歯科医師の給料・年収・将来性を解説

歯科医師の給料・年収・将来性を解説

文・構成:1D公式アカウント | 投稿日: 2021年06月11日

歯科医師の給料・年収・将来性を解説

本ページでは、歯科医師の給料・年収、または将来性について解説しています。一昔前までの歯科医師は「高級外車に乗って、良い家に住んで...」というイメージでしたが、現在の実際はどのようなお給料事情なのでしょうか。

また歯科医師になるための方法や、自分の歯科医院を開業した場合の年収など、歯科医師の給料・将来性に関して詳しく解説をしていきます。

歯科医師の年収

まずは、気になる歯科医師の年収について解説していきましょう。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和元年)によれば、歯科医師の平均年収は約562万円です。

この統計データは卒後すぐの歯科医師や勤務医、開業医までもが同一のデータの母数に含まれているものの、一般的なサラリーマンと比べて歯科医師の給与水準は高い傾向にあると言えるでしょう。

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しかし、医学部を卒業した医師の平均年収は1,102万円ということを考慮すれば、診療単科で見た場合は歯科医師は医師よりも平均年収が低いという現状にあるようです。

歯科医師のキャリアパスとして、歯学部を卒業後に臨床研修期間があります。臨床研修期間は基本的に1年間(もしくは2年間)行いますが、この期間は低賃金であることが多いです。具体的な年収で言えば、100万円台であることもザラなのではないでしょうか。

歯科医師臨床研修を修了した後は、それぞれのキャリアに合わせて大学院に進学したり、一般開業医で臨床に励んだり、といったキャリアとなります。歯科医師の平均年収は、年齢に応じて次のように移り変わっていきます。

20〜24歳:191万円(男性歯科医師)・190万円(女性歯科医師)
25〜29歳:301万円(男性歯科医師)・251万円(女性歯科医師)
30〜34歳:691万円(男性歯科医師)・416万円(女性歯科医師)
35〜39歳:657万円(男性歯科医師)・923万円(女性歯科医師)
40〜44歳:975万円(男性歯科医師)・779万円(女性歯科医師)
45〜49歳:1001万円(男性歯科医師)・889万円(女性歯科医師)
50〜54歳:1369万円(男性歯科医師)・594万円(女性歯科医師)
55〜59歳:857万円(男性歯科医師)・1233万円(女性歯科医師)
60〜64歳:924万円(男性歯科医師)
65〜69歳:534万円(男性歯科医師)・582万円(女性歯科医師)
70〜歳:1080万円(男性歯科医師)

これを見ると、男性歯科医師は30歳を過ぎてから急激に年収が上がっていき、50〜54歳で平均年収1369万円とピークを迎えます。これは開業して、働き盛りで最も技術的にも脂が乗った時期がこの年齢であることも関係があるかもしれません。

20代後半での歯科医師の年収が低いのは、近年は国家試験の難化に伴って歯科医師になる年齢が遅れる傾向にあることと、大学院への進学や大学での診療に従事する歯科医師の割合が高く平均値を下げていることが要因であると考えられます。一般開業医に勤務する歯科医師であれば、常勤で働いていれば250〜300万円といった年収にはなりません。

性別による年収の違い

また、近年では男性歯科医師に対する女性歯科医師の割合も増えつつあります。都内のある歯学部では、ここ数年は男女比率が一昔前と逆転し、女性の方が多いという大学も存在します。

女性歯科医師の場合、結婚や出産・育児などライフステージの影響を男性に比べて受けやすく、例えば歯科医院で非常勤で働くなど働き方・雇用形態の変化がデータに表れています。

地域別による年収の違い

また、都道府県別に歯科医師の年収はどのように異なるのでしょうか?イメージでは、東京都心の一等地で働く歯科医師の給料は高い印象があります。

前出の厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、男性歯科医師の場合で最も平均年収が高かったのは群馬県でした。群馬県の歯科医師の平均年収は1800万円と高額という統計です。女性歯科医師の場合は、鳥取県が最も平均年収が高く、1260万円となっています。

歯科医師における開業医と勤務医の年収差

厚生労働省が行なっている医療経済実態調査によれば、個人事業主として開業している開業歯科医の平均年収は1225万円です。先ほど解説した平均年収である562万円よりも、倍近くの年収があるというデータとなりました。

実際に、1D(ワンディー)に登録している歯科医師の平均年収アンケートでも、開業医の年収は1800万円超と高い水準にあります。

もちろん、開業医だから絶対に年収が高くなるというわけではありません。売上から家賃や人件費、器材代などを差し引くとほとんど手元に残らない、という個人事業主の歯科医院も少なからず存在します。歯科医院を開業するには数千万円の初期投資・開業費用が必要な上、経営として成り立たせるためにも苦労が必要です。

