばかりいって、それで親を困らせて。方向転換を進めるのですが、なかなかそれに成功しない。ですから、本当に法的には問題があるかも分かりませんが、何回かで切るか、あるいは、もう一度それを再教育というか、実習だけでも再教育を。希望があれば大学のほうへ戻ってきなさいということで、大学は無料でその人を教えることにやぶさかではないのですが、呼べども、何度連絡を取っても来ないなどということになって、だんだん年齢ばかりがいって、教科内容ははるか昔に習ったことを繰り返している。こういう状態を放置すると非常に問題なので、どうすればよいかというときに、強制的でも何か再教育するような場をつくらないと、受験試格を与えないなどということがあれば、また非常にやる気を起こすかも分からないし、多数回が減少することになると思うのです。脱落した「歯学部卒業生」はどれくらいいる?実際、どれくらいの歯学部卒業生が、歯科医師国家試験に合格することができず、歯科医師になることを諦めているのだろうか。明確に調査されているデータは存在しないが、厚労省が公開している受験者数に関する一部データから、ある程度の推測は可能である。今回、1D編集部では過去5年分(第110回〜第115回)の受験者データを分析し、歯科医師国家試験の受験から離脱したと思われる人の数を推計した。結論を言えば、この5年間で「206名」もの歯学部卒業生が、歯科医師の道を諦めていると考えられる。第110回では35名、第111回では34名、第112回では45名、第113回では50名、第114回では42名、というぐあいだ。このデータを浪人年数別で見ると、それぞれ下図のタイミングで離脱をしている(下図の数字は5年間の合計人数)。こうして見ると、「三浪」という区切りを経て、歯科医師国家試験の合格を諦める歯学部卒業生が最も多い。次点で二浪、五浪が続く。なお、本データでは新卒で不合格となり離脱した歯学部卒業生はカウントしていないため、実際に離脱した人数は206名より多い可能性も考えられる。歯科医師を諦めた者はどうすべきか?先述したように、歯科医師国家試験は、浪人を重ねれば重ねるほど合格しにくい。六浪以上となると、合格率は一桁パーセントまで下がる。厚労省内では「歯学部低学年の時点で適正が無いと思われる者には他の学部への転部を進める」といった対策案が議論されているが、実家が歯科医院で跡継ぎが必要な場合なども多く、大半の歯学部生は転部まで踏み切れないのが現実だろう。歯学部を卒業した歯科医師ではない人材が活躍できる場所は、そう多くはない。現時点でも、五浪以上で受験を続けている歯学部卒業生は262名いる。彼らが合格できるまで挑戦させるべきか、あるいは他の方法を考えるべきか。当社のような歯科メディア企業が、彼らが活躍できる場所を用意し、最大限雇用することも、解決の方法のひとつだろう。合格の陰で見落とされがちな「多浪生」の存在を、今こそ真剣に議論しても良いのではないだろうか。歯科臨床を学ぶなら、1Dプレミアム!歯科医師向けセミナーなら、「1D(ワンディー)」で!臨床・経営問わず1,000講座以上の歯科セミナーが見放題。会員満足度96%超え。会員登録で今すぐセミナーを受講しよう。今すぐ申し込む参考文献『第115回歯科医師国家試験の合格発表について』厚生労働省, 2022年3月16日.『歯科医師国家試験制度改善検討部会報告書(平成28年3月)』厚生労働省, 平成28年4月12日.『歯科医師の資質向上等に関する検討会 歯科医師の需給問題に関するワーキンググループ(第5回)議事録』厚生労働省, 2016年4月12日.『【ルポ】歯科医師国家試験、多浪生の現実』1D(ワンディー), 2019年10月18日.
1D編集部
2日前
【実録インタビュー】57歳の歯科医師が始めた、資産を“眠らせる”のではなく、“働かせる”方法とは?

【実録インタビュー】57歳の歯科医師が始めた、資産を“眠らせる”のではなく、“働かせる”方法とは?

暗号通貨投資について教えてもらうこの低金利の時代、銀行にお金を預けているだけでは資産はほとんど増えません。むしろ物価の上昇によって、その価値は年々目減りしていきます。だからこそ、「資産が働く」という考え方は、一部の投資家だけでなく、多くの人にとって当たり前の選択肢になりつつあります。東京都港区で歯科医院を経営するAさん(57歳)も、その一人です。54歳で自分の医院を開院して以降、経営者として多忙な日々を送りながらも、資産運用の必要性を強く意識するようになりました。今回のインタビューでは、投資とは無縁だったAさんが、暗号通貨投資へと踏み出した経緯と、その成果、そして将来を見据えた資産運用の考え方を詳しく伺います。Q1. なぜ57歳になって投資を考え始めたのですか? 40代後半までは、診療と医院経営に全力投球で資産運用のことは後回しでした。預金残高が増えるたびに『資産が積み上がっている』と安心していたんです。しかし、あるとき銀行の明細を見ながら金利を計算すると、年間でほとんど増えていない。その一方で、食料品や光熱費、スタッフの給与などは確実に上がっている。つまり、お金の“見かけの額”は増えていても、実質的な価値は減っていることに気づきました。さらに、設備更新やスタッフ待遇改善、家族の老後資金など、必要な資金はこれからも膨らみ続けます。診療収入だけに頼るのは、リスクが高いと痛感した瞬間でした。Q2. 投資を始めるにあたって、どんな不安がありましたか?最大の不安は“知識不足”でした。投資と聞いて思い浮かぶのは株式やFX、不動産、車、時計くらい。どれもリスクが大きそうだし分からないしで、自分には難しいと感じていました。また、時間の制約も不安でした。経営と診療で毎日が埋まっており、株も市場をチェックする余裕なんてないので難しいと感じていました。銀行の担当者からは不動産を勧められましたが、友人に話を聞くと「不動産はこの2年で入退去が6回。原状回復の見積もりや鍵の受け渡しで、診療の合間に管理会社へ折り返す毎日が正直つらい。」と言います。本当に自分に合っているのか判断できないまま契約するのは怖く、“やらないリスク”と“間違えるリスク”の間で、ずっと足踏みしていたんです。Q3. それでも投資コンサルを利用しようと思った理由は?自分ひとりで全ての情報を整理し、最適な選択肢を見つけるのは無理だと感じました。そこで頼ったのが投資コンサルです。相談したところ、私の年齢・資産状況・ライフプランを踏まえ、複数の運用案を比較して提示してくれました。担当が専属でついてくれるだけでなく、税理士から税務処理アドバイスまでしてくれるので、安心できました。変に自分でやって失敗するより、多少お金がかかっても安心できる人に任せた方がいいなと思って利用を決めました。資産運用のかかりつけ医のような存在ですね。Q4. なぜAI×Web3.0の投資コンサルを選んだのですか?よくニュースでビットコインがどうたらというのは聞いていて気にはなっていました。調べたところ、一般的な安定運用は年3〜4%程度ですが、このAI×Web3.0を取り入れた運用では年6〜15%の安定利回りを狙えると聞き、とりあえず相談してみました。Q5. 実際に始めてみて、どんな成果や変化がありましたか?実際に初めて見ると、預け入れるだけの運用で、年利約15%ほどを達成しました。そのおかげで、これまでずっとうっすらあった今後のお金の不安もなくなったので良かったです。何より驚いたのは、日々の運用にほとんど時間を使わなくて済むこと。自分は仕事に集中できて、資産が勝手に働いてくれる安心感は、精神的な余裕にもつながります。Q6. 他の投資方法との違いは何ですか? 株やFXは短期的な値動きに振り回されやすく、常に市場を見続ける必要があります。忙しいので私にそれは難しいです。不動産投資は上手くいけば安定感があるのかもしれませんが、初期費用が大きく、管理の手間もあります。まずはリスクの少ない、時間を奪われないもので始めたかった私はAI×Web3.0を選びました。私のように時間や知識に限りがある人間にとって、これほど続けやすい運用法は他にないと感じています。また、必要な時に現金化できるのが自分には合っていました。Q7. 最後に、これから資産運用を考えている方へのメッセージ 資産形成は早く始めるほど有利ですが、始めるのに遅すぎるということはありません。54歳からでも、無理なチャレンジをせずに正しい方法を選べば十分に間に合います。何をするにせよ、まずは専門家に相談して、自分の目的や現状に合った選択肢を知ることが大事です。相談するのは無料なので、現状整理ができるというだけでも価値があると思います。まとめ — 資産を守り、育てるためにAさんの体験から見えてくるのは、老後の資産運用における不安を減らすには、自分から行動を起こし、経験豊富な専門家と組むことが大きな鍵になるということです。運用の世界は、情報の多さや市場の変動に惑わされやすく、一人で判断し続けるのは簡単ではありません。仮想通貨は「価格変動が激しい」というイメージを持たれることもありますが、実際には、リスクを管理したうえで資産配分を組み立てれば、安定的な成長を狙える手段にもなります。大切なのは、無計画に飛び込むのではなく、目的とリスク許容度に合わせた戦略を持つことです。もし「いつかやろう」と思いながら時間が過ぎてしまっているなら、まずは相談を通じて自分の選択肢を知ることから始めてみてください。その一歩が、資産を着実に守り、将来の安心を築くための第一歩になります。まずは気軽に相談してみる
1D編集部
2025年8月20日
知覚過敏の患者さんに白さを提案する選択肢『新・シュミテクト』

