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毎回待たせるのに、患者の遅刻には厳しい?――キャンセル対策で医院側が見落とすこと

毎回待たせるのに、患者の遅刻には厳しい?――キャンセル対策で医院側が見落とすこと

予約の時間になっても患者が来ない。電話をかけ、空いた枠を眺める。そんな日が続くと、もっと強い注意書きが必要だと感じるかもしれません。では、医院の側は、その予約時間をどのように扱っているでしょうか。1Dのキャンセル対策をめぐる対談では、リマインダー、キャンセルに関する仕組み、患者との関係づくりが取り上げられます。その中で出てくるのが、いつも患者を待たせていれば、患者も遅れて来るようになるのではないか、という指摘です。キャンセルを患者の意識だけの問題として片付ける前に、予約を覚えてもらう仕組みと、時間を守って通う意味が伝わる関係を分けて考えてみます。患者に求める時間の約束を、医院側も守れているか対談では、患者に予約を守ってほしいなら、自分たちが遅れないことも大切だという話が出てきます。毎回待たせていれば、その時間に来ても始まらないと受け止められるのではないか。医院側のふるまいへ視点を戻す場面です。もちろん、診療では予定どおりに進まないこともあります。この話は、遅れが一度あれば患者のキャンセルを正当化するというものではありません。日常的にどんな時間の扱いを見せているかを問うものです。ここで患者向けの注意書きだけを強くすると、医院側が守る約束は曖昧なままになります。遅れた場合の説明や、予約枠の取り方など、自院にも確かめられる部分がないか。これは動画の指摘から導いた、編集部の検討事項です。忘れた人と、覚えていて来なかった人には同じ対策が効くとは限らない対談では、キャンセルの背景を、予約を忘れていた場合と、覚えていたのに来なかった場合に分けて説明しています。これはキャンセル理由のすべてを網羅する分類ではありませんが、対策の役割を整理する入口になります。リマインダーが直接働きかけるのは、予約を思い出してもらう部分です。動画では、前日などにLINEやSMS等で知らせる仕組みが紹介されています。一人ひとりへ毎回手作業で送る負担を減らすために、システムを利用する考え方も語られます。一方、予約を把握していても、通うのをためらう理由や、予定を変更せざるを得ない事情がある人には、思い出させるだけで足りるとは限りません。通知を導入したのにキャンセルが残るからといって、その仕組み全体が無意味とは言えないわけです。自院で振り返るなら、まず何が起きたのかを分けることです。忘れていたのか、連絡はあったのか、別の日を希望していたのか。その区別がないまま通知回数や文面だけを強めると、どの課題を解こうとしているのかが見えなくなります。これは対談を運用へ置き換えた編集部の整理です。予約の空白だけを見ていると、その後の中断を見落とす動画の冒頭では、予約が多数キャンセルになり、診療の空き時間ができたという登壇者の経験が語られます。患者がいない時間にも、勤務する人の人件費は発生する。対談は、空いた枠の売上だけでなく、医院が用意していた体制にも目を向けています。さらに話題になるのが、キャンセルした気まずさから、その後の受診をためらう患者心理です。登壇者は、一回の欠席で終わらず、別の医院へ移る可能性まで含めて説明しています。すべての患者がそうなるわけではありませんが、予約表の穴が埋まれば問題が終わるとは限らないという指摘です。見るべきなのは、来なかった一回と、その後の通院を分けることです。後日受診できた人と、連絡が途切れた人では、医院が把握したい状況が違います。人数や率を追うなら、何をキャンセルに数えているかもそろえなければ、改善したように見える数字の意味を取り違えてしまいます。名前の分からない担当者と、次も会う相手では関係が違う三つ目の対策として、対談が挙げるのは患者とのコミュニケーションです。担当者の名前も知らない状態と、相手の顔や名前を認識している状態では、キャンセルするときの受け止め方も違うのではないか、と語られます。別の登壇者は、診療の前後に説明や選択肢の提示を行い、患者と話す時間を取っている経験を紹介しています。単に雑談を増やすという話ではなく、誰がどのように診療しているかが患者に伝わる関わり方です。それでキャンセルが何割減るかという効果は、この対談から確定できません。それでも、通知や注意書きとは違う役割が見えます。予約があると知らせる仕組みと、その医院へ通う関係は、同じものではないからです。次のキャンセル対策を考えるなら、患者に送る文章だけでなく、自院の予約時間の扱いと日々の説明も見直してみる。来なかった患者を責める前に、来てもらうために何を整えているのか。その問いから、予約表の空白を考え直したいものです。元動画を見る本記事は1D公式チャンネルの対談をもとに構成しました。YouTubeで元動画を見る
1D編集部
1日前
「都心なら患者が来る」で、開業場所を決めていませんか?――人口の多さでは見えない医院の条件

