本日3月16日、1月29日〜30日に行われた第115回歯科医師国家試験の合格発表が行われた。
例年であれば14時ちょうどに、厚生労働省のWebサイトと厚生労働省及び各地の歯科医師国家試験運営臨時事務所にて合格者の受験番号が掲載されるのが慣例となっている。
しかし今年は、昨年・一昨年に引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大を受け実地での合格発表は中止となった。
今回の記事では、第115回歯科医師国家試験の合格発表を受け、その速報と総評をお届けする。
14時になると、厚生労働省の「国家試験合格発表」ページに、歯科医師国家試験の合格発表ページへのリンクが表示された。同時に医師国家試験の合格発表も行われている。
今年も14時ちょうどに合格発表は閲覧できるようにならず、1D編集部が確認したところ、14時5分頃に閲覧可能となった。
第115回歯科医師国家試験は、新卒・既卒合わせて全体で3,667名が出願し、3,198名が実際に国試を受験、1,969名が合格し、新たに4月から歯科医師になることが決まった。
合格率は全体で61.6%であった(昨年:64.6%)。過去数年間の結果と比べても、近年は65%付近で合格率が調整されていたが、今年は過去最低の合格率を記録した。なお、新卒の合格率は77.1%(昨年:80.2%)、既卒の合格率は35.6%(昨年:37.0%)であった。
合格者数・合格率を年次推移で見ると、今年の結果も合わせると下記のグラフのようになる。前回まで65%前後の合格率で調整されていたが、115回は61.6%までガクッと下がったことがお分かりいただけるだろう。
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第115回歯科医師国家試験の合格基準は、下記であった。
なお、削除問題は19問で、昨年に引き続き削除問題の多い国家試験となった。うち、必修問題の削除は9問である。
削除問題の年次推移としては、下記である。今回の国家試験も、非常に削除問題が多かった試験であると言えるだろう。
男女別での歯科医師国家試験の合格者数は、115回では男性が1,065名、女性が904名となった。合格率では男性よりも女性の方が昨年に引き続いて高く、男性が57.4%、女性が67.4%という結果になった。
歯科医師国家試験の合格者に含まれる女性の割合は近年増加し続けており、この数年で新規参入歯科医師における女性の割合と男性の割合が逆転する可能性が高い。
卒業年度別の合格者数・合格率は、下記である。例年通り、受験可能回数(実質的には受験回数)が多ければ多いほど、合格率は下がる傾向にあった(4回と5回では逆転現象が生じている)。
受験資格を得てから10年以上が経過している受験生も83名おり、今回の国家試験で2名が合格している。
大学別合格者数・大学別合格率は、下記のとおりである。昨年に引き続いて、全体の合格率では東京歯科大学が第1位となった。全体の合格率では、国公立の歯学部の合格率が昨年と比べ低く、国公立第1位は岡山大学(81.0%)であった。
なお、本記事では合格者数 ÷ 出願者数を「真の合格率」として表している。一般的な合格率は合格者数 ÷ 受験者数で表されることが多いが、歯学部の場合は卒業試験でふるいをかけ、受験者を選抜する傾向がある。
卒業試験に不合格となると、当然歯科医師国家試験には受験できないため、「真の合格率」が各歯学部の実力を予測する指標となる。
この条件で各大学の合格率を絞ると、大阪大学が80.7%で第1位となるという結果となった。第2位には東京医科歯科大学、第3位には東京歯科大学が続いている。
1Dでは、今後も総評や分析、追加情報などがあり次第こちらの記事に追記を行なっていく。