「磨き残しが多く、虫歯のリスクが高いので定期的に歯科医院に来てください」。
歯科医師のアドバイスに、素直に従う患者さんは何%でしょうか?
歯科医師から見れば「このままでは歯がなくなる」状況であっても、患者さん側が「わかっているけど、いま気にならないからまだいいや」くらいの認識で止まってしまうことは多く、原因には医療従事者と患者とで見える正解が違うことで生じるすれ違が挙げられます。
特に日本の患者は歯科治療へ関心が他科より薄いことから、正すことは難しいとされてきたこのすれ違い。行動経済学を用いて修正してみませんか?
「ナッジ」は作業の簡潔化や魅力化などを用いて対象に理想に沿った選択をしてもらう社会科学の1分野であり、最近医療分野において医療安全・スタッフ教育の向上、エラーの回避を目的に導入されつつあります。歯科領域でも禁煙指導や歯周検診の呼びかけに用いられることも。
このセミナーでは「診療に活かせるナッジ」をテーマに、行動経済学の総論から、歯科医療者と患者はなぜすれ違うのか、実際医療現場ではどのように使われているのか、歯科医院で有効に用いるための考え方など実践的な内容を大阪大学大学院人間科学研究科准教授の平井 啓先生に解説していただきます。
ナッジを極めて行動変容の知識にエッジを効かせましょう!
こんな方におすすめ
👉 行動変容を促すアドバイス術を身に付けたい
👉 歯科医院経営に役立つ行動経済学について知りたい
👉 患者さんとの認識のズレの原因を学びたい
講義目次
医療現場で役立つ行動経済学
バイアスによる認識のズレ
ナッジとは?
医療現場での使用例
歯科医療におけるナッジ
大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程修了。大阪大学人間科学部助手、市立岸和田市民病院緩和ケアチーム指導健康心理士(現公認心理師)を経て、大阪大学経営企画オフィス経営企画部門准教授部門長に就任。2018年からは大阪大学大学院人間科学研究科准教授を務める。日本サイコオンコロジー学会奨励賞、第9回日本緩和医療学会総会最優秀演題賞、日本健康心理学会実践活動奨励賞受賞を受賞。著書に「実践医療現場の行動経済学: すれ違いの解消法」、「ワークシートで学ぶ問題解決療法: 認知行動療法を実践的に活用したい人へ 実践のコツを教えます」など多数。