先日、東京都品川区でワンディー株式会社が主催する『
歯科関連企業ビジネス交流会』が開催された。同会は歯科関連企業が集まるコミュニティで、数十社におよぶ歯科関連企業が集結した。
同日には歯科関連企業によるパネルディスカッションも行われ、株式会社soeasy(
URL)取締役の伊藤彰洋氏、株式会社4DX(
URL)の石川善章氏、株式会社SABU(
URL)代表取締役の齋藤篤氏の3名が登壇した。座長はワンディー株式会社取締役の河村悠が担当した。
本記事では、パネルディスカッションの内容を抜粋してお届けしたい。
河村悠氏(以下「司会」):
本日は、「歯科業界に関するここだけの話を教えてください」というテーマで本日進めていきます。お三方がこれまで企業として行なってきたセールスやマーケティングに関する施策の中で、「これやったけど、うまくいかなかったな」という失敗した施策はありますか。
まず、株式会社4DXの石川善章様、いかがでしょうか。
石川善章氏(以下「石川」):
株式会社4DXの石川と申します。弊社はまだ創業から1年しか経っていないので、何が成功なのか、何が失敗だったのかわからない状態です。しかし言えるのは、「過去の業界に対する姿勢」が失敗だったと思っています。
私は前職も歯科業界で、業界生え抜きの人間です。前職の歯科企業では、学会やスタディグループなどでブースを出展しても、他社に対する敵対意識が結構ありました。しかし今はそんなことは関係なく、みんなで仲良く業界を盛り上げていけば良いのではと思っています。競合他社といってもそれぞれ強みが異なりますし、しっかりと考えていけば「競合」が「協業」に変わっていくのではないかなと。それがこれまでの仕事の中でできていなかったということが失敗ですね。
河村:
競合他社とも高め合いながら、今後の成長につなげていきたいですね。続いて株式会社SABUの齋藤篤様、いかがでしょうか。特に、具体的な失敗談はございますか。
齋藤篤氏(以下「齋藤」):
株式会社SABUの齋藤と申します。具体的な施策で言えば、弊社のオンライン事務局代行サービスの「顧客紹介キャンペーン」は失敗しましたね。弊社サービスをご紹介いただいたら、紹介元の先生と紹介先の先生に5万円ずつ支払う、という施策でした。「金のために紹介してるんじゃない」と怒られることが結構ありまして。「全額を紹介先の先生に付けて欲しい」という先生も多くいらっしゃるので、選択できるようにした方が良いと思いました。現在では紹介料をどちらに付けるかを選べるような仕組みにしています。
河村:
先生のフィードバックを受け入れた上で、今の改善策に活かされているということですね。最後に、株式会社soeasyの伊藤彰洋様、いかがでしょうか。
伊藤彰洋氏(以下「伊藤」):
株式会社soeasyの伊藤と申します。苦労した点は、ブース出展をする学会やスタディグループの選定でしょうか。弊社は「おしえあうって、すばらしい。」を理念とした医院向けのスマホ動画マニュアルを提供しています。経営系のサービスなので、経営や分院展開を積極的にされている先生方が集まっている団体に出展するよう心がけていますが、失敗することもありますね。
具体的に言えば、企業展示のブースが先生がいる受講会場と遠く離れていたり、全く紹介もされなかったりすると、先生方と一切話せない。そうすると「あれ、この土日なんだったんだろう...」と思うこともあります(笑)。ランチョンセミナーや懇親会がある学会やスタディグループだとベストですね。
河村:
伊藤様は、学会やスタディグループへの出展を通じて先生方とリアルで会うことを大切にされているという印象があります。
伊藤:
そうですね、大切にしています。先生方のコミュニティにも色々あって、所属するスタディグループの違いや学閥の違いもある。私は石川さんと違って元々が歯科業界の人間ではないので、業界の勢力図を全く知らない状態で歯科業界に入ってきました。この数年間は、どこかに地雷があるんじゃないかと戦々恐々としながら歩いてきた、というのが実情ですね。初期のsoeasy buddyというプロダクトの認知拡大にあたっては、とにかくSNSを活用するようにしていました。
河村:
私も歯科業界歴は2年程度ですが、独特の勢力図があるというのは理解できます。ワンディーに入社するまではBtoBのセールスをやってきたものですから、肩書きだけを見てもその先生がどれくらい偉いのかが分からないんですよね。フランクに声をかけて怒られたりしました。SNSを活用するというお話があったかと思いますが、どのようにお使いになっていたんでしょうか。
伊藤:
先生方とFacebookなどのSNSで繋がると、どの先生とどの先生が繋がっていて、どんなコミュニティに所属しているかということが分かるようになります。私は初期の頃から、先生方の投稿をストーキングに近いような形で見ていますね(笑)。多分、1日数時間くらいは見ていると思います。「この先生とこの先生つながっているな。あ、この学会で一緒なんだ」とか、そういうことを考え続けて関係性を作りにいっています。
河村:
SNSを使っていない企業も、使えるなら使った方が良いということですね。齋藤様は、どのような形で関係性を作ることが多いのでしょうか。
齋藤:
私は結構、直接聞いちゃいますね。「最近、どんな先生のセミナー行ったりされるんですか?」と聞きます。10人ほど聞けば、だいたいどの分野ではどの先生が注目されているかが分かります。その上で先生方と人脈を作りにいっている形でしょうか。
河村:
お聞きになっている歯科企業の皆様も、非常に勉強になったのではないかと思います。これからも、先生方の診療や経営を支えてエンドユーザーである患者さんのお役に立っていければと思います。それではお三方、本日は大変貴重なお話をありがとうございました。
「おしえあうって、すばらしい。」をスローガンに、組織内DXによる人材育成や、教育・おしえあい文化醸成を、ビジネスショート動画や、動画マニュアルで後押しする、株式会社soeasyは、AI技術を活用した医院内での教育や人材育成を加速させるアプリケーションツール「soeasy buddy for dental」で、医院内のDX化はもちろん、理念浸透、業務効率化・効果化、売上向上を強力サポート。国内では、新規開業・分院・改装・事業継承といったシーンでお役に立っているほか、海外では、米国の教育機関や医院でも導入が進むなど、社名・サービス名の通り「超簡単な教育DX」で業界を活性化して参ります。
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