「都心なら患者が来る」で、開業場所を決めていませんか?――人口の多さでは見えない医院の条件

人が多く、駅も近い。働く人も集まりそうだ。開業場所を探していると、都心の物件には安心材料が並んで見えます。では、患者もスタッフも多い場所を選べば、自分がつくりたい医院に近づけるのでしょうか。1Dの都心と地方を比較する対談では、都市部に人が集まる利点を認めたうえで、競合の多さ、地方での診療の成り立ち、医院を拡張できる余地が話題になります。どちらが一律に有利かという順位づけより、何を前提に医院をつくるのかが問われています。人が集まる場所には、患者を迎えたい医院も集まる対談の冒頭では、都心の利点として、患者や採用候補者が集まりやすいという見方が示されます。一方、その利点があるからこそ、開業する歯科医師も集まる。人口の多さだけでは、競争の中で自院が選ばれる理由までは説明できません。動画には、登壇者が都市部の医院を取材し、競合が密集する環境について聞いたという話が登場します。そこで語られる医院数は個別の取材談であり、ここでは地域の統計として引用しません。読み取りたいのは、周囲に人が多いという利点と、選択肢の多さを同時に見なければならない点です。患者が多そうだから、という判断は入口にはなります。しかし、その人たちが何を求め、すでにどこへ通い、どんな場合に別の医院を選ぶのかは別の問いです。自分が暮らしやすい街と、自分の診療方針が患者に伝わる街も、必ずしも同じではありません。この問いを立てることは、都心での開業を否定することではありません。都市部の利点を、自院の計画のどの部分で生かすのかを明らかにするためです。人が多いという事実だけに、採用と集患の両方を任せないことが大切になります。「地方では自費が成り立たない」という見方にも穴がある対談では、地方の医院を訪ねた登壇者が、繁華街でもない場所で、立派な設備や診療体制を持つ医院に驚いた経験を紹介しています。来院数の多さだけで回す印象とは違い、自費診療も含めた運営が語られる場面です。この一例から、地方のほうが自費診療で成功しやすいとは言えません。動画でも、地域全体のデータが示されているわけではありません。それでも、都心でなければ成り立たないという思い込みを疑う材料にはなります。患者がどのような診療を求め、どのような関係で通い続けているのか。地域の人口だけでは捉えにくい部分へ、目を向ける必要があるからです。同じ地方という言葉でまとめても、周辺の産業、住む人、通院の手段は違います。取材先の見た目だけを真似しても、その医院と患者の関係は再現できません。立派な建物や自費の存在を成功の証拠として眺めるのではなく、何がその診療体制を支えているのかを確認する。この読み方なら、個別事例を過大評価せず、開業候補地を考える材料にできます。ユニットを増やせることと、診療を増やせることは同じではない地方の利点として、対談が具体的に挙げるのは、土地や建物を使った拡張の余地です。ユニットを増やす、建物を広げるといった形で、患者を受け入れる規模を変えていく医院が紹介されています。これは、開業時の部屋に何台置けるかだけでなく、その後の診療体制をどう変えられるかという視点です。予防管理を軸に患者との関係を積み重ねる医院についても、受け入れの規模と結びつけて語られています。ただ、空間があれば診療が自動的に増えるわけではありません。誰がそこで働くのか、どの患者を受け入れるのかという計画は別に必要です。物理的に増設できる余地と、実際に運営できる余地を分けて考えたいところです。都心の物件を見る際にも、この視点は使えます。いまの条件だけでなく、診療の方針が定まり、患者やスタッフが増えたとき、どこが制約になるのか。対談の比較を自院の物件選びへ置き換えた、編集部の問いです。徒歩の距離だけで、患者の通える範囲を決めない動画の後半では、地方では車で通うことが前提となる地域がある、という話が出てきます。駅や医院からの徒歩圏だけで考えていると、実際の通院行動とずれる可能性があります。登壇者は、車で一定の時間をかけて受診する患者の話から、地方の医院が迎える範囲の広さを指摘しています。ただし、地方ならどこでも遠くから来る、と保証する話ではありません。具体的な候補地で、移動手段と通う負担を確かめる必要があります。都心では駅から近いことが説明しやすい利点でも、別の地域では車で来やすいことが大きな条件になる。自分の普段の生活圏の感覚を、そのまま患者の行動へ重ねないことが重要です。開業場所を選ぶなら、人の多さ、競合、診療の成り立ち、拡張、通院手段を同じ計画の中で考える。動画の示唆は、地方へ行けば成功するという近道ではありません。「都心だから」「地方だから」で判断を終わらせないための材料です。その場所で、誰が働き、誰が通い、どんな医院を続けるのか。住所の印象より先に、その説明ができる場所を探したいものです。元動画を見る本記事は1D公式チャンネルの対談をもとに構成しました。YouTubeで元動画を見る
1D編集部
2日前
「大学で使っていたから」で、材料を買い続けていませんか?――院長の節約が空回りする理由