知覚過敏の患者さんに白さを提案する選択肢『新・シュミテクト』

『シュミテクト』使ったことありますか?『シュミテクト』というブランドを、ご存知ない歯科医療従事者はほとんどいないでしょう。知覚過敏用歯磨剤として広く知られ、テレビCMやドラッグストアでの露出も多く、患者さんからの認知度も非常に高いブランドです。一方で、「名前は知っているけれど、自分では使ったことがない」「患者さんに勧めたことはない」という声も少なくありません。高い認知度と信頼感があるからこそ、今あらためて使用してみる、診療の中で提案してみる価値があるのではないでしょうか。近年、美容医療への関心の高まりとともに、年齢や性別を問わず「白い歯=清潔感」という意識が浸透しています。一方で、「ホワイトニングはしみそうで怖い」「なるべく低侵襲に歯の白さを保ちたい」といったニーズも見られます。実際に、オフィスホワイトニング実施後に、知覚過敏症状を訴える患者さんに遭遇された経験をお持ちの先生がいらっしゃるのではないでしょうか。また、オフィスホワイトニング後に着色を防ぐ方法について、相談を受けたことがあるかもしれません。こうした患者さんに対して『シュミテクト』は知覚過敏を防ぎながら、「白さを保つ」サポートとなる製品です。とくに、知覚過敏の予防+ホワイトニング効果+ステインの再付着抑制の3点を兼ね備えた製品は、患者さんの潜在的ニーズに的確に応える提案となります。知覚過敏症状ケアにプラスして患者さんのニーズや症状に応えるラインナップ『シュミテクト』シリーズは、知覚過敏症状ケアを軸に、多様なニーズに応えるラインナップを展開しています。より知覚過敏症状が気になる患者さんへ『シュミテクトプラチナプロテクトEX』。ステインが気になる患者さんへ『シュミテクトフューチャーホワイトケア』。知覚過敏症状と歯周病を予防したい患者さんに『シュミテクト歯周病ダブルケアEX』など、目的や症状に応じて選択できるのが特長です。こうした豊富な選択肢があることで、患者さん一人ひとりの悩みに寄り添ったセルフケアの提案が可能になります。昨今の「美意識」トレンドと歯科に求められるニーズ近年、美容医療の普及やSNSの影響により、口元の美容への関心が広く一般化しています。中でも、清潔感のある口元は第一印象を大きく左右する要素として認識され、性別や年代を問わず、ホワイトニングや矯正治療への関心が高まり続けています。しかし、こうした審美的なニーズは、患者さんから積極的に語られることは多くありません。「聞かれたら答える」「希望されたら案内する」といった受け身の対応では、患者さんの本音や潜在的な関心を見逃してしまう可能性があります。治療にとどまらず、口元の美しさに対する潜在的なニーズをくみ取る姿勢が、これからの歯科診療に求められる重要な対応力のひとつといえるでしょう。ホワイトニング導入のきっかけとして紹介できる『シュミテクト』多くの患者さんがオフィスホワイトニングに関心を持っている一方で、実際に歯科医院でホワイトニングの施術を受ける方は限られています。その背景には、患者さんの潜在的なニーズを歯科医療従事者が十分に引き出せていないという課題があると考えられます。そこで、問診やカウンセリングの中で「歯の色や白さについて気になることはありますか?」といった問いかけを行い、患者さんの審美的な関心を引き出すことが効果的です。その導入手段として有効なのが、日常のセルフケアに無理なく取り入れられる歯磨剤の提案です。患者さんのホワイトニングに対する潜在ニーズをとらえた新商品『シュミテクト フューチャーホワイトケア』が今年3月、全国のドラッグストアで発売されました。知覚過敏症状ケアと歯を白くする効果の両立を目指して開発されたこの製品は、ホワイトニングに対する関心がありながら、一歩を踏み出せない患者さんのニーズに応える選択肢となり得ます。まずはセルフケアで歯を白くすることに興味を持ってもらい、より本格的なホワイトニング治療へとつなげていく。『シュミテクト フューチャーホワイトケア』は、そうした段階的なアプローチをサポートする製品です。期待の新製品『シュミテクトフューチャーホワイトケア』『シュミテクト フューチャーホワイトケア』は、歯を白くする機能に着目しながら、知覚過敏ケアにも配慮して開発された歯磨剤です。現代の生活者の多様なニーズに寄り添った処方設計がなされています。白さを実感、平均2シェード白くなる1日2回のブラッシングによる標準的歯磨剤との比較試験では、『シュミテクト フューチャーホワイトケア』8週間の使用で、歯の色調がブリーチシェードガイドで2シェード改善されたことが認められています。毎日のセルフケアの中で目に見える変化があることで、患者さんの満足度向上につながります。歯の色調がベースラインから中央値で2段階改善着色除去効果は約7倍『シュミテクト フューチャーホワイトケア』は、ステインの除去効果に優れています。特に、食品や飲料による日常的なステインに対してアプローチできる処方であり、標準的歯磨剤と比較して約7倍のステイン除去効果が確認されています。 対照歯磨剤比およびベースライン比で統計的に有意に減少(4週目および8週目、いずれも p<0.0001)白さを長く保つ「未来着色バリア処方」『シュミテクト フューチャーホワイトケア』では、「未来着色バリア処方」を採用しています。ステインを落とすだけではなく、再付着を抑制し、白さをより長く保てる状態へと導きます。これは、未来のステイン形成に着目した処方として注目されています。  知覚過敏の人も安心、低研磨性の処方設計歯面へのダメージに配慮した、低研磨性の処方設計にもこだわっています。海外他社製品と比較したヒト象牙質摩耗試験では、海外他社製品と比較して低研磨性が確認されており、知覚過敏の患者さんに安心して提案できる、やさしさを備えたホワイトニング歯磨剤* となっています。* 歯の表面の着色を除去し、歯本来の白さを引き出すことに着目した歯磨剤ヒト象牙質標本を使用し、ブラッシング機械で150gの荷重により1500回ブラッシング処置。赤色が濃いほど摩耗が深いことを意味するう蝕予防にもアプローチ『シュミテクト フューチャーホワイトケア』には、高濃度フッ素(フッ化ナトリウム1,450ppm)が配合されており、う蝕予防にも対応した設計となっています。さらに、単にフッ素の含有量に注目するだけでなく「有効なフッ化物(遊離フッ化物イオン)」がしっかりと利用できる状態で残存するよう設計されている点が大きな特長です。唾液中に溶け出した遊離フッ化物イオンは、エナメル質のハイドロキシアパタイトと反応してフルオロアパタイトを形成し、歯質を強化することでう蝕リスクを低下させます。シュミテクトシリーズを含むHaleon社の歯磨剤は、この遊離フッ化物イオンの濃度が品質保証期間内に保持できるよう開発されています。審美性と口腔内の健康維持を両立させる、ハイブリッド処方な歯磨剤になっています。このように、『シュミテクトフューチャーホワイトケア』は、歯の白さを引き出す、ステインを除去する、再付着を予防する、知覚過敏にやさしい、う蝕予防もできるといった複合的な機能を1本にまとめた多機能歯磨剤です。患者さんの関心が高まる「白さ」というテーマに、知覚過敏へのやさしさという安心感を添えて提案できる、いま注目すべき製品といえるでしょう。Haleonヘルスパートナーに登録して患者さん用無料サンプルをオーダーしませんか?知覚過敏は、診察中に患者さんから訴えが出にくい症状のひとつです。国内の調査では、3人に1人が知覚過敏を経験¹'²しているにもかかわらず、そのうち約46%が歯科医師に相談していない³'⁴というデータがあります。これは知覚過敏が 一時的で我慢できると感じやすく、「いつものこと」「治らないもの」といった誤解が、相談されにくい要因になっていると考えられます。しかし、知覚過敏を放置することで「飲食を楽しめなくなった」「歳をとったと感じた」など、生活の質(QOL)への影響が生じることも明らかになっています。こうした現状を踏まえると、歯科医療従事者が積極的に症状を引き出し、適切なケアへと導く姿勢が重要になっています。知覚過敏と診断したタイミングでセルフケア製品を紹介し、実際に試してもらうことは、患者さんの理解と行動変容を促すうえで非常に効果的です。その第一歩としておすすめしたいのが、Haleonヘルスパートナーの活用です。会員登録を行うことで『シュミテクト』患者さん用サンプルを無料でご利用いただけます。歯科医院でのプロフェッショナルケアに加え、適切なセルフケアを組み合わせることで、患者さんのQOL向上につなげていくことが可能です。参考文献:1.Addy M. Int Dent J 2002: 52:367-375.  2. Ipsos Claimed Penetration Omnibus. January, 2015.  3. Gillam DG. Clin Oral Investig 2013: 17:21-29.  4. Jeandot J et al. Clinic (French) 2007: 28:379-384.  5. GSK data on file. Sensitive Teeth and Attitude Study. 2008.Haleonヘルスパートナーとは?Haleonヘルスパートナーは、歯科医療従事者の皆さまに向けて、オーラルヘルスケアに関する最新情報を提供するコミュニティサイトです。日々の診療に役立つコンテンツや、患者さんとのコミュニケーションを支える資料など、さまざまな情報をご利用いただけます。主なサービス内容・ウェブ講演会の無料配信知覚過敏症ケア、歯周病予防、義歯やマウスピースケアなどをテーマとしたウェブ講演会を、いつでも無料で視聴可能。過去の講演ダイジェスト動画もアーカイブで公開されています。・患者さん用無料サンプルの提供『シュミテクト』や『カムテクト』など、患者さんのセルフケア習慣づくりに役立つ製品サンプルを、オンラインから簡単にオーダー可能です。・患者指導用資材のダウンロード知覚過敏症ケアを含む様々なセルフケア指導に活用できる、わかりやすい説明資料や配布用ツールがダウンロード可能です。登録して『シュミテクト』患者さん用無料サンプルをオーダーしませんか?1. 会員登録(無料)Haleonヘルスパートナーの公式サイトで、必要事項を入力して会員登録を行います。(※登録フォームへの入力後、承認まで最大5営業日ほどかかる場合があります。)2. ログイン後、サンプル依頼ページへアクセス登録完了後、ログインして、専用ページからサンプルのご依頼が可能になります。3. 患者さん用サンプルを選択してオーダー希望のサンプル(例:『シュミテクト』)を選択して、注文を完了します。登録や詳細は、以下の公式サイトをご覧ください。公式サイトをチェックする
1D編集部
2025年7月29日
歯周病ケアに革新!信頼のサイエンスで選ぶ『カムテクト』の実力に迫る

