ーー日々研鑽を積まれているなかで、自信があることについて教えてください
自信があることは、あまりないかも知れません。もっともっと楽しむためにはどうしたらいいか、いつもそんなことを考えながら仕事をしています。
後ろ向きな自分は嫌なのでリフレイミングのトレーニングをしています。常に新しい情報を得れるようにアンテナをたて、吸収し、成長していきたい。自信がつくのは、いつになるのかを楽しみに進化していきたいです。
ーー歯科衛生士人生を歩む中でぶつかった壁について教えてください
患者さんからのクレームに心折れたことがあります。クレームはチャンスだと思って、それまでは取り組んでいましたが、1度だけ向き合えなかったクレームがありました。その患者さんのことを2度と診ることができませんでした。
そのクレームの内容は解決できると思っていたのですが…当時働いていたクリニックでは、なるべく私と患者さんが会わないよう配慮していたのを感じました。ただ、私の中にはその患者さんに対するもやもやした気持ちが今でも残っています。
クレームをもらったときの対処法はいろいろあると思いますが、そのときは自分の心の内や周囲との距離感がわからなくなりました。しかし、逃げ出すのは簡単です。辛いときこそ、ちゃんと受け止めなくてはいけません。次への反省になり成長できるはずだったのに、そのチャンスも回ってこなかった。チャンスを自分から作ることもできなかった。 周りに気を使わせてしまった自分にも腹が立ったし、この組織の中では働き続けることができないかもと感じながら仕事を続けていました。
好きな仕事が一気に嫌いな仕事に変わってしまう。そんな瞬間を味わいました。もし、またクレームをいただいたら自分から一歩踏み出す勇気を持ちたいですし、後輩がクレームで悩んでいたら一緒に解決したいです。こんなもやもやした気持ちは誰にも味わってほしくないと感じています。
ーー良い職場づくりに必要なことを教えてください。
良い職場づくりで必要なことは、6つあります。これら全てに通じるのは、互いを尊敬し合うことだと思います。
1つ目は、良いところも悪いところも、好きになれる職場。裏表のないところを見せれば、働くスタッフの信頼につながると思います。
2つ目、一人一人が患者さんに対しての同じ想いを持つこと。 目標や想いが違うとチームがバラバラになってしまいます。同じゴールを持つことでひとつになれるのではないでしょうか。
3つ目は、安心して仕事ができる環境であること。もちろん患者さんが第一ではありますが、全員が治療や経営のことを一緒に考えて継続できる歯科医院であることが大切です。それには、院長だけがはなくスタッフも働く環境を整えるチームであることが理想ですね。
4つ目は、約束をきちんと守り合えること。 当たり前だと思うことでも、守れないこともあります。そんなときは素直にごめんなさいが言えるチームでいたいです。
5つ目は、自分を持つこと。 SNSなど情報が多い現在、人の意見に左右されないことが重視されます。
最後は、気遣いができること。 上司であっても部下であっても、「ありがとう」「ごめんなさい」「おはようございます」「お疲れ様です」と挨拶をして、マナーを守った行動ができたらと思います。
恋愛で素敵な人が素敵な相手を選ぶように、いい院長に選ばれるためには自分もいいスタッフでいるべきではないでしょうか。選ばれる価値があるのか、常に振り返ることが肝心ですね。そのために必要なのは自分磨き。高嶺を目指すことも大切ですが、今の私にはまだまだ実力が足りないと思うので、自分のできることを知って苦手なことを克服していきたいです。
院長、患者さん、みなさんから多くのことを学んでいく。私にとっての理想の職場は、そのように成長できる環境を自分で作り上げていける場所です。また、大好きな先輩
歯科衛生士さんの名言に、「医院選びは男選び」というものがありました。恋愛には理想がありますが、全ては叶いません。職場選びも同じです。だからこそ、自分にとって譲れないことと諦められることを持つようにしています。
ーー今後のキャリアビジョンについて教えてください。
ずっと臨床に携わりたいので、足腰手首に気をつけてがんばりたいです。そして、コツコツ積み重ねた実績が大きな山となり、それを皆さんにアウトプットできたらなあと。
歯科衛生士の価値を高めたいとも思っているので、 そのために
歯科衛生士を続けていき、健康な患者さんを増やしていくことが大切だと思います。
『納得できる治療を、診療する全ての患者さんに毎日行え、時間に追われることもなく、豊かでバランスの取れた歯科人生を築くこと。』これは現在働く医院の診療哲学のひとつです。これからは歯科医師だけではなく、私たち
歯科衛生士もワーク・ライフバランスを大切にすることを考えていかなくてはいけないと思います。
普遍性と時代性を重要視して、今後も
歯科衛生士を楽しんでいきたいですね。私を選んでくれた患者さんのために、理想の歯科医療の環境を与えてくれた院長のために、生き生きと楽しんでいこうと思います。何度も言いますが、今はとっても楽しいんです。
きっと楽しいことばかりではありません。辛いことも、大変なこともたくさんありますが、それを乗り越えると初めて見える景色があると思うのです。 これからもどんな景色が見えるのか、とても楽しみにしています。