「大学で使っていたから」で、材料を買い続けていませんか?――院長の節約が空回りする理由

いつもの材料を注文し、いつもの量を出し、余った分を片付ける。診療が滞らなければ、そこに問題があるとは感じにくいものです。ところが、材料費を見ている院長には、その「いつも」が気になります。スタッフに使いすぎだと声をかけても、次の日には同じ量が用意されている。節約への意識が低い、と片付けてよいのでしょうか。1Dのコスト削減をめぐる対談が扱うのは、使う量、買う物、そして使う側と払う側の感覚の違いです。安い商品を探すだけでは、診療室の中にある習慣までは変わりません。毎回余る材料は、「たまたま」ではなく準備の習慣かもしれない対談で最初に挙がるのは、材料を出しすぎないという話です。目新しい設備投資でも、難しい経営手法でもありません。使い終わるたびに残っているなら、その量を当然として準備していないか。日々のチェアサイドへ目を向けています。もう一つの具体論が、準備するタイミングです。動画では、出した後に揮発する液を例に、早く出して待たせることにも無駄が生じると説明しています。単に量を減らせばよいという話ではなく、いつ用意し、いつ使うのかまで含めて見直す必要があるわけです。ただし、この話からすべての材料を少量にする、まとめて同じタイミングで出す、といった一律の手順は導けません。製品ごとの使用方法と診療上必要な量を守ったうえで、必要な使用と余分な準備を区別することが前提です。材料の価格は発注時に目に入ります。一方、余りは一回ごとに少しずつ出るため、慣れると見えなくなる。対談の入口が量とタイミングなのは、買値だけを見ていては拾えない部分があるからです。院長には損失でも、使う人には「診療しやすい量」に見える動画では、勤務する側と経営する側でコストへの感覚が違うことにも踏み込みます。材料の支払いを意識する院長は、出しすぎを見るともったいないと感じる。使う側は、まず快適に診療できることを考える。この二つの視点は、自然には一致しません。それをスタッフの性格の問題にしてしまうと、院長は注意を増やし、スタッフは細かく言われる場面だけを覚えることになります。対談でも、量を節約するなら、なぜ取り組むのかを共有し、共通認識を持つ必要があるとしています。ここから自院の運用に置き換えるなら、「もっと少なく」だけでなく、何を無駄と見ているのかを具体化することです。使う前に変質してしまう準備なのか、毎回使わずに残る量なのか。あるいは、減らすと途中で出し直す必要が生じるのか。これは動画の問題提起を踏まえた編集部の整理です。必要な量を削った結果、作業がやりにくくなれば、使う側が協力しにくいのも無理はありません。院長が買値を知っているのと同じくらい、現場がなぜその量を使っているかを知ることが、見直しの出発点になります。慣れた銘柄を使う理由を、いまの医院で説明できるか対談の次の論点は、材料そのものの選び直しです。登壇者は、大学で使っていた物をそのまま採用する習慣に触れ、院長時代に材料や機材を見直した経験を紹介しています。慣れた物には、扱いを覚えているという利点があります。ただ、その利点を確かめたうえで選び続けることと、一度も比較せず注文を繰り返すことは違います。最初に選んだときの環境と、いまの医院の用途が同じとは限らないからです。この場面で見落としたくないのが、登壇者自身が、同じように使えるかを調べ、検証してから切り替えたと述べている点です。安い物へ無条件に替えるという主張ではありません。成分が似ているというだけで、使い勝手や適応まで同等と判断することもできません。記事として持ち帰りたいのは、特定の安価な銘柄ではなく、継続購入の理由を確かめる姿勢です。慣れ、性能、用途、価格のどれを評価して選んでいるのか。それが説明できれば、比較した結果として、いまの物を使い続ける判断にも意味があります。買う前の一問が、買った後の節約より先にある動画では、業者から提案されると必要な気がしてしまう、という話も出てきます。既存品の使いすぎを気にする一方で、新しい物を増やしていないか。コスト削減は、診療室の中だけで完結しません。使う回数や時間を含めて材料を評価する考え方も紹介されます。購入価格だけを比べても、一回の診療でどう使われるかが抜ければ、判断は粗くなります。ただし、動画中の個別処置の採算例は前提がそろっていないため、ここでは自院の収支に当てはまる数字として扱いません。自院で最初に選ぶなら、毎回余りが目に入る材料や、理由を聞くと「昔からこれだから」で終わる品目が候補になります。必要な使用を保ちながら、量、準備するタイミング、選定理由を確かめる。これは一斉に購入品を入れ替える話ではなく、一つの習慣を具体的に見直す話です。節約してほしいと伝える前に、何を変えれば診療を損なわずに無駄が減るのかを説明できるか。院長のコスト意識を、現場が実行できる判断へ変えるところから始めたいものです。元動画を見る本記事は1D公式チャンネルの対談をもとに構成しました。YouTubeで元動画を見る
1D編集部
2026年9月18日
「もっと速く診療して」で済ませる院長へ――削るべき時間は、患者の口の外にもある