歯周病ケアに革新!信頼のサイエンスで選ぶ『カムテクト』の実力に迫る

歯周治療、しっかりできていますか?SC、SRP、ブラッシング指導、歯周外科治療…。ひと通りの歯周治療を実施したのに、患者さんの歯ぐきの状態がなかなか改善しない。そんな悩みを持つ歯科医療従事者の方は多いのではないでしょうか。歯周治療を受けている患者さんの多くは、「歯科医院に通っているから大丈夫」と安心してしまいがちです。しかし、歯周病をコントロールするには、歯科医院での治療だけでなく、患者さん自身による毎日のセルフケアが欠かせません。この2つがそろって、はじめて効果が現れます。本記事では、歯科医院でのケアとセルフケアをつなぐ「信頼できる橋渡し役」として注目されている『カムテクト』に焦点を当て、現代の歯周病対策に求められる新たなアプローチを考えていきます。歯周治療にはセルフケアが必須患者さんのセルフケアというと、まず「ブラッシング指導」を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん正しいブラッシング技術の習得は歯周ケアの基本ですが、それらを習得し継続することができない患者さんが多いのも現実です。患者さんが無理なく続けられるセルフケアを提案するために、ブラッシングに使うアイテム選びも非常に重要です。なかでも歯磨剤は、毎日のルーティンに自然に組み込みやすく、使用感や変化を実感しやすいため、セルフケアを習慣化するカギとなり得ます。「使ってみたら、歯肉の状態が良くなった気がする」「いつもよりすっきりするから、自然と続けられる」こうしたポジティブな実感が、セルフケアの習慣化へとつながっていくのです。続けやすいツールを提案することも、歯科医療者としての大切な役割のひとつ。そんな視点から、患者さんが効果を実感しやすいセルフケアアイテムとして、『カムテクト』をご紹介します。セルフケアグッズとして『カムテクト』の提案患者さんからの評価も高いカムテクト歯周病に特化した歯磨剤『カムテクト』を知っていますか?Haleon社の製品では、知覚過敏ケアとして広く知られている『シュミテクト』が有名です。一方で『カムテクト』という名前は聞いたことがあっても、どんな特徴があるかまでは知らないという声も少なくないのが現状です。しかし、『カムテクト』は1度使った人からの評価が、非常に高いことで注目されています。約90%が使い心地に満足!2024年に人間ドック受診者を対象として実施されたサンプリング調査では、『カムテクト』試用後の使い心地に対し、約90%の人が「満足」と回答しました。出典元:2024年人間ドック受診者サンプリングアンケート n=611 試して納得、70%以上が積極的アクションへさらに注目すべきは、使用後に「購入した」「お店で探した」「人にすすめた」という積極的な行動を起こした人が、70%を超えていた点です。この結果から『カムテクト』は 効果を実感しやすく、「また使いたい」と思える満足度の高い歯磨剤であることが分かります。出典元:2024年人間ドック受診者サンプリングアンケート n=611 『カムテクト』研究員にインタビュー『カムテクト』の歴史とサイエンス使ってみると良さが分かる『カムテクト』について、Haleonジャパンの研究開発担当の中谷遼太朗氏に、『カムテクト』の歴史とサイエンスについてお伺いしました。ー『カムテクト』が生まれたきっかけや背景について教えてください。『カムテクト』は、歯周病予防に特化した処方を追求し、2014年に誕生した歯磨剤です。歯周病は、世界中で多くの人々が悩む慢性的な疾患であり、歯の喪失原因のひとつとして広く認識されています。『カムテクト』はそうしたニーズに応えるべく、開発されました。海外では『parodontax(パラドンタックス)』という歯周病ケアブランドとして展開されており、その科学的知見や処方技術をベースに、日本市場向けに発売されたのが『カムテクト』です。ー製品開発のコンセプトを決める上で、特に重視したポイントはありますか?Haleonジャパン株式会社 研究開発担当 中谷遼太朗氏カムテクトの開発において重視したのは、誰もが日常で使いやすく、効果を実感しやすい製品であることです。そのひとつが、ドラッグストアで手軽に購入できるという利便性です。セルフケアは毎日の習慣だからこそ、患者さん自身が継続しやすい環境づくりが必要だと考えています。安心して使用できる処方設計にも、徹底的にこだわりました。『カムテクト』には、清掃剤として炭酸水素ナトリウムを約70%と高濃度で配合しています。炭酸水素ナトリウムをはじめとするすべての配合成分は個別に毒性評価済みであり、殺菌効果のあるIPMP(イソプロピルメチルフェノール)、抗炎症作用のあるMAG(グリチルリチン酸モノアンモニウム)、歯ぐきの血行促進としてのビタミンEなどとの組み合わせにおいても、長期使用時の安全性が確認されています。また『カムテクト』に使用している炭酸水素ナトリウムは、粒子がきめ細かい「エクストラファインパウダー」を採用しており、やさしい使い心地と高い清掃効果を両立する処方が実現されています。当社では「Trusted Science(信頼されるサイエンス)」を理念に掲げ、科学的根拠に基づいた製品開発を行なっています。炭酸水素ナトリウム約70%配合歯磨剤は、菌数を99.9%まで減少バイオフィルムに残存する菌数と炭酸水素ナトリウム濃度との関係性の試験では、炭酸水素ナトリウム無配合と比較すると、約70%配合は細菌数が3log10(99.9%)まで減少することが確認されています。                                       異なる濃度の炭酸水素ナトリウム溶液7日後のバイオフィルムに残存する生菌数。出典Prattenら 2016¹ 良好なプラークコントロール維持のサポートへ歯間隣接面における6、12および24週目のプラークの除去効果の試験をみてみると、通常の歯磨剤と比較して、5倍以上のプラーク蓄積抑制効果が確認されました。この結果より、6、12および24週目でプラーク指数が有意に改善され、患者さんの良好なプラークコントロールの維持をサポートできることが確認いただけます。炭酸水素ナトリウム配合歯磨剤による 6ヶ月間臨床試験米国において歯肉炎患者約200名を対象に、6ヶ月間の臨床試験を実施。炭酸水素ナトリウム配合歯磨剤の継続使用により、プラーク指数の改善が認められ、安全性に関しても問題は報告されませんでした。平均総合TPIスコア±標準誤差* ITT集団。