国の推進もあり全国的に普及している「予防歯科」。多くの歯科医院でもメインテナンスとして取り入れられていると思う。
そこで必ずと言ってもいいほど出てくる悩みが「リコール率」だろう。また○ヶ月後に、と言っても治療が終わった患者は足が遠のいてしまうことも多い。
実際のところメインテナンスにおけるリコール率はどれくらいなのか、会員向けに調査を行った。
1D会員である歯科医師・歯科衛生士を610名を対象に、予防歯科についてのアンケートを任意回答で行った。
それによると、予防歯科は必要であるし儲かるという認識であり、学びたいとは思っているものの、大半の方が専門的な教育を受けたことがないという現状が浮き彫りになった。
おそらく、必要性や学ぶ意義は感じているものの、日々の診療では患歯を治すことばかりに時間を割かれて予防に関しては後回しになっているのではないだろうか。
メンテナンスのリコール率は、70%以下が26.9%で最多、次いで70~75%が全体の23%を占めており、調査を行った半数のリコール率は75%以下ということが分かった。
医院での処置終了後、そのまま管理を求める患者が75%も満たないというのはどうだろう。新患や治療中の患者はもちろん大切であるが、医院安定のためにはリコール率が高いに越したことはない。
リピーターの数こそ医院の信頼度であるにも関わらず、そこに重点を置かず、蔑ろにしておくのは非常にもったいない。「またあそこの医院に任せたい」がない医院の未来を想像してみてほしい。
自転車操業でやれているうちはまだいいが、誰しもが必ずそうできなくなる日が来る。その時に対処法を考えているようでは遅すぎる。
メンテナンスは、再評価検査で「治癒」と判定された患者に対して、再発を防止するために行う管理である。
治療内容としては、モチベーション維持の状態や、適切なセルフケアが行われているかを確認をして、必要に応じてPMTC、スケーリング・ルートプレーニングを行い、原因因子の排除に努めることだ。
また患者のさまざまな生活環境や口腔内の状態、リスクファクターなどを把握し、生活習慣の改善指導を行う必要もあるとされている。
アンケート結果を見てみると、メンテナンスはほぼ100%行われており、その内容は、スケーリングが85%を超え最多、次いで、歯周組織検査、TBI(歯磨き指導)、PMTCと続く。
唾液検査や位相差顕微鏡の検査など、各医院で力を入れている特徴的な部分もあり、患者ごとの必要性に合わせた内容とはなっているようであるが、実施内容に大差はなく、メンテナンスとして行っていることはどこの医院もそれほど変わらないことが窺える。
しかしPCRや口腔内写真撮影は30%未満と、正しく保険診療におけるメインテナンスが実践できているか疑問な結果も見受けられた。
「デンタルフィットネス」導入医院のリコール率は95%以上を維持
メインテナンス時の内容と同様に、チェアタイムや算定要件についても全国的に共通項が多い。
およそ3〜4ヶ月間隔で30〜45分の時間をかけているところがほとんどであり、算定も半数以上がSPTかP重防重防で算定されている。半数が担当制で行われているが、アポイントやスタッフのコントロールも非担当制に比べて、医院としては難しいことが分かる。
このようにメインテナンスには、歯科医院間でそこまで大きな違いや特徴は見られない。ではなぜリコール率に差が出るのか。
調査結果では約半数が75%以下だったリコール率だが、予防歯科システムの「デンタルフィットネス」を導入している歯科医院では95%を維持し続けているそうだ。
特別な処置を行なっているとか、もちろんやましいことがあるわけではなく、一般的なメインテナンスをシステマティックにすることで高いリコール率を保っているという。
患者がこぞって「ここで管理していきたい」「ずっと診てもらいたい」と思うために、どんなシステムを取り入れているのか。そこには患者にとって、多大なメリットを感じる何かがあるはずである。
ほとんどの患者がリコールになると考えると、新規の患者獲得や治療内容により月の売上のブレを気にする必要が少なくなる。
ただでさえスタッフのことや治療で頭がいっぱいの中、毎月の経営の安定が見込めたら、どれだけ精神的負担が減るだろう。
脅威のリコール率を維持し続けるシステム「デンタルフィットネス」は、どのようにして実現しているのか。
このシステムの凄みは導入した歯科医院のリコール率が高い割合で確実に維持されている、つまり高い再現性にある。
秘訣を紹介する無料セミナーが9日に開催される。リコール率に悩む歯科医院は聞いてみてはいかがだろうか。