「もっと速く診療して」で済ませる院長へ――削るべき時間は、患者の口の外にもある

予約枠を短くしたい。でも、治療の質は落としたくない。そのとき、スタッフや勤務医に「もう少し速く」と求めるだけになっていないでしょうか。1Dの診療時間短縮をめぐる対談が、最初に具体策として挙げるのは、処置のスピードではありません。準備と片付けです。治療に使えるはずの時間を、器具を探す、物を取りに行く、次の診療を整える作業が圧迫していないか。時短を考える場所を、患者の口の外へ広げる話です。対談ではさらに、紙の資料や模型の管理、学習による手順の改善へ議論が進みます。速く動く人を増やすだけではなく、今の腕と人数でも無駄なく診療を進められる仕組みをどう作るか。その視点で三つの話を読み解きます。準備で使った時間の帳尻を、処置で合わせていないか対談では、同じ処置でも術者の経験や技量によって所要時間が異なることを確認したうえで、医院の仕組みとしてできる改善へ話を移します。上手な人の速さだけを基準にしても、全員が明日から同じように診療できるわけではないからです。そこで挙がるのが、器材の準備、片付け、収納、院内の動線。診療の前後に繰り返す動きです。対談には、カルテ棚の扉を何度も開け閉めしているなら、その動作まで見直すという、かなり細かな例も登場します。もちろん、棚の扉を外すことを、すべての医院へ勧める話として受け取る必要はありません。注目したいのは、一回では気にならない動作でも、一日の診療で何度も繰り返されているという着眼点です。準備が遅れた分だけ処置を急ぎ、片付けが終わらない分だけ次の患者を待たせる。そんな運営では、予約枠だけ短くしても、現場にかかる圧力が増えます。対談も、準備や片付けが治療時間を圧迫する問題を指摘し、雑な治療とチェアタイムの短縮を明確に分けています。時短の目的は、必要な工程を省くことではありません。治療に必要な時間を確保したうえで、診療を枠内に収めること。そのためには、術者の手元だけでなく、診療が始まる前と終わった後にも目を向ける必要があります。紙に書く速さだけでは、デジタル化を評価できない二つ目の論点はデジタル化です。対談では、慣れている紙のほうが、最初は速い場合もあると認めています。紙ならすぐ書ける。新しいシステムは操作を覚えなければならない。この使い始めの負担を無視していないのが、話の出発点です。ただし、紙の運用には、書いた後の仕事もあります。しまう、探す、取り出す、戻す。入力だけを比べて「紙のほうが速い」と結論づければ、それ以外の時間は見えないままです。動画ではカルテなどの資料に加え、矯正歯科医院での模型管理の例が紹介されます。スキャンしたデータと3Dプリンターを使うことで、物理的な模型の保管スペースや出し入れの負担を小さくしていたという訪問時の経験です。この例から読み取れるのは、機器を入れたこと自体ではなく、探したり管理したりする仕事が変わったことです。導入するなら、自院のどの作業がなくなり、どの作業が残るのかまで見る必要があります。なお、動画内の個別事例は、資料を一律に廃棄してよいという意味ではありません。デジタル化を進めたのに、紙と同じ手順を画面の上で繰り返しているだけなら、想定ほど時間は減らないかもしれません。何を買うかと同時に、何をしなくてよくなるかを説明できるか。これが、この対談を自院の導入判断へつなげる問いです。「一手間かかるから省く」が、遠回りになることもある三つ目は学習です。対談では、処置の順番や器具の使い方を知っているかどうかで所要時間が変わる、と話しています。単に急ぐのではなく、手順を学んで練習し、使えるようにすることが時短につながるという考え方です。印象的なのが、ラバーダムについての登壇者の経験です。装着に手間がかかるという見方に対し、その準備を行うことで、その後の処置を進めやすくなり、全体では速くなる場合があると説明しています。これは、あらゆる症例で同じ短縮効果が得られるという主張として扱うべきではありません。ここで残したいのは、「一工程を省けば、その分だけ速くなる」とは限らないという視点です。必要な準備や手順が、後の迷いややり直しを減らすこともあります。準備を短くする話と、準備に手間をかける話は、一見すると逆に聞こえます。しかし、診療全体で考えれば矛盾しません。減らしたいのは無駄な探索や移動であり、残したいのは治療を確実に進めるための工程です。工程数の少なさだけでは、時短の良し悪しは決まりません。予約枠を縮める前に、一枠の中身を分けて見る自院で最初にできることとして、編集部から提案したいのは、一つの予約枠を「準備」「処置」「片付け」に分けて見ることです。処置中にも、材料待ちや資料探しで手が止まっていないかを確認します。たとえば毎回同じ物を取りに行っているなら、まず収納や準備を見直せます。探しているのが資料なら、管理の仕方が論点になる。手順の迷いなら、学ぶ内容が具体的になります。どこで時間を使っているかによって、次に手を入れる場所は変わります。準備と片付け、デジタル化、学習。動画で挙がる三つの方法は、いずれも「もっと急いで」という指示より先に検討できることです。予約表の数字を縮める前に、現場で繰り返されている仕事の中身を変える。それが、治療時間を圧迫しない時短の出発点になります。元動画を見る本記事は1D公式チャンネル「歯科医院の売上を2倍にする診療時間短縮戦略」の対談をもとに構成しました。YouTubeで元動画を開く
1D編集部
2026年9月13日
分院長は、募集すれば来ると思っていませんか?――2院目の前に答えるべき採用の話

