昔の歯ブラシ、未来の歯ブラシ

昔の歯ブラシ、未来の歯ブラシ

文・構成:ミホ | 投稿日: 2019年11月27日

「バンザイ歯ブラシ」

1907(明治40)年につくられた東京歯科医学専門学校(東京歯科大学の前身)では、理想的な歯ブラシの研究が進められていた。

その研究のもと1914(大正3)年に作られたのが、その名も「バンザイ歯ブラシ」。

「歯ブラシ」という言葉が使われたのは、このときが初めてである。

「バンザイ歯ブラシ」の特徴は以下である。
  • 毛先の特徴
    • 硬い毛だが弾力性が高く、切れにくい
    • 毛はは歯列に一致させた形
    • 中国重慶産の豚毛を使用
  • グリップ部分の特徴
    • 強靭で熱湯消毒にも耐えられる牛骨を使用
    • 使いやすいよう外側に湾曲

2年後の1916(大正5)年には、業界初の3サイズ展開とした。

ナイロン毛の歯ブラシが登場

戦後、物資の制限が解かれると、動物毛の代わりにナイロンを使用した歯ブラシが登場。

ナイロンを使った歯ブラシの特徴は以下である。
  • 吸水性が高い
  • 口の中でなじみが良い
  • 強度も高い
  • 動物毛と違って均一性がある
  • 大量生産に向いている

ナイロン歯ブラシは、当時の価格で1本100円。

その頃はかけそば1杯30〜40円の時代であり、かなり高価なものであったといえる。

当時のナイロン歯ブラシの形は、豚毛を使ったバンザイ歯ブラシと似ていた。

植毛部中央がへこんでおり、この形が奥歯や歯の裏側・側面を磨きやすいとされていた。

この形は1965(昭和40)年ごろまで主流であったが、歯の磨き方やニーズにより徐々に変化をとげていく。

ローリング法に合わせた歯ブラシ

当時推奨されていたのはローリング法による歯磨きであった。

毛先を歯根方向に向けた上で毛の脇腹を歯面に当て、歯冠方向に90°回転させるあのローリング法である。

そのため、この90°回転がしやすいような歯ブラシが主流となっていった。

ローリング法に合わせ歯ブラシの特徴は以下である。
  • 回転運動がしやすいよう、ネック部分に角度をつけている
  • 硬めの毛
  • 毛先がそろっている

時代とニーズに合わせた歯磨きグッズ

その後も歯ブラシは、時代やニーズに合わせさまざまな変化をとげた。

スクラッビング法やバス法に合わせた歯ブラシだけでなく、1980(昭和55)年には補助清掃用具も店頭に並ぶように。

なかでもタフトブラシが販売されたのは、昭和が平成に切り替わるころくらいからである。

現代は、使う人やその目的によって歯ブラシを使い分けられる時代となった。

歯ブラシの形だけでなく毛質や植毛法など、日本の技術は海外に比べて進んでいる。

これまで歯磨きグッズは「雑貨」という扱いを受けていたが、いずれは”全身の健康を守る医療機器”となっていくのではないだろうか。

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参考文献

「歯みがき100年物語」ダイヤモンド社, ライオン歯科研究所 編, 2017.
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