出典Joseら²* 開始時は未調整平均値であり、6、12および24週目は調整済平均値であるTPIは0~5の6段階で採点された出典元:1. Pratten et al. Physical disruption of oral biofilms by sodium bicarbonate: an in vitro study. Int Jour Dent Hyg. DOI: 10.1111/idh.12162 2. Jose et al. Six-month evaluation of a Sodium Bicarbonate-Containing Toothpaste for Reduction of Established Gingivitis: A Randomized USA-Based Clinical Trial. J Clin Dent 2018;29:33 -39                                        ー「カムテクト」という名称に込められた意味や思いを教えていただけますか?『カムテクト』という名称は、「噛む(カム)」と守ることを意味する「Protect(テクト)」を組み合わせた造語です。この名前には「歯と歯ぐきをしっかり守る」という製品コンセプトが込められています。単なる歯磨剤ではなく、歯周病予防を目的に、歯と歯ぐきの健康をサポートする存在でありたいというブランドの思いを象徴する名前となっています。現在、日本国内には歯ぐきの悩みを抱える人が4,000万人以上いるとされています。『カムテクト』はそのような方々へ、日常のセルフケアで寄り添える存在であることを目指しています。ー『カムテクト』がもつ主要な有効成分や技術的特徴はどんなものですか?『カムテクト』の最大の特徴は、約70%という高濃度で配合された炭酸水素ナトリウムにあります。炭酸水素ナトリウムには、プラークを軟化させ、ブラッシングによる物理的除去をサポートする作用があり、まさに『カムテクト』の処方設計の核と言える存在です。一方、一般的な歯周病予防用歯磨剤では、殺菌成分や抗炎症成分を中心とした「薬効ベースの処方設計」が主流です。歯周病の原因となる菌を抑制・炎症を抑えることに重点が置かれており、プラーク自体を機械的に落としやすくするというアプローチは、あまり重視されていないケースも見受けられます。また、炭酸水素ナトリウムは日本の薬機法上「有効成分」とはみなされておらず、処方上の差別化にはつながりにくいという理由で、競合製品では積極的に使われていないのが現状です。それでもなお、当社が炭酸水素ナトリウムに強くこだわるのは、豊富な科学的エビデンスと国際的な臨床データに裏付けられているからです。こうしたグローバルで培われた処方設計と研究成果を、日本市場向けにローカライズして展開できる点は、他社製品とは一線を画す、当社ならではの大きな強みと言えるでしょう。ー開発にあたり、特に苦労した点や壁となった要因は何でしたか?『カムテクト』の開発においては、処方設計・製造工程の両面で、いくつか大きな課題を乗り越える必要がありました。なかでも、以下の2点は製品化に向けた大きな壁となりました。炭酸水素ナトリウムと他成分の相性問題『カムテクト』は、約70%という高濃度の炭酸水素ナトリウムを配合した特殊処方です。この処方は、プラークの物理的除去をサポートするうえで大きな価値を持つ一方、他の有効成分との相性において化学的な安定性が課題となりました。炭酸水素ナトリウムの性質上、特定の成分と組み合わせるとpH変動や分離、変質などが起こる可能性があり、配合を断念せざるを得ない成分もありました。粘度の高さによる撹拌・充填の難しさ使用感からも実感いただけるように、『カムテクト』は非常に硬めのテクスチャーが特長です。これは高濃度の炭酸水素ナトリウムを含むことによるもので、製造工程において技術的困難が伴いました。・高粘度により、撹拌時に成分が均一に混ざりにくく、有効成分が偏るリスクが発生・粘度が高くなることで、チューブへの充填が困難これらの課題を解決するために、複数の技術的対応が必要でした。ー「カムテクト」ブランドとして、歯科医療者や患者さんに向けて伝えたいメッセージはありますか?『カムテクト』は、歯ぐきの健康に悩むすべての人々を支え、生涯にわたって口腔内に自信を持てる毎日を提供することを使命としています。現在の日本では、成人の約8割* が歯周病の兆候を抱えていると言われています。このような状況において、『カムテクト』は、誰もが手に取りやすい製品であることが、歯周病予防への重要なアプローチであると考えています。ドラッグストアで購入できる身近さと、科学的根拠に裏打ちされた処方。この両立が、日々のセルフケアを支える「続けやすさ」へとつながっています。『カムテクト』が描く歯科医療の未来像は、「歯科医院と患者さんの間に立つ信頼できる架け橋として、セルフケアの質を底上げし、結果的に歯科医療全体のレベル向上に寄与すること」です。このビジョンは、当社が掲げる「ボトムアップ型の健康支援」という企業哲学とも深く結びついています。また、「Deliver better everyday health with humanity.(もっと健康に、ずっと寄り添って)」というパーパスを掲げ、その実現に向けて、製品開発の革新、サイエンスの追求、そして現場との対話を重ねる姿勢を大切にしています。今後も『カムテクト』は、歯科医療者の皆さまとともに、患者さん一人ひとりの健康意識を支えながら、より良い未来の口腔健康の実現に貢献していきたいと考えています。出典元: *令和4年歯科疾患実態調査Haleonヘルスパートナーに登録して患者さん用無料サンプルをオーダーしませんか?Haleonヘルスパートナーとは?Haleonヘルスパートナーは、歯科医療従事者の皆さまに向けて、オーラルヘルスケアに関する最新情報を提供するコミュニティサイトです。日々の診療に役立つコンテンツや、患者さんとのコミュニケーションを支える資料など、さまざまな情報をご利用いただけます。主なサービス内容・ウェブ講演会の無料配信知覚過敏症ケア、歯周病予防、義歯やマウスピースケアなどをテーマとしたウェブ講演会を、いつでも無料で視聴可能。過去の講演ダイジェスト動画もアーカイブで公開されています。・患者さん用無料サンプルの提供歯磨剤の『カムテクト』や『シュミテクト』、義歯・リテーナー洗浄剤の『ポリデント』、義歯安定剤の『ポリグリップ』など、患者さんのセルフケア習慣づくりに役立つ製品サンプルを、オンラインから簡単にオーダー可能です。・患者指導用資材のダウンロード歯周ケアを含む様々なセルフケア指導に活用できる、わかりやすい説明資料や配布用ツールがダウンロード可能です。登録して『カムテクト』患者さん用サンプルをオーダーしませんか?オーダー方法について1. 会員登録(無料)Haleonヘルスパートナーの公式サイトで、必要事項を入力して会員登録を行います。(※登録フォームへの入力後、承認まで最大5営業日ほどかかる場合があります。)2. ログイン後、サンプル依頼ページへアクセス登録完了後、ログインして、専用ページからサンプル申請が可能になります。3. 患者さん用サンプルを選択してオーダー希望のサンプル(例:『カムテクト』)を選択して、注文を完了します。登録や詳細は、以下の公式サイトをご覧ください。公式サイトで詳細を確認する
1D編集部
2025年5月29日
今月のピックアップセミナー10選(4月の注目セミナー&3月の人気セミナー)

今月のピックアップセミナー10選(4月の注目セミナー&3月の人気セミナー)

