若手歯科医療者にフォーカスした連載企画「1D Seeds」。今回はインビザライン専門医院の副院長や株式会社Blancheの代表を務める、歯科衛生士の穴沢有沙さんを取り上げます。
ーー歯科衛生士になってから現在に至るまでのことについて教えてください。
歯科衛生士になったきっかけは、高校3年生の時の担任に「歯科衛生士」という職業を教えてもらったことです。
資格取得後は医療法人の歯科診療所で勤務し、結婚を機に退職。その後色々な世界を見てみたいと思い、現在の三菱UFJ銀行に4年間勤務しました。そして、歯科医療法人でインビザラインを学び、32歳で研修講師として独立。2018年に株式会社Blancheとして法人化しました。
株式会社Blancheでは、マウスピース矯正の出張研修を行っています。「マウスピース矯正を導入したい」「導入したけれど医院に浸透させるにはどうしたらいいか」「スタッフへの教育はどのようにしたらいいか」そういった悩みを抱える歯科医院へ出向いて、歯科スタッフ向けの研修をしています。
2020年には、歯科医師とともにインビザライン専門医院である「
横浜関内矯正歯科ブランシュ」を開業しました。クリニックでは副院長として経営にも携わっています。臨床業務では、矯正専門医や矯正歯科と業務委託を結び都内で3医院、名古屋1医院で診療や教育に当たっています。その他には歯科メーカーのホワイトニングトレーナーとしても全国の歯科医院さんへ研修に伺っています。
ーー日々研鑽を積まれているなかで、自信があることについて教えてください。自信があることは、誰にでも分かりやすい研修をすることです。
私自身が勉強が得意でなかったからこそ、わかりやすく面白い興味を持つことができる研修を心がけています。
ーー歯科衛生士人生を歩む中でぶつかった壁について教えてください。幸い、いつも落ち込むほどの壁に当たることはなく…(笑)。多分リフレーミングしてしまうからだと思うのですが。
かろうじて挙げるとすると、歯科医療法人にいたとき人間関係に悩んだことがありました。現在私は組織づくりに携わる立場ですので、当時を経験したうえで感じることは、相手との関係性を大切にしつつ、自分の考えや意見をしっかり伝えてチームで議論することの大切さです。大きな問題に直面したときは、解決するためにお互いぶつかり合うことも時には必要だと思います。「相手に悪いから」「傷つけてしまうから」と目の前にある問題から目を背けてしまうと、結果としてみんなが働きにくくなってしまいます。それらを放置せず解決して前に進む方法を考えていきたいですね。
そうすることで患者さんに対しても、プロとして妥協せず安心・安全の治療を提供できると思います。
もちろん、チームは仲が良いに越したこしたことはありません。しかし、仲良しこよしだけでは上手くいかないこともありますよね。どんなに厳しい意見でも、遠慮をせずしっかり話し合うべきです。大事なのは、プロとしてお互いに適度な距離感を保ちつつ患者さんに向き合うことではないでしょうか。