しかし、現状の歯科医師のキャリアパスを見てみると、多くの歯科医師は勤務医を経た後に歯科医院を開業・継承をしています。これは、勤務医をしているよりも開業をした方が金銭面でのメリットがある・開業医と勤務医では想定される年収に開きがあるということを表しているのではないでしょうか。

歯科医師になるためには

歯科医師になるためには、歯学部を卒業した上で歯科医師国家試験に合格する必要があります。予備試験など例外はありますが、本ページでは触れません。

歯科医師免許を取得する

歯科医業を行うためには、歯科医師の免許・ライセンスが必要です。歯科医師になるには、全国各地に29校ある歯学部に入学し、6年間を勉学・実習に費やす必要があります。また私立大学歯学部の場合は授業料も高額で、卒業までには2000万円〜3000万円程度の費用がかかります。

6年の修業年数を終え、歯学部を卒業する見込みになれば、歯科医師国家試験への受験資格が与えられ、毎年1月後半〜2月前半に施行される歯科医師国家試験を受験することになります。

歯科医師の国家試験

歯科医師国家試験は、歯学部の卒業生や前年度の不合格者を対象に3000人程度が毎年受験します。そのうち、合格できるのは2000人弱。合格率は65%程度で近年下げ止まり傾向にあります。

下図は、直近数年の歯科医師国家試験の合格率の数値データです。このように第107回歯科医師国家試験で大幅に合格者が削られた後、合格率65%付近で下げ止まっている状況です。

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これは厚生労働省による新規参入歯科医師の抑制の狙いがあると推察されていますが、今後数年で歯科医師国家試験の合格者の変遷がどうなっていくのかは不透明です。

歯科医師の勤務場所

歯科医師国家試験に合格し、厚生労働省での手続きを終えたら、歯科医籍に名前が登録されます。合格発表は3月中旬で、4月から臨床研修に入るケースがほとんどです。

歯科医師としての臨床研修を終えた後、歯科医師にはどのようなキャリア・勤務場所の選択肢があるのでしょうか。

歯科医院・歯科クリニック

最も多いのは、一般歯科医院で勤務医を開始するケースです。一般歯科医院はGeneral Practitionerの頭文字を取って「GP(ジーピー)」と呼ばれます。

歯科医師として先輩である院長のもと、治療や予防の診療技術や知識・考え方について、まずは一通り習得します。

歯科医師の多くは将来的に開業することが多く、こうした形で勤務医として10年程度経験を積んでから開業医になるケースが多いようです。

歯学部附属病院・大学の講座

開業医へ勤務医として就職するほか、そのまま大学の医局に残るというケースも少なくありません。

歯科医師が臨床研修を終えてから医局・大学に残るケースは、何かしらの専門分野に関する知見を深めたい・治療技術を体得したいなどの理由であることがほとんどです。

大学院生という肩書きで、大学に残る場合もあります。歯学部は医学部と同様、卒業時点で修士課程修了と同程度と見なされるため、博士課程に入学する形になります。歯学部での大学院生生活を終え、博士論文を書くと、博士(歯学)の称号が与えられます。

行政職・公務員

絶対数は少ないですが、一部の歯科医師は自身の知識・経験を活かして行政機関に就職するパターンもあります。

歯科医師としての行政職・公務員の就職先としては、保健所や厚生労働省などがあります。

歯科医師の将来性

本ページでは、歯科医師の給料や歯科医師国家試験、就職・勤務場所について解説を行なってきました。それでは、今後歯科医師という職業はどのように変化していくのでしょうか?

近年では、歯・口腔の健康が全身の健康につながるというエビデンスが示されつつあります。例えば肺炎、脳血管疾患、アルツハイマー型認知症、糖尿病、早産などが具体例として挙げられます。

こうした状況のなかで、今後数十年間、歯科医師という職業の役割はさらに大きいものとなっていくと予想されています。

まとめ

歯科医師という職業は、単に「歯を削る」というイメージが強いと思われがちですが、広く見てみると「歯・口腔の健康を作る」職業です。

社会背景を考えると、子どものう蝕(むし歯)は減少していますが、高齢者のう蝕は増加しているなど、課題は山積みです。令和の時代も、歯科医師という職業の需要・ニーズはさらに高まっていくのではないでしょうか。

監修者情報

松岡 周吾

歯科医師。1992年千葉県生まれ。2016年鶴見大学歯学部卒業、歯科医師免許を取得。2017年同大学附属病院歯科医師臨床研修修了、東京歯科大学大学院博士課程に入学。2018年同大学院退学後、株式会社Dentability(現・ワンディー株式会社)を創業。
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