分院長は、募集すれば来ると思っていませんか?――2院目の前に答えるべき採用の話

1院目が軌道に乗った。次の物件も見つかりそうだ。あとは分院長を採用すれば、2院目を出せる――。その「あとは」が、いちばん難しいのかもしれません。1Dの分院展開をめぐる対談では、患者が来ない、歯科医師を採用できない、歯科衛生士を採用できない、という三つのリスクが挙がります。なかでも議論が熱を帯びるのが、分院長の採用です。診療を任せられ、医院も運営できる歯科医師。その人には、そもそも自分で開業する選択肢があるからです。医院を増やしたい側の都合だけで、人は集まらない。対談が突きつけるのは、出店計画の前提そのものです。その人は、なぜ自分で開業せずに分院長になるのか勤務医を一人増やすことと、分院を任せる人を見つけることは同じではありません。診療の腕があれば、それだけで理事長不在の医院が回るとは限らない。患者との関係、スタッフとの連携、日々の運営まで、任せたい範囲は広がります。ところが、そうした役割を担える人ほど、独立も選べる。対談では、分院長として活躍できる能力を持つ歯科医師を採る難しさが、この開業という選択肢との比較で語られています。ここを「給与を少し上げればよい」という話だけで済ませると、採用後にも同じ問題が残ります。入職時は条件に納得していても、経験を積んだ後に独立を選ぶかもしれないからです。対談でも、採用する難しさに続いて、高い給与を用意しなければ辞めてしまうという懸念が挙がります。もちろん、開業すれば必ず収入が増えるわけではありません。ここで読むべきなのは収入の優劣ではなく、候補者にも比較する相手と選択肢がある、という構図です。理事長が「この条件なら十分だろう」と考えることと、候補者が「ここで分院長を続けたい」と思うことには、距離があります。対談には、勤務医との関係づくりや、知人を通じた採用の話も出てきます。募集を出して待つだけでは人が見つからない。その切実さを示すエピソードです。ただし、会食や待遇の派手さをそのまま真似すれば採れる、という成功法則ではありません。院長が替わったら、患者との関係まで途切れてしまう分院長の問題は、採れた時点で終わりません。対談では、分院長を務めた経験のある登壇者が、在任中にメンテナンスへつなげようとしていた患者の流れが、後任の時期には続かなくなったと聞いた、という話をしています。退任後の状況は伝聞であり、この話だけで患者減少の原因を断定することはできません。それでも、分院運営の弱点を考える材料にはなります。理事長や一人の院長が頑張って築いた診療の流れは、担当が替わった後も維持できるのか、という問題です。患者が来なくなったとき、立地や広告を疑うのは自然です。しかし、院長の交代を境に運営が変わっていれば、新患を増やす施策だけでは埋められない穴があるかもしれません。次回の受診を誰が案内するのか。メンテナンスへの移行を、院内でどう共有するのか。これらは、エピソードを自院の運営へ置き換えるための編集部の問いです。一人の院長が分かっていれば回る医院と、その人が離れても回る医院。分院展開では、この差が表面に出ます。採用した院長の力量に期待するだけでは、交代のたびに運営を組み立て直すことになります。衛生士を採れなければ、診療計画も机上のままになるもう一つ、対談が繰り返し扱うのが歯科衛生士の採用です。登壇者の関わる医院では、長く勤める衛生士に残ってもらうため、給与や休みの条件を改善している一方、新たな採用は難しいという経験が紹介されます。さらに具体的なのが、衛生士の予約がメンテナンスで埋まると、歯科医師の診療補助を頼めず、院長が一人で対応することになるという話です。ユニットがあり、診療したい患者がいても、その時間に誰が何を担当できるかで、現場の動きは変わります。出店計画に「衛生士を採用する」と一行書くのは簡単です。しかし、採用できなかった場合に、理事長が補うのか、分院長が抱えるのか、予約の取り方を変えるのか。そのしわ寄せまで考えると、人員計画は物件や設備に付随する話ではなくなります。2院目の計画に、理事長が穴を埋め続ける余地はあるか対談は、目的のある分院展開そのものを否定していません。一方で、ただ規模を大きくしたいという発想には、冒頭から疑問を投げかけています。この記事の論点を出店計画へ戻すなら、先に具体化したいのは三つです。誰に何を任せるのか。その人がここで働く理由は何か。採用できない、あるいは辞めたときに、診療をどう続けるのか。候補者の名前も、任せる範囲も、欠員時の対応も曖昧なままでは、「2院目を持つ」という計画の中に、理事長が埋める仕事が隠れています。医院を増やした結果、自分の手間だけが増える展開を避けるには、物件の契約より先に、任せる相手と運営の引き継ぎを詰める必要があります。分院を出す判断と、分院を回せる判断は別です。次の一院を考えるなら、まず「あとは採用するだけ」の中身から見直してみてください。元動画を見る本記事は1D公式チャンネル「【歯科医院】分院展開後のトラブルを回避するには」の対談をもとに構成しました。YouTubeで元動画を開く
1D編集部
2026年9月12日
そのバズ、通える患者に届いていますか?――歯科医院が再生数を追う前に考えること

そのバズ、通える患者に届いていますか?――歯科医院が再生数を追う前に考えること

動画の再生数は伸びた。フォロワーも増えた。ところが、新患の予約は思ったほど増えない。投稿をもっと面白くすればよいのでしょうか。それとも、そもそも見てほしい相手に届いていないのでしょうか。1Dの集患をめぐる対談では、地域の歯科医院が全国的にバズっても、来院にはつながりにくい場合があると指摘しています。話題になったかどうかと、その医院に通う人へ届いたかどうかは、違う話だからです。このずれはSNSだけに起きるものではありません。価格を下げて新患を増やす広告にも、出したままの看板にも、見栄えのよい数字や手応えを成果と取り違える落とし穴があります。全国に届く投稿が、近所の患者に届くとは限らない対談で挙がるのは、地方の一般歯科医院がSNSで全国的に話題になった場合と、都心で広い地域から患者を迎える審美・矯正の診療を打ち出す場合の違いです。同じ再生数でも、その後に起こり得る来院行動は同じではありません。日常の歯科診療を受ける医院を探している人にとって、通える場所にあることは大きな条件です。遠方で面白い動画を出している医院を知ったからといって、そこへ予約するとは限らない。一方、特定の治療を求めて遠方へ足を運ぶ人が対象なら、広く認知されることに意味が出てきます。つまり、動画内で否定されているのはSNSそのものではなく、誰に来てほしいのかを決めないままバズを目標にすることです。運用は大切でも、バズる必要があるとは限らない。この区別を飛ばして「再生数が足りない」と考えると、次の投稿も同じ方向へ進んでしまいます。対談には、1D自身のショート動画が大きく再生されたものの、届けたい歯科医師以外の視聴者が増え、期待する意味での成果にはつながらなかったという振り返りもあります。再生された事実はあっても、本来の相手が見ているとは限らない。自分たちの発信にも起きたずれとして語られている点が、この話の厳しさです。今月の新患が増えても、価格競争で消耗することはある二つ目の論点は、価格を前面に出す広告です。対談は、安価に提供することを一律に否定していません。規模や仕入れの工夫で価格を抑えられる場合もあり、患者にとって安く受けられる利点もある。そのうえで問題にしているのが、安さだけで選ばれ続けようとする競争です。価格が来院の決め手なら、さらに安い医院が出てきたとき、その患者がそちらを選ぶ可能性もあります。目の前の新患数は増えていても、その後の関係まで含めると、期待した成果になっていないかもしれない。対談では、この違いをLTV、つまり一度の来院だけでなく継続した関係で見る考え方として説明しています。「今月、何人来たか」は必要な数字です。ただ、それだけで広告の良し悪しを決めると、来院後に何が起きたかが抜け落ちます。ここから導けるのは、値下げが悪いという結論ではありません。価格以外に、患者がその医院を選び続ける理由を示せているか、という問いです。初回の反応だけを追うと、次の月も同じ価格訴求を強めることになりかねません。その繰り返しを続けられるのか。対談は、新患数が増えたという成功らしい結果にも、立ち止まって見る余地があると示しています。「なんとなく増えた」で、看板代を払い続けていないか三つ目は看板やチラシです。ここでも、アナログ媒体だから時代遅れだ、という話ではありません。問題は、出した後の効果が見えにくいまま、何となく継続されてしまうことです。対談で紹介される具体策は、QRコードのリンクに、どの看板やチラシから来たかを区別できる情報を付ける方法です。駅前の看板と別の場所の看板を同じURLにしてしまえば、どちらを見てアクセスしたのか分かりません。媒体ごとに入口を分ければ、少なくとも読み取られた後のアクセスを見分けられます。ただし、QRコードの読み取り件数が、そのまま来院数になるわけではありません。また、看板を見て後から医院名を検索する人も、QR経由の数字には入りません。これは計測を使う際に押さえたい限界です。数字が取れる部分と、取れない部分を分けて考える必要があります。対談でも、ホームページを見てもらうことが目的なのか、認知なのか、どこをゴールに置くかが話題になります。看板を出す前に何を期待するかを決めなければ、出した後に評価する物差しもありません。再生数ではなく、その次の行動まで説明できるか三つの施策に共通するのは、途中の反応だけで成果を判断しないことです。SNSなら見た人が誰なのか。価格訴求なら来院後にも選ばれるのか。看板なら何を目的に出し、どこまで確かめられるのか。自院のSNSに戻すなら、全国に面白がられる投稿を作る前に、来てほしい人が診療内容や医院の場所を理解し、受診を検討できる発信になっているかを見直せます。これは対談の問題提起を運用へ置き換えた編集部の整理です。再生数が多いこと自体は、失敗ではありません。ただ、その先を説明できないなら、次に増やすべきものが再生数なのかは分からない。バズった画面を眺めるだけでは、医院の予約表との距離は埋まりません。元動画を見る本記事は1D公式チャンネル「【歯科医師】患者獲得に失敗しているクリニックの原因」の対談をもとに構成しました。YouTubeで元動画を開く
1D編集部
2026年9月12日
実際の診療をそのまま見学。「下顎埋伏智歯抜歯」のリアルな臨床を無料公開