いつも1Dプレミアムをご利用いただきありがとうございます。4月放映予定の注目セミナーと3月の視聴数が多かったセミナーのご紹介をします。4月放映予定の注目セミナーTOP5今月放映予定のセミナーで視聴予約数が多いセミナーをピックアップします。お見逃しなく!咬座印象を活用してピッタリな義歯を作る方法根尖のガッタパーチャがあとちょっと取れない時。インレー・アンレ―の窩洞デザイン&形成テク25分で学ぶ「歯根嚢胞」保険高速根管充填①咬座印象を活用してピッタリな義歯を作る方法(山中 佑介 先生)手技動画で学ぶ製作の流れと印象のコツ ③根尖のガッタパーチャがあとちょっと取れない時。(髙見澤 哲矢 先生)GP除去でやってはいけないこと&残ったGPを取り切るコツを解説④インレー・アンレ―の窩洞デザイン&形成テク(高見澤 俊樹 先生)マテリアルごとの違いと精度を高めスピードを上げるポイント④25分で学ぶ「歯根嚢胞」(助川 信太郎 先生)病因・診断から治療のバリエーションと歯根端切除の流れを解説⑤保険高速根管充填(鷲尾 絢子 先生)ツールから手技のコツまで、最速でピッタリ根充を実現するテクニック気になるセミナーがございましたら、各セミナーページより「後で見る」に保存いただくと便利です!放映予定のセミナー一覧を見る 3月の視聴数ランキングTOP5先月のセミナー視聴数ランキングです。見逃したセミナーがあれば配信終了前にチェック!手技動画で学ぶ、超高速「メタル除去」テクニック算定もれをなくし、保険点数をアップする方法みるみる治る「顎関節症」ハードモード局所麻酔簡単・高速「ラバーダム」講座①手技動画で学ぶ、超高速「メタル除去」テクニック(鳥潟 隆睦 先生)苦戦しがちな金属補綴物の除去を手早く安全に攻略する方法②算定もれをなくし、保険点数をアップする方法(多田 愼二 先生)複雑な項目、よくあるミスを解消!増点のポイントと算定事例を解説③みるみる治る「顎関節症」(石幡 一樹 先生)片側噛み、TCHを改善する下顎の機能的運動療法④ハードモード局所麻酔(岡 俊一 先生)強い炎症・厚い皮質骨・極度の怖がり…。効かないシンマを効きやすくするコツ!⑤簡単・高速「ラバーダム」講座(天川 由美子 先生)ダイレクト&セメンテーションのための効率的防湿法今月のピックアップは以上です!
1D編集部
2025年4月3日
審美歯科のスペシャリストに聞く「接着のカンどころ」

審美歯科のスペシャリストに聞く「接着のカンどころ」

デンタルIQの向上によって高まる審美歯科のニーズ近年、国民の健康意識が大幅に向上し、予防歯科の普及とともに、審美歯科へのニーズも急速に高まっています。特に、デンタルIQが向上した患者は、単に機能回復を求めるだけでなく、審美的な仕上がりやメタルフリー治療、矯正治療など、より高度な審美的要求を持つようになっています。こうした患者ニーズの変化に対応するため、歯科医師には高い技術力と信頼性がこれまで以上に求められています。審美歯科治療の分野では、新しい技術や材料を迅速に習得し、エビデンスに基づいた治療を提供することが、患者の期待に応えるために不可欠です。追い風にも感じる「脱パラ」への動き厚生労働省の方針により、金銀パラジウム合金の使用縮小が進み、メタルフリー治療の需要が高まっています。背景には、パラジウムの価格高騰や金属アレルギーへの配慮があり、今後のメタルフリー材料の普及が期待されています。この流れの中で、CAD/CAMシステムによるレジン材料やPEEK冠などの新素材が注目され、審美性向上に寄与しています。特に保険診療での金属使用が減少する中、審美歯科における材料選定は今後さらに重要です。歯科医師には、最新のメタルフリー材料や信頼性の高い接着剤、セメントを適切に活用するスキルが求められています。エビデンスに基づいた材料選びと最新技術の導入が、今後ますます重要となるでしょう。スペシャリストの審美治療を解剖今回は、審美歯科の第一線で活躍されている髙木仲人先生に、審美修復における接着のポイントや、その効果を最大限に引き出すためのZEN®ユニバーサルシステムについて伺いました。ZEN®ユニバーサルシステムは、三井化学が開発したモノマーを採用し、サンメディカルの技術力によって製品化されたユニバーサルタイプの接着システムです。こちらのシステムは、「ZEN®ユニバーサルセメント」と「ZEN®ユニバーサルボンド」の2種類のみで、歯質や金属、ジルコニア、アルミナ、ガラスセラミックス、レジン系材料、さらにはPEEK冠にも接着が可能です。ZEN ユニバーサルセメント/歯科接着用レジンセメント/管理医療機器/認証/305AKBZX00052000ZEN ユニバーサルボンド/歯科用象牙質接着材/管理医療機器/認証/ 305AKBZX00051000髙木先生には、ZEN®ユニバーサルシステムを実際の臨床でどのように活用しているか、プロフェッショナルの視点からその魅力を解説していただきます。左:ワンディー株式会社 編集部 高橋 佳奈 右:門前仲町髙木歯科 院長 髙木 仲人先生Q1: 先生はZEN®ユニバーサルシステム発売後すぐにご使用いただいておりますが、現在の率直なご感想をお聞かせください。最近では、接着対象となるマテリアルが非常に多岐にわたっています。CAD/CAM修復物、PEEK冠、セラミック、ジルコニアなど、さまざまな素材に対応する必要があり、その処置が複雑化してきました。しかし、ZEN®ユニバーサルシステムの場合、アドヒーシブとセメントの2つだけで処置が完了します。このシンプルさが非常に魅力的で、手技が大幅に簡略化され、とても使いやすい製品だと思います。Q2: 接着力や審美性が求められるケースでも使用されていますが、その後の経過はいかがですか?ZEN®ユニバーサルシステムを導入して6ヶ月が経過しましたが、これまでに使用したコンポジットレジンやセラミック、ジルコニア、CAD/CAM修復物、PEEK冠において脱離は一例もなく、非常に順調に経過しています。また、前歯部の審美修復に使用することが多いのですが、被膜が薄いため、マージンラインが見えにくい点がいいです。さらに経過中の着色も一切見られず、審美性の高い修復を提供できています。Q3: 接着性レジンセメントの自動練和型と手練和型の操作性の違いについて教えてください。自動練和型のメリットは、テクニカルエラーを減らせる点と作業時間の短縮です。セメントを手練和する場合、慣れている歯科医師や歯科衛生士、歯科助手が行うとしても、練和の上手さや練和にかかる時間に個人差があります。もし練和が不十分であれば、化学重合がうまく進行せず、ムラが生じることもあります。自動練和はそうしたリスクを大幅に軽減します。さらに、手練和では、練る際や補綴物に入れる際に気泡が混入するリスクがありますが、自動練和の場合、セメントをそのまま注入できるため、気泡が入りにくいです。