今回は近年話題のデンタルフィットネスについてとりあげる。
直訳すれば、歯(デンタル)の健康維持・増進(フィットネス)となるのだが、
今までの予防歯科とは何が違うのか?
意外と簡単な導入方法から、導入後の魅力的なメリットまでくまなく解説していく。
デンタルフィットネスは、しん治歯科医院の高橋伸治先生によって発案された。きっかけは「患者さんに嫌われながら仕事したくない」という想いから。嫌われる「治療」ではなく、それを事前に防ぐ「予防」を大事にしようと考えた。
当初は歯科医師の知識を活かして患者に啓蒙する形をとっていたが、もちろんただの一方通行では患者の興味も消えてうまくいかない。
そこで、歯科医院はきっかけをつくる場でよいのだという考え方に至った。患者さんの自発的なセルフケアを第一に、それをサポートする場としての医院。
そのためにも「歯科医院にくることがいちばん楽で簡単で、健康づくりが継続的にできる」と思ってもらえるように工夫した。
「管理型」から「サポート」へ
予防歯科は一般的に、患者さんへの指導・管理を行っている。知識を伝授し、その通りに従わせる。
しかし、本来「予防(定期健診)」に通っている患者さんは痛みがあるなど困りごとが無い状態。困っていないので、正しい情報を指導しても必要性を感じとってもらいにくい。つまり「指導」をしても響くのは、ほんの一部なのだ。
そこでデンタルフィットネスでは患者さんの疑問に答え、モチベ―ションが上がった時に背中を押してあげられる「サポート」役としての関係性を築いている。
さらに治療が必要な「患者さん」と、治療が必要でない「普通の人」との区切りをしっかり定めることも大切だ。あくまでデンタルフィットネスが相手にするのは「普通の人」。これが予防歯科のターゲットとなる。
困りごとのない「普通の人」が「健康づくり」を目的に歯科医院に通っているというシステムが、デンタルフィットネスならではものだ。
「サポート」する場として大切なのが自分の意思で来させること。来てと言うのではなく、当たり前のように来院する習慣をみにつけさせる。
そのためにも詳細な情報共有と成果を誉めることが必用だ。結果が見られれば、セルフケアの自信につながる。そして自分のセルフケアが間違っていないかを確かめるために、また来院しようとなる。
来院動機を「お口のクリーニングをして貰う」から、「自身の健康状態をチェックする」に変えることで、来院の習慣化、つまりリピート化がこのデンタルフィットネスでは見込まれるのだ。

患者さんの自立したセルフケアを習慣化させられるデンタルフィットネス。
患者さんだけではなく、医院にとってもまた魅力的な効果が得られるシステムとなっている。
実際、しん治歯科医院は予防を中心とした医師経営だけで、年間14,000人の来院、99.2%のリピート率、21台のユニット、82名のスタッフなどと大成長を遂げた。
大成長につながる効果とはどのようなものがあるのだろうか。
予防歯科は「ストック型ビジネス」。医院全体で予防来院者が増えると、その分、経営が安定する。毎日1人ずつでも予防の患者さんを増やしていくことが成功への近道だ。
(売上)×(利益率)×(来院回数)ー(顧客獲得コスト)でLTVは算出される。デンタルフィットネスでは医院のファンになる患者さんが多く、生涯の付き合いとなる。結果、10年、20年、なかには30年通い続けている患者さんも多い。その究極系として、子供のころから通い続け歯科衛生士として働き始めるスタッフも10名ほどいるとか。
予防歯科は利益率が80%ほどと、一般的な保険治療と比べて高利益である。理由は材料代等、コストが低いから。実質のコストは歯科衛生士の人件費のみ。保険治療と予防歯科の1時間当たりの収益性を比べると、保険治療は治療費の約45%が収益となり、予防 歯科は治療費の約80%が収益となる。
予防歯科のターゲットは、治療が必要ない「健康な人」。つまり今、歯科医院に通っていない人も全て見込み顧客となる。加えて、健康志向が高まっている近年、対象者は多く存在し、将来性も大きい。
現在、日本全国125医院に導入し、カリキュラムを修了できた医院は全て須く結果が出ている。中には、1〜2年の間に数千万円以上の利益が向上している医院も多い。デンタルフィットネスの仕組みの「再現性」が高い所以である。
予防歯科の平均リピート率は70〜80%台。しかし、デンタルフィットネス導入医院は95%が中央値となる。リピート率が高い=来院者に価値を提供できている、つまり顧客満足度が高まっている状態である。
これらのような効果は医院に余裕を持たせるだけでなく、働く歯科衛生士らのやりがいにもつながる。やりがいが実感できる職場はスタッフを定着させ、充実したスタッフの数は質の高い処置を可能にさせる。こうしてプラスの連鎖が生まれるわけだ。
成功の裏には特別な技術が必用なのではと考えがちだが、そんな心配は必要ない。
実際に歯科衛生士が検診を行っている様子を見てみると、特別な話術もコツもない。むしろ話かける時間が短めでさえあった。
無理に話を弾ませようとするのではなく、表情や仕草といった非言語コミュニケーションから表れる雰囲気を大切にしているのである。
このように、シンプルでちょっとしたところから変えていくことが重要。そして凝り固まったマインドチェンジも欠かせないと言う。
ではどうやったら、しん治歯科医院のデンタルフィットネスシステムを取り入れられるのか!?
高橋伸治先生の息子、高橋翔太氏がてがける「デンタルフィットネス導入コンサルティング」では予防歯科のテクニックや考え方はもちろん、医院経営、採用支援、計画策定など高利益体質の医院経営に必要な要素を一式で学ぶことができる。
コンサルティングでは1年できっちり終わるカリキュラムがたてられており、オンラインによるセミナー、マニュアル、実技指導といった知識と技術の提供が3カ月、定着サポートの期間が9カ月となっている。
また院長先生にはしん治歯科医院長の高橋伸治先生が、歯科衛生士にはベテランDHが直接講義を行う形式をとっており、院内のスタッフそれぞれが学べるようになっている。
こうした取り組みが近年、特許庁からも評価され「実用新案」として登録された。これは歯科業界のコンサル(セミナー)コンテンツでは珍しいことだ。
既に全国125医院以上が導入しており、いずれも1~2年以内にコンサルティング費用に対する投資効果200~900%という驚異の実績を誇っている。
デンタルフィットネス導入コンサルティングはいつでも受講できるものではなく、参加医院に上限も設けられている。
まずは定期的に開催している「説明会セミナー」から受講してみてはいかがだろうか。