実際の診療をそのまま見学。「下顎埋伏智歯抜歯」のリアルな臨床を無料公開

埋伏智歯抜歯は、多くの歯科医師が日常臨床で遭遇する処置の一つです。しかし、麻酔の進め方切開ラインの設計骨削除や歯冠分割の判断アシスタントとの連携術中の細かな手の動きこうした「実際の現場でしか分からないポイント」を学ぶ機会は意外と多くありません。今回は1Dプレミアムで人気の治療見学シリーズ「ちりょけん」から、『【治療見学】埋伏智歯抜歯(下顎右側第三大臼歯)』を期間限定で無料公開します。【動画】埋伏智歯抜歯(下顎右側第三大臼歯)クリックでいますぐ視聴できます。 編集された講義ではなく、「本当の診療」が見られる一般的なセミナー動画では、重要な場面だけが編集されていることが少なくありません。一方、この「ちりょけん」は診療室で実際に行われた治療をノーカットで収録。術前の患者説明から、浸潤麻酔下歯槽神経伝達麻酔切開・剥離骨削除歯冠・歯根分割抜歯縫合まで、一連の流れをそのまま確認できます。「なぜ今その操作をしたのか」「どのタイミングで器具を持ち替えるのか」そんな細かな判断まで、リアルな診療を通して学べます。4つの視点で治療を理解できるこのシリーズ最大の特徴は、視点を切り替えながら見学できることです。収録されているのは歯科医師目線アシスタント目線見学者目線(全景)マイクロスコープ映像の4アングル。術者の手元だけではなく、術野全体ポジショニングアシスタントワーク器具の受け渡しまで立体的に理解できます。普段セミナーでは見えない"診療室全体の動き"まで学べるのは、このシリーズならではです。実際に4つの視点に着目しながらご覧ください  今回の執刀医 今回は、竹ノ塚ヨシダ歯科口腔外科 院長 日本口腔外科学会認定 口腔外科認定医・専門医・指導医 吉田和正先生による下顎右側埋伏智歯抜歯を収録。豊富な臨床経験を持つ口腔外科専門医が、日常診療で実際に行っている手技を、そのまま見学できます。こんな先生におすすめ✔ 下顎埋伏智歯抜歯を基礎から見直したい✔ 麻酔や抜歯をもっとスムーズに行いたい✔ 切開・剥離・分割抜歯の実際を見たい✔ 経験豊富な口腔外科専門医の手技を見学したい✔ リアルな診療現場から学びたい「診療を見学する」ように学べるのが、1Dプレミアム 今回無料公開している動画は、1Dプレミアムで配信している人気シリーズ「ちりょけん」の一部です。1Dプレミアムでは、このほかにも外科処置根管治療補綴インプラント歯周治療小児歯科矯正など、幅広い分野の実際の治療を見学できる動画を多数配信しています。「講義だけでは分からない、実際の臨床を見たい。」そんな先生におすすめのコンテンツです。もっと臨床を見たい方へ今回ご紹介した動画以外にも、1Dプレミアムでは1,000本以上のセミナー・治療見学動画を配信しています。診療後の30分や週末の空き時間に、第一線で活躍する講師陣のリアルな臨床から学ぶことができます。気になる方は、ぜひ1Dプレミアムもチェックしてみてください。本記事から入会すると、実質初月無料分のAmazonギフト券12,000円分を贈呈しています。まずは試してみたい方も、お気軽に始められる特典となりますので是非ご利用ください。
1D編集部
2026年7月28日
【速報】令和8年度診療報酬改定の骨子判明:歯科はプラス0.31%、物価高・賃上げへの「二段構え」の支援策が柱に