Q4: ZEN®ユニバーサルセメントは特殊な脱泡装置を使用していますが、ペーストの性状についての感想をお聞かせください。ZEN®ユニバーサルセメントでは、練和されたペーストに気泡が混入しているのを見たことがありません。また、程よい粘性があり、補綴物に入れた際に垂れることもなく、非常に操作性が良いです。硬すぎず柔らかすぎず、ちょうど良いバランスで扱いやすい印象です。Q5: ZEN®ユニバーサルシステムの「DIS™」(Double Initiator System)による重合性能についての印象はいかがでしょうか?今回の「DIS™」システムについてですが、化学重合が非常にアクティブに反応している印象があります。そのため、他社製品と比較しても、化学重合に対する信頼性が高いと感じています。特に、ジルコニアやPEEK冠など光が通らない材料の場合、光による重合はほとんど期待できませんので、化学重合が主な役割を担います。そういった意味では、光が届かない補綴物に対する化学重合の強さは、非常に有利に働くと感じています。Q6: ZEN®ユニバーサルシステムを使用して脱離しにくい理由はどこにあるとお考えですか?脱離しにくい理由は、今回の化学重合システム「DIS™」の反応の良さではないでしょうか。また、アドヒーシブに含まれているタッチキュアも重要な要素です。それぞれのアドヒーシブおよびレジンセメントにおける化学重合成分が非常に強力であるため、脱離を防ぐ効果があると考えています。さらに、アドヒーシブの被膜の厚さが5μmと適度で、薄すぎず厚すぎないため、これらの要素が組み合わさり、脱離のリスクを低減していると感じています。Q7: ZEN®ユニバーサルシステムの経済性についてのご意見をお聞かせください。ZEN®セメントのミキシングチップはデッドボリュームを32%減少させることができるため、メーカーさんが非常に工夫を凝らしていると感じます。ノズルが長すぎると未使用部分が生じますが、逆に短すぎると混合が不十分になり、気泡が混入するリスクがあります。そのため、単純にノズルを短くするのではなく、バランスを考慮した設計がなされていると思います。コストパフォーマンスについては、他社製品と比較しても非常に優れていると感じています。個人的には、接着力の低下を避けるため、ミキシング直後のセメントは使用したくないので、最初の1センチは捨てるようにしていますが、それでも無駄が少ない印象を受けています。Q8: ZEN®ユニバーサルボンドの「被膜の薄さ」や「エアブロー時の操作性」についての印象を教えてください。被膜の薄さは2ステップの製品に比べると約三分の一程度で、特に前歯部の審美修復において、コンポジットレジンやダイレクトボンド、ダイレクトコンポジットラミネートベニアなどを使用する際にメリットがあります。ボンド層が厚いと光が入った時にボンド層が見えてしまうことがありますが、被膜が薄いため、前歯部での審美的な充填が可能だと考えています。また、エアー操作を行う際に粘度が高すぎると、液だまりを起こすことがありますが、このボンドは粘性が適度なため、エアブローがしやすいという印象があります。Q9: CAD/CAM修復物やPEEK冠などの被着体に対する接着結果はいかがですか?CAD/CAM修復物やPEEK冠など、従来は接着が難しかった被着体に対しても、ZEN®ユニバーサルシステムは一貫して優れた接着力を発揮しています。各歯面に対して、なぜこの処理を行う必要があるのか、リン酸エッチングの目的は何か、シランカップリング材入りのMDPを使用する理由について考えることは重要です。しかし、そうした専門的な知識を持つ先生方だけでなく、どのような先生が使用しても一定以上の接着力を発揮できることが大切だと思っています。つまり、ユニバーサルな製品であり、誰が使っても安定した接着力を提供できることが求められます。今回の製品は、どなたが使っても一定以上の接着力を発揮できる点が非常に魅力的です。また、アドヒーシブとセメントの2つだけで良いというシンプルさも、非常にわかりやすいと感じています。Q10: 使用にあたって、術式のポイントやコツがあれば教えてください。コツとしては、被着体側のエアブローを行う際に、強圧でするのではなく、重要なMDPや有効成分を残すように溶媒を揮発させるエアブローを行っていただきたいです。有効成分を残すように注意しながら作業することで、接着力がさらに向上します。e-max インレー症例写真光照射器に関しては、しっかりとカンファーキノンに反応するものを使用することが重要です。また、個人的にはこの製品の化学重合タッチキュアは若干早いと感じています。ですので、セメントアウトを行う際には、仮照射を先に行い、早めにセメントアウトをするのが良いかと思っています。Q11: ZEN®ユニバーサルシステムをご使用後、治療効率や患者さんの反応について教えてください。ZEN®ユニバーサルシステムを使うことで、治療の効率が非常に向上しました。アドヒーシブとセメントの2つを用意するだけでよいので、準備もシンプルです。これによって、準備をするスタッフの負担も軽減されますし、私自身も手順が簡単なので、全体的な治療時間が短縮されます。患者さんにとっても、口を開けている時間や治療そのものが短く済むので、大きなメリットだと感じています。Q12: 最後に、ZEN®ユニバーサルシステムを使って良かった点やお勧めしたいポイントを教えてください。このシステムを使うことで、接着の効果はもちろん、診療時間の短縮にもつながりました。特に、ステップ数を減らせることが大きな魅力です。接着をシンプルに楽しんでいただければと思っています。市場には多くのセメントやボンドが存在しますが、「これだけで十分」と満足していただけるかと思います。セメントに関しては、無駄が少なく、コストパフォーマンスも優れていると実感しています。他社製品と比較した際、オープン価格でも非常にコストパフォーマンスが高いですね。クリニックとしても、単価の経済性があり、必要なものが少ないため、在庫管理も楽になります。さらに、室温保管が可能という点も大きな利点です。冷蔵庫に入れる必要がなく、他社製品では常温保管の指示がないものが多い中で、これは嬉しいポイントです。高木先生がお使いの接着システム ZEN®ユニバーサルシステム の製品情報はこちらから髙木仲人先生のインタビューからも伝わる、ZEN®ユニバーサルシステムの優れた操作性や審美性、強力な接着力。審美歯科のプロフェッショナルが信頼を寄せる接着システムについて、特長や臨床での活用方法をさらに詳しく知りたい方は、こちらから製品情報をご覧ください。製品情報はこちら「ZEN」はサンメディカル株式会社の登録商標です。「DIS」はサンメディカル株式会社の商標です。
1D編集部
2024年10月24日
愛され続け60年。知覚過敏ケアの定番『シュミテクト』を大解剖!

