では、何が原因で「怒り」となってしまうのでしょうか。まずはそのメカニズムを理解しましょう。
例えば、後輩は先輩よりもアシスト業務をする「べき」といった考え方です。これはその人のただの「常識」であり、「価値観」を押し付けているだけなのです。
常識は時代と共に変化し環境によって異なるため、特に「当然」「当たり前」「普通は」などのような固定概念が強いワードを使ってしまっていたら要注意です。
患者さんにブラッシングや食事、生活習慣の指導をしていて、なんでわかってくれないんだろう。とモヤモヤしている時も、できて「当然」という考え方を無意識にしているかもしれません。
また、このような自分の核となる信念のことを「コアビリーフ」と呼びます。怒りに繋がる感情は、この「コアビリーフ」からも生まれます。
十人十色と昔から言われているように、それぞれ人には違った価値観や考え方があることから、「これって、自分の中での思い込みじゃない?」と思えるような訓練をすることが必要なのです。
家族やプライド、趣味など自分が大事にしてきたものを傷つけられた時、大切なものを守りたいという思いが働きます。これを心理学的用語で、防衛感情と言います。
その多くは未熟で弱い自分の不安や不満に対処するために行っており、人が困難に打ち勝ち生きていくためには大切な役割を果たしているのは事実です。
しかし、この感情が出過ぎてしまうと自分のことばかりに集中してしまい、周囲にベクトルを向けられなくなってしまう可能性があります。
これらのことから、怒りの感情は自分自身の中で生み出してしまっているとお分かり頂けたでしょうか。
まず感情には2種類あり、一次感情に「悲しみ・困惑・虚しさ」があった上で、二次感情である「怒り」になると筆者は言います。
それが分かれば次は、リクエストに変換することが必要となります。例えば、「もし言っていることがわからないのであれば、その時に聞いてほしい」と伝えておくということです。
つまり、自分は今怒っているわけではなくこれは悲しい感情なんだと理解し、悲しい感情をうまく言葉にして相手に説明しながらこうして欲しいというリクエストに変換することができた時、怒りの感情には変わりにくくなるということです。
ではなぜこの考え方を人はやりたがらないのかというと、ただ「手間」だからです。できなくはないけどめんどくさい。だから怒りの感情をぶつけてしまえば早い!と無意識に考えてしまっているのだそうです。
また相手の怒りは相手自身が生み出しているから変えられないため、なんとか変えようと思わなくて良いのです。大事なのは、怒りの土台になっている一次感情に寄り添って考えることが重要です。
何が悲しいのかなと考え、共感し、決してアドバイスはしないこと。そして怒りを怒りとして考えず、怒りの奥にある一次感情が何かを考えられるようになることです。
家族や友だちは、自分のことをわかってくれているはずという期待感や面倒なことはやってくれるだろうという「甘え」があることが多く、それが裏切られた時、怒りの感情になりやすいと述べています。
職場だけでなく自分の大切な人たちを守るためには、こういった甘えをなくし怒りをコントロールをすることが最も重要です。
これからご紹介する短期的な対処法と長期的な改善法を叩き込んでトレーニングしを行うことで、自分自信でコントロールし、怒りにくい体に作り上げていきましょう。