【速報】令和8年度診療報酬改定の骨子判明:歯科はプラス0.31%、物価高・賃上げへの「二段構え」の支援策が柱に

厚生労働省は、令和8年度(2026年度)診療報酬改定に向けた大臣折衝の結果および、中医協での検討資料を公表。今回の改定は、長引く物価高騰と医療現場での賃上げ要求に応えるため、過去に例を見ない複雑な改定率の設定と、補正予算を組み合わせた「重層的な支援」が特徴となる。本記事では歯科医師が注目すべき、改定のポイントと経営への影響をまとめる。1. 歯科改定率はプラス0.31%、全体では3.09%の大幅増令和8年度および9年度の2年度平均の診療報酬改定率は、全体でプラス3.09%(R8年度:+2.41%、R9年度:+3.77%)と決定した 。この内訳には賃上げ分や物価対応分が含まれている、それらを除いた各科固有の改定率において、歯科はプラス0.31%(医科:+0.28%、調剤:+0.08%)と、他科を上回る設定となっている。2. 物価高騰・賃上げへの具体的な評価方法今回の改定では、物価上昇への対応が「特別な項目」として設定される点が大きな変更点である。賃上げへの対応(+1.70%分):看護補助者や事務職員を含む幅広い職種のベア(令和8・9年度にそれぞれ3.2%)を実現するための措置が講じられる。物価上昇への段階的対応: 令和8年度以降の物価上昇分については、従来の初・再診料とは別に、「物価上昇に関する評価(特別な項目)」を新設し、段階的に引き上げる案が示されている 。経営環境悪化への緊急対応(+0.44%分): 令和6年度改定以降の経営悪化分については、令和8年度の初・再診料等の評価に含める形で対応される 。3. 【注目】令和7年度補正予算による「32万円」の現金給付診療報酬改定に先立ち、令和7年度補正予算において、医療機関への直接的な支援が行われる。歯科診療所(無床)1施設あたり合計32.0万円の支援額が設定された 。賃金分:15.0万円物価分:17.0万円この支援は、診療報酬による評価が本格化するまでの間の経営を支えるための「基礎的支援」として位置づけられている 。4. 入院・外来および患者負担への影響入院料の再編:病院や有床診療所における入院料についても、物価上昇分を反映させるための新たな評価体系が検討されている。患者負担の増:入院時の食費基準額が1食あたり40円、光熱水費基準額が1日あたり60円引き上げられる方針である。今後の展望:経済動向による「再調整」の可能性今回の改定率は、今後の経済・物価動向を注視する形となっており、実際の物価が想定を超えて変動した場合には、令和9年度にさらなる調整を行う「特例的な対応」の可能性も残されている。歯科医院経営においては、これらの新設される項目や補正予算による支援を確実に享受しつつ、スタッフの賃上げ原資をどう確保していくかが、次期改定の最大の焦点となる。資料出典:厚生労働省「中医協 総-1 8.1.9 物価対応について(その1)」 重要なのは制度を知って、どこを目指すのかただ制度を知るだけでなく、「自院がどこを目指すのか」を明確にすることが重要だ。1Dプレミアムでは、経営・開業ジャンルのセミナーが豊富にある。自院の運営について悩んでいる方は是非チェックしていただきたい。本記事閲覧者へ視聴おすすめセミナー・それぞれのコンセプト、それぞれの考え方を深掘り、歯科医院経営の成功法則を導き出すインタビュー<The 1 Dentist>・理想的な収益システムを学ぶ<売上も利益も最大化させる最強施設基準セット>1Dプレミアムでは経営者の実例を知り、制度を活かした運営ノウハウがまとまっている。月額9,800~(税込)の有料サービスではあるが、12,000円キャッシュバックを本記事経由で提供しているためまずはリスクゼロで試していただきたい。
1D編集部
2026年1月17日
【1Dのセミナーログ】将来、豊かで安心したライフプランを描くために