愛され続け60年。知覚過敏ケアの定番『シュミテクト』を大解剖!

成人の約30%が罹患していると推計される「知覚過敏」データで見る知覚過敏知覚過敏は日常臨床においてもよく見られる症状ですが、実際に3人に1人が知覚過敏症状を経験しており1,2、若年者*に至っては5人に2人が経験しています。3*18~35歳また成人の2/3が歯周病に罹患していると言われている現代、歯周病罹患患者のうちで知覚過敏症状を発症しているとされる方は60%以上*とされています。冷たいものや甘いものを口にした際に感じる鋭い痛みは、日常生活において大きなストレスとなるため、歯周病だけでなく知覚過敏症状も現代人の口腔内の悩みとして大きい割合を占めていると言えるでしょう。*Haleon調べ知覚過敏の病理・病態カリエスがなく、しみるという訴えがあるとき「知覚過敏」と一言でまとめてしまいがちですが、その定義はエナメル質が摩耗したり歯肉が退縮することによって象牙細管が露出することで生じる一過性の疼痛で、刺激(主として熱,脱水,擦過,浸透圧,化学的刺激)を加えることにより短く鋭い痛みを発するのが特徴です。知覚過敏が発症するケースは多岐に渡りますが、開口した象牙細管の内部にある組織液がさまざまな刺激により動くことにより、閾値が下がり、鋭敏となった象牙細管内の神経終末や象牙芽細胞が興奮し痛みが生じるという動水力学説が一般的に考えられています。Hys症状改善方法の違い知覚過敏の発生機序から考えて、症状改善方法として3つの方法が考えられます。1つめは結晶物を析出させたり、レジン系やグラスアイオノマーセメント系の材料で行う「象牙細管の封鎖」です。次に、グルタールアルデヒドとハイドロキシエチルメタクリレート(HEMA)などを主成分とする各種製品やレーザーなどにより「タンパク質を凝固させることにより細管内組織液が動かないようにする」方法があります。この2つが主にオフィスケアで用いられている方法です。3つめの方法である「知覚鈍麻(閾値上昇)」に関しては、硝酸カリウムを主として有効成分とする製品が知られています。オフィスケア用の製品もありますが、そのほとんどが歯磨剤としてセルフケア用に使用されており、予防も含め、ホームケアとして有効成分が含まれた歯磨剤を普段から使用することによって適切な効果を発揮していきます。市場に溢れる知覚過敏症状の抑制効果を謳った各種材料は、いずれも上記のどれかが(複数の場合もあり)採用されています。参考資料1.Addy M. Int Dent J 2002; 52:367–375.2.Ipsos Claimed Penetration Omnibus. January, 2015.3.West NX et al. J Dent 2013; 41:841–851.知覚過敏には患者さんのセルフケア習慣化も重要なぜセルフケアが重要なのか?適切な診断のもと、知覚過敏症状に対する正しい原因除去を行うことができればほとんどの症状は治まりますが、現実には処置後も続く患者の訴えに困ることもあるかもしれません。そのようなときには、繰り返し同じ知覚過敏症状を抑制する製品を使用したり、異なる製品を用いるしか方法はないのでしょうか?実は、知覚過敏症状を抑制するためには効果的な順番があり、その順序を守らないと望ましい効果が得られないのです。まずは「知覚鈍麻」させた後に「凝固」させ、それから「象牙細管の封鎖」を行うというプロセスで行うのが望ましいでしょう。凝固や象牙細管の封鎖に関する処置を行なった後に知覚鈍麻を行なっても、効果は十分に期待できず、治らない症状に対して次の手がなくなり困ることになるかもしれません。そのため、患者さんの日々のセルフケアによる知覚過敏に対するアプローチも重要になってくるのです。セルフケアの原則は「歯磨き」知覚過敏の主な原因のひとつとしてプラークコントロールの不良が挙げられますが、プラークの付着は象牙細管の開口に関わるため適切なセルフケアによるプラークコントロールは知覚過敏症状抑制の原則となります。また、軽度の知覚過敏症状であれば、酸性食品、飲料の摂取を控えて適切なプラークコントロールを行えば自然に治癒する場合もあり、予防も兼ねて知覚過敏ケア効果のある歯磨剤を使用して歯磨きを行うことが知覚過敏に対する基本的な対処法として考えられます。知覚過敏ケアの定番『シュミテクト』『シュミテクト』は、知覚過敏の症状を予防するための歯磨剤で、海外では『Sensodyne(センソダイン)』と呼ばれ、世界中で高く評価されています。知覚過敏用の歯磨剤の市場規模が拡大する中、『シュミテクト』は特に注目されるブランドであり、2024年1月時点で、18年間連続で売上を伸ばし、市場をリードしています。*歯がしみるのを防ぐ「硝酸カリウム」や、歯肉の炎症を抑える「グリチルリチン酸モノアンモニウム」、う蝕予防に役立つ「高濃度フッ素1,450ppm」も含まれており、知覚過敏症状だけでなく、歯周病、口臭、ホワイトニング、う蝕といった多様なオーラルケアニーズにも対応しています。*インテージSRI+ハミガキ市場2023年5月~2024年4月累計販売金額シェア(「シュミテクト」シリーズ計)『シュミテクト』研究員にインタビュー『シュミテクト』の歴史と『シュミテクトプラチナプロテクト EX』の開発秘話今回は、Haleonジャパン株式会社のオフィスに実際に伺い、研究開発担当の中谷 遼太朗氏に、『シュミテクト』の歴史と、新商品の『シュミテクトプラチナプロテクトEX』の開発秘話についてお伺いしました。Haleonジャパン株式会社 研究開発担当 中谷 遼太朗氏── まずは、シュミテクトの歴史について教えていただけますか?はい、シュミテクトの歴史は非常に長いです。まず、1961年にアメリカとイギリスで『Sensodyne original』として誕生しました。その後、1980年に、硝酸カリウムを含む初の歯磨剤『Sensodyne F』が登場し、臨床的に知覚過敏症状抑制効果が証明され、画期的な製品として大きな注目を集めました。1992年には、日本で初めて硝酸カリウムを配合した『シュミテクト』が発売され、それ以来、多くの方に愛用されています。さらに進化を続け、2024年3月には『シュミテクトプラチナプロテクトEX』が新たに発売されました。── 新製品『シュミテクトプラチナプロテクトEX』の開発に至った背景をお聞かせください。ワンディー株式会社 編集部・高橋 佳奈これまでのシュミテクト製品は、知覚過敏症状に対する有効成分として硝酸カリウムを主に配合していました。従来の製品でも十分に効果を発揮していましたが、より広範囲のユーザーに効果を届けたいという思いから、今回の『シュミテクトプラチナプロテクトEX』では新たに、有効成分の乳酸アルミニウムを加えました。これにより、より幅広いニーズに応えることができる、さらに効果的なケアを実現する製品が完成したと考えています。『シュミテクトプラチナプロテクトEX』の特徴とエビデンス── 『シュミテクトプラチナプロテクトEX』の主な特徴について教えていただけますか?先ほどもお伝えしたのですが、『シュミテクトプラチナプロテクトEX』は、硝酸カリウムと乳酸アルミニウムという2つの有効成分を配合しています。硝酸カリウムは歯髄神経の過敏性を鎮めることで、内側からの知覚過敏症状を軽減します。一方、乳酸アルミニウムは露出した象牙細管の穴を塞ぎ、唾液中のリン酸イオンと結びついてリン酸アルミニウムとして結晶化し、外側からの刺激を防ぎます。Haleonジャパン株式会社 メディカルアンドサイエンスアフェアーズ オーラルヘルス研究員 金山 昌氏このダブルの効果により、「鈍麻」と「封鎖」の両面から知覚過敏にアプローチします。さらに、寝ている間が知覚過敏ケアに有効な時間であることに着目し、こちらの『プラチナ プロテクトEX 集中ナイトケア』を開発しました。就寝前に使用していただくことで、長時間有効成分が歯にとどまり、象牙細管をしっかり封鎖し、外からの刺激を防ぎます。この他にも、歯周病予防のために、抗炎症作用を持つ「グリチルリチン酸モノアンモニウム(MAG)」、う蝕予防として「高濃度フッ素」が含まれており、知覚過敏の症状を防ぐだけでなく、歯周病やう蝕予防にも効果的なケアが行えます。── 『集中ナイトケア』の効果を示すエビデンスはありますか?ナイトケア製品は、象牙細管の封鎖効果が8時間後に2倍以上増加することが研究データで確認されています。このデータは、ナイトケアとして就寝前に使用することで、長時間にわたり知覚過敏をケアできることを示しています。さらに、これだけではなく、当製品は耐酸性の効果も持ち合わせています。酸性のクエン酸溶液を用いた実験では、封鎖物が流されず、酸に対して強い保護層が形成されることが証明されました。── 製品の信頼性については、どのような点が重視されていますか?当社では「信頼されるサイエンス」を理念に掲げ、科学的根拠に基づいた製品開発を行っています。法律で義務付けられていないことでも、品質保証のために社内の厳しい基準を設けています。たとえば、私たちの歯磨剤は全て、品質保証期間を通じて、フッ素がう蝕予防に有効な形(遊離フッ素)として製品に存在することを担保しています。また、新たに配合した乳酸アルミニウムは酸性の成分ですが、歯磨剤のpHをを中性に保ちながら有効成分の効果を最大限に発揮できるように設計されています。これは高度な技術であり、成分同士の相互作用を考慮しつつ効果を保つためのバランスを取ることが求められます。このような徹底した品質管理と研究開発の取り組みが、実際に製品を使用したお客様から「効果を実感した」「知覚過敏症状が改善した」といった評価を得ることにつながっていると考えています。Haleonヘルスパートナーに登録する3つのメリット!Haleonヘルスパートナー(旧:GSKヘルスパートナー)ではオーラルヘルス、特にセルフケアに関する知識を深めるためのコンテンツや、歯科医療従事者の日々の臨床をサポートする情報を提供するプラットフォームです。著名な講師が登壇。臨床に役立つ情報をウェブ講演会で無料配信!象牙質知覚過敏症、歯周病、義歯安定剤や義歯洗浄剤、口腔内装具用洗浄剤に関するウェブ講演会を無料でご視聴いただけます。過去のウェブ講演ダイジェスト 動画もご覧いただけます。 患者さん用無料サンプルでセルフケアを習慣化!診療がスムーズに患者さんのセルフケア習慣化をサポートするための患者さん用製品サンプルをご依頼いただけます。歯磨剤(シュミテクト・カムテクト)や義歯安定剤、義歯・口腔内装具用洗浄剤などインターネットから簡単に患者さん用サンプルをオーダーいただけます。日々の臨床にお役立てください。製品情報と患者さん用資材ダウンロード製品情報や、セルフケアの指導に活用していただける患者さん用資材をダウンロードいただけます。ぜひ、こちらよりアカウント登録をして申し込んでみてはどうでしょうか。無料で登録する
1D編集部
2024年9月27日
「8割の歯科医師が将来性を感じている」。訪問歯科診療の実態調査を実施

