近年、唾液の成分と働きが大いに注目され、唾液の重要な作用も続々と発見されています。昨今のコロナ禍でその注目度もより高まってきました。
唾液は消化液にとどまらず、風邪やインフルエンザなどの感染症の予防、日本人の死因の上位を占めるがんや脳卒中、肥満や生活習慣病の予防、歯周病や誤嚥性肺炎などの予防、アンチエイジングなどにも深く関わっています。
もちろん、う蝕や歯周病への影響も大きく、歯科医療者なら唾液の成分、緩衝能やフッ素との関係性も理解しておくべきです。
また加齢などの要因で、唾液の働きに重要な量や質が低下することは知っていると思います。そして患者さんそれぞれでも唾液の量や質は千差万別です。
身近であり、実はあまり理解できていない「唾液」には、奥深い作用がたくさん隠されています。
このセミナーでは、唾液の成分や役割についての”新常識”を、唾液研究の第一人者である槻木教授が深掘りします。
こんな方におすすめ
👉 唾液の”新常識”を学びたい
👉 う蝕・歯周病との関係性、予防について知りたい
👉 唾液の力を理解して、日常臨床に活かしたい
講義目次
唾液の性質、機能
緩衝能について
フッ素との関係性
口腔ケア、アンチエイジング
日常臨床における唾液の役割
なぜ、歯ブラシは1日3回か?
唾液量の違いによる指導
神奈川歯科大学副学長。神奈川歯科大学大学院歯学研究科口腔科学講座環境病理学教授。1967年東京都杉並区荻窪生まれ。神奈川歯科大学歯学部卒業後、同大学大学院歯学研究科修了、歯学博士取得。神奈川歯科大学歯学部口腔病理学教室、助手、特任講師、助教授を経て2007年より教授に就任。2014年より同大学副学長。専門分野は口腔病理診断学・唾液腺健康医学・環境病理学。プレバイオテックスの一種であるフラクトオリゴ糖の継続摂取による唾液中IgAの分泌量増加とともに、そのメカニズムとして腸管内で短鎖脂肪酸が重要な役割を果たすことをあきらかにし、「腸―唾液腺相関」を発見。日本唾液ケア研究会を設立し理事長に就任。