【1Dのセミナーログ】将来、豊かで安心したライフプランを描くために

将来、豊かで安心したライフプランを描くために――「普通の歯科医師」のお金の現実から考える、資産形成の第一歩1月の年明けは、「今年こそ将来のことをちゃんと考えたい」「このままで本当に大丈夫なのだろうか」 そんな気持ちが自然と湧き上がるタイミング。臨床や経営には真剣に向き合ってきた一方で、 お金・資産・ライフプランについては、 どこか「後回し」にしてしまっていないだろうか。今回ご紹介するのは、 今、多くの歯科医師から注目を集めているセミナー 『「普通」の歯科医師は、何歳でどれほどのお金をもらっているのか?』。この記事では、セミナー内容の一部をもとに、 歯科医師のリアルな年収・資産データと、なぜ今“金融リテラシー”が重要なのかを整理していく。歯科医師の平均年収は、実は一様ではない「歯科医師は高収入」 そう言われることが多い職業だが、年齢やキャリアによって、収入の推移は大きく異なる。セミナー内で紹介されている参考指標では、以下のような傾向が示されている。・45〜49歳:平均年収 約1,254万円・50〜54歳:平均年収 約1,085万円一見すると、50代で年収が下がっていることに違和感を覚えるかもしれない。 これは、開業タイミングで初年度に一度年収が下がるケースが影響していると考えられている。もちろん、すべての先生に当てはまるわけではない。あくまで「参考指標」にはなるが、自分の現在地を客観的に見る材料として、知っておく価値は十分にある。年代別に見る、歯科医師の資産形成の目安収入だけでなく、「実際にどれくらい資産を持っているのか」も気になるポイントではないだろうか。セミナーでは、年代別の資産目安についても触れられている。20代|貯蓄 0〜500万円奨学金返済の影響が大きく、 ほとんど貯蓄ができていないケースも珍しくない。30代|数百万円〜1,000万円台勤務医が中心の世代。 年間の貯蓄額が比較的多い先生がいる一方で、住宅購入・子育てといったライフイベントで支出も増えやすい時期。40代|1,000万〜3,000万円前後金融資産の期待値・実績は30代より増加。 一方で、教育費のピークを迎え、一時的に貯蓄が減るケースもあると報告されている。興味深いのは、「自分の子どもには歯科医師になってほしい」と考える先生が多い点。この価値観が、教育費のかけ方にも影響しているようだ。50代|3,000万〜6,000万円(人によっては1億円超)投資や資産の蓄積が進みやすい年代。ここまで来ると、若い頃の意思決定の差が数字としてはっきり表れ始める。なぜ、資産形成に差がつくのか?では、同じ歯科医師でもなぜこれほど資産に差が生まれるのか。セミナーで強く投げかけられている問いが、「日本人は、お金を働かせていない」。事実として、・日本人の金融知識はアジアで最下位レベル・1990年〜2014年の金融資産成長率米国:約4倍日本:約1.6倍というデータが示されている。金融知識の有無が、そのまま資産差として表れていると言っても過言ではない。金融リテラシーが低いことで起こる“見えない損失”お金について学ばないことは、「何もしないから安全」という話ではない。実際には、以下のような見えない損失が積み重なっていく。・節税をしないことで支払う余分な税金・資産運用をしないことによる機会損失 ・保険を学ばずに払い続けるムダな保険料 ・株式を知らないことで発生する高額手数料や損失 ・融資を理解しないことで支払う余分な利息 ・不動産知識不足による過剰な負債 ・お金の知識不足による詐欺被害 「知らなかった」だけで、本来守れたはずのお金が静かに失われていく。 これが、最も怖いリスクかもしれない。“普通の歯科医師”を知ることが、将来の安心につながるこのセミナーでは、FPコンサルティング代表取締役の岡崎謙二先生が、勤務医・開業医の年代別平均年収 開業費用・借入額の実態住宅ローン・保険の考え方資産形成・投資・リスクマネジメントの基本 を、数字とデータに基づいて解説。「お金の話を誰にも聞けない」「将来が漠然と不安」そんな先生にこそ、感覚ではなく現実的な指標を持つことの大切さを伝えてくれる60分である。年明けの今だからこそ、一度立ち止まって考えてみるのはいかがだろうか?忙しい日常の中で、ライフプランや資産形成について腰を据えて考える時間は、意外と取れないもの。だからこそ、意識が前向きになりやすい“年明け”というタイミングに、一度、自分の将来と向き合ってみてはいかがだろうか。
1D編集部
2026年1月10日
【速報】令和7年度補正予算で歯科診療所に一律32万円の支援金

【速報】令和7年度補正予算で歯科診療所に一律32万円の支援金

令和7年度補正予算案が11月28日に閣議決定され、医療機関への大規模な支援策が盛り込まれた。1)厚生労働省による今回の予算案では、医療分野における賃上げと物価上昇への対応が重点項目として掲げられている。歯科診療所においても、従事者の処遇改善と物価高騰への対策を目的とした交付金の支給が決定。地域における必要な医療提供体制の維持・確保を図る施策として注目されている。*1)令和7年度補正予算案の主要施策集(厚生労働省)歯科診療所への支援は一律32万円今回の補正予算案の柱となるのが「医療・介護等支援パッケージ」だ。物価高騰や深刻化する人員不足といった医療機関・介護施設の経営課題に対応するため、総額1兆3,649億円という大規模な予算が計上されている。 内訳:医療分野に1兆368億円   介護等の分野に3,281億円医療機関・薬局に対する賃上げと物価上昇への支援には、このうち5,341億円が割り当てられた。この支援策は二つの目的を持っている。一つは医療従事者の処遇改善、もう一つは診療に必要な経費の物価上昇対策である。歯科診療所に対する具体的な支給額は、医科の無床診療所と同水準の1施設あたり合計32.0万円。内訳:賃金分(処遇改善)15.0万円、物価分(物価上昇対策)17.0万円。特筆すべきは、補助率が10分の10、つまり全額補助という形での交付となる点だ。これは医療機関が直面する喫緊の経営課題に迅速に対応し、地域医療の基盤となる提供体制を確保するための重要な措置と位置付けられている。*画像は1)より引用「国民皆歯科健診」に向けたパイロット事業も始動*画像は1)より引用補正予算案では、もう一つ注目すべき施策として、「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)パイロット事業」の推進に8.8億円が計上された。この事業は、国民の歯と口腔の健康増進を目指すもので、職域の保険者、事業主、または自治体などが主体となって実施される。具体的には、簡易な口腔スクリーニングを活用した歯科健診と、その結果に基づく受診勧奨を組み合わせた取り組みとなる。実施形態としては、一般健診と併せて行うケースや、特定健診の結果を基に対象者を選定してスクリーニングと受診勧奨を実施するケースなどが想定されており、国民の口腔衛生向上に向けた基盤整備が期待されている。◇今後の動向に注目この補正予算案は、現在開会中の臨時国会での成立を目指している段階である。交付金の具体的な交付時期、申請手続き、必要書類等の詳細については、今後の正式発表を待つ必要がある。歯科診療所の経営にとって重要な支援策となるため、続報を注視していきたい。
1D編集部
2025年12月12日

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