「8割の歯科医師が将来性を感じている」。訪問歯科診療の実態調査を実施

DSヘルスケアグループ(代表・CEO:寒竹 郁夫)のデンタルサポート株式会社(本社:千葉県千葉市、代表取締役:草深 多計志)は、1D会員の歯科医師に対し「訪問歯科診療に対する意識調査」アンケートを実施した。調査内容期  間:2024年5月30日~2024年6月30日対  象:「1D」に会員登録している歯科医師有効回答:419名調査方法:WEBアンケート60%以上の歯科医院が訪問歯科診療に取り組んでいる一方で、訪問先施設への加算協力の実施は半数以下。約80%の歯科医師が「訪問歯科診療はまだ伸びる」と将来性を感じていると回答した。調査の詳細は以下の通り。調査結果の概要① 訪問歯科診療の実施状況60%以上の歯科医院で訪問歯科診療を実施しており、担当医は理事長・院長が多い。訪問メンバーの構成は歯科医師+歯科衛生士が多い。歯科衛生士が口腔ケアのみで訪問している歯科医院は約30%約60%の歯科医院が、訪問先施設への加算協力をおこなっていない。② 訪問歯科診療の実施に感じている課題は、器具機材の準備と体制整備。③ 約80%の歯科医師が「訪問歯科診療はまだ伸びる」と将来性を感じている。調査結果の詳細訪問歯科診療の実施状況60%以上の歯科医院で訪問歯科診療を実施している。月に1回以上実施している歯科医院の割合は46.8%。医院として訪問歯科診療の実地状況訪問の際のメンバー構成訪問歯科診療の担当医口腔ケアのみで歯科衛生士が訪問しているか訪問先施設への加算協力の現状機材は何を準備しているか(実施日数別の持参機材)開始するにあたって大変だったこと<訪問の際のメンバー構成><訪問先施設への加算協力の現状>訪問歯科診療を実施するうえでの課題<訪問歯科を実施している医院>現在の課題実施状況に満足しているか<訪問歯科診療を実施していない医院>60%以上の歯科医院は、これから新たに訪問歯科診療を始めることを考えていない。始めたいと思う条件は「経営にプラスになるなら」。訪問歯科診療を始めたいと思うかどのような条件であれば始めたいか始めるにあたっての疑問点・不安<訪問歯科診療への考え方>訪問歯科診療への熱量(関心度)将来性をどのように考えるか訪問歯科診療の勉強会で学びたい内容<訪問歯科診療の将来性>アンケート結果の全文はこちら
1D編集部
2024年9月5日
勝ち組院長はやっている、訪問歯科診療の集患対策〜医業収入UPに必要な考え方と勝ち筋〜

勝ち組院長はやっている、訪問歯科診療の集患対策〜医業収入UPに必要な考え方と勝ち筋〜

現在、高齢者の要介護者は75歳以上の5人に1人となり、そのために通院が困難になり、多くの歯科クリニックで高齢者の来院数が減少している。患者の減少を防ぐために、歯科医院経営においては外来診療だけでなく、訪問歯科診療を活用することが重要だと考えられるが、訪問歯科診療の導入はハードルが高いと感じる歯科医師も多く、なかなか活用できていない現状がある。そんな中、2024年4月24日にデンタルサポート株式会社歯科事業部コンサルティングチームの丹澤淳二講師より、訪問歯科診療での”勝ち方”についての講演が行われた。本記事では、訪問歯科診療のおける患者を増やし医業収入を伸ばす方法として、認知度を高める介護サービスの理解連携を図るなど、講演で語られた重要なポイントをかいつまんで紹介する。訪問歯科診療で勝つ=患者が集まる歯科医院ビジネスにおいて、売り上げを上げるための考え方は次の公式で表せる。集客×成約×単価=売上訪問歯科診療に当てはめると、「集客=認知を高める必要がある」「成約=紹介を受けて問い合わせに繋げる」「単価=結果として診療をすることになる」と理解する必要がある。まず、集客の部分でもっとも大切な「認知」だが、訪問歯科診療を全く知らない患者に向け、どう情報提供し認知度を高めるかがポイントになる。外来と訪問の違いを理解する認知度を高めるためには、私たち歯科医療従事者が「対象患者・診療場所・患者説明・保険種類・ 診療点数」の5つを例に、外来と訪問の違いを理解しておく必要がある。外来対象患者・・・通院できる人診療場所・・・院内治療説明・・・患者本人保険種類・・・医療保険診療点数・・・初診再初診(267点・58点)訪問歯科診療対象患者・・・通院できない人診療場所・・・介護施設、病院、自宅など治療説明・・・患者本人、家族、施設のスタッフや本人を取り巻く関係者保険種類・・・医療保険、介護保険など診療点数・・・歯科訪問診療料(1,100点・410点・310点・160点・95点)異なる点も多いが、まず「診療場所」と「治療説明」に着目してほしい。介護施設や病院であれば、施設長や生活相談員、ケアマネジャー、医師や看護師、自宅であれば、他医療従事者や介護事業者など、患者(ひとり)に対し、歯科の必要性を理解してもらわなければならない。また歯科医療者側は患者に提供されているサービスを個別に把握する必要がある。そしてそれぞれに合った歯科医療の提供と他職種との連携が必須だ。介護サービスの理解前述の通り、訪問歯科診療における患者は基本的に介護サービスを受けており、その理解は非常に重要になる。主に提供されている介護サービスは大きく3つに分けられる。居宅施設地域密着型それぞれの詳細は以下の通りだ。居宅サービス訪問サービス訪問介護訪問入浴介護訪問看護訪問リハビリテーション居宅療養管理指導通所サービス通所介護通所リハビリテーション短期入所サービス短期入所生活介護短期入所療養介護施設サービス介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)介護老人保健施設介護療養型医療施設(2024年3月末に廃止、4に統合)介護医療院特定施設入居者生活介護地域密着型サービス訪問・通所型サービス小規模多機能型居宅介護夜間対応型訪問介護定期巡回・随時対応型訪問介護看護認知症対応型サービス認知症対応型通所介護認知症対応型共同生活介護(グループホーム)施設・特定施設型サービス地域密着型特定施設入居者生活介護地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護(地域密着型特別養護老人ホーム)その他のサービスとして、福祉用具貸与特定福祉用具販売住宅改修費支給居宅介護支援(ケアプラン)がある。このような多種多様なサービスを個々の要介護者が利用している。全てを把握する必要はないが、患者として訪問する対象者がどういったサービスを受けているかを理解し、それぞれの対応が求められる。介護サービスを理解し、複数のサービス事業者へ広報することで認知を広がり、集患につながるため訪問歯科診療を始めるにあたって欠かせないポイントだ。集患の鍵は多職種との連携サービス事業者等の認知を獲得できたとして、どう紹介してもらうかが集患の具体的な鍵になる。「多職種に歯科の必要性は理解されているか?」この課題に対しては歯科医院からの情報提供不足も原因だと考えられている。また厚労省調査より、歯科治療や口腔管理が必要だと判断された要介護高齢者は64.3%だったが、過去1年以内に歯科受診した要介護者はわずか2.4%に止まり、居宅系サービスにおいて歯科治療が必要な利用者57.8%に対し、73.8%は定期的に歯科を受診していないという結果がみられた。以上のことから、訪問歯科診療の必要性が理解されていない、歯科医院が多職種と連携できていないため需要に対して明らかに供給不足となってしまっていることが分かる。この課題を解消するために、外来で取り組める施策として院内掲示用ポスターの設置、告知用パンフレット、ダイレクトメールや情報交換誌などを活用することが大切だ。周囲との連携を図り、認知を拡大することで家族や知人を経由した紹介に繋がり、集患にレバレッジを聞かせることができる。認知を高める×連携を図る=患者紹介この効果を意識した対策をデンタルサポート株式会社では提案している。訪問歯科導入PLAN設定で売上up!これから訪問歯科診療を導入する先生及び、すでに訪問歯科診療を導入している先生が訪問歯科診療で他院との差別化し、どれくらいの売上を得られるか、デンタルサポート株式会社では緻密なシミュレーションのもと提案している。デンタルサポート株式会社では過去にも多くのシミュレーションと改善実績を誇り、様々なケースにおける歯科医院をサポートしてきた。本記事を読んで、もっと医院の売上を伸ばす方法を探したい訪問歯科診療における集患について学びたい施設・職員との連携や取り組みについて詳しく知りたいといった疑問や興味が沸いた先生は、ぜひ下のボタンからお申し込みいただきたい。無料で相談する
1D編集部
2024年8月15日

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