何でもトライしてみようという気持ちも大切ですが、医療事故を未然に防ぐためにも誤解を招かないよう、できないことはできないとはっきりと伝えることも大切です。「わかりました、しかし私にはまだ難しいです」と言い換えればマイルドでいいでしょう。
医院内で仲が良いことは非常い良いことではありますが、親しき中にも礼儀ありという諺があるように、返事ははっきりと1回行いましょう。あいまいな返事ほど相手を困らせるものはないので、「はい、わかりました」と深く頷いてもらえるほうがきちんと聞いてもらえている感じがします。
また患者さんとのカウンセリング中でよく耳にする相槌で多いのが、「なるほど〜」というフレーズ。こちらは多用する人も多いのではないでしょうか?しかし、連呼してしまうと他人事のように思われてしまうので注意しましょう。
この文章をスムーズに言える方は、意外と少ないのではないでしょうか。「そんなことないです」は、褒められたり感謝された時に謙遜して言ってしまいがちなワードです。しかしこちらは相手が褒めなきゃよかったな、感謝しても受け入れてもらえないんだなと否定的な印象を与えやすいのです。
肯定的な印象を与えるには、まずは感謝の言葉です。「ありがとうございます、〇〇さんのおかげです」といった感じで「あなたのおかげ」を付け加えると、本当にそう思ってくれているんだなぁと心から感じてくれるはずです。お互いにハッピーな気持ちになれますね。
カウンセリング時に患者さんについ言ってしまいそうな、頭言葉です。先日の内容を相手が覚えているとは限りません。「説明が分かりづらく、失礼しました」と謙虚な姿勢で、もっとどういう風な伝え方をすればもっと理解してもらえるか改善の方向を考えましょう。
歯ブラシのやり方や生活習慣の指導を行う際に、つい「ダメですよ」と一方的に言ってしまうことはありませんか?相手にも価値観があり、それは人それぞれ異なるため、まずは相手を認める事がポイントです。
「そういうやり方もあるけど、私はこうした方がいいと思いますよ」というように、不満や要望がある際は相手を責めるのではなく、自分だったらどう思うかを伝えるようにしましょう。
日常で使用している頻出ワードは「口癖」です。『無意識に使っている言葉が、あなたの印象をつくっています』と筆者は述べています。非常に感慨深い言葉ですね。
自分で気づかぬ内にマイナスの口癖を使っていませんか?聞き手だと相手の言葉遣いに立つと気付きますが、自分が話し手だと無意識で使ってたりすることはありませんか?
2020年6月から「パワハラ防止法」が施行されているため、以前と比べ現在は社会全体で発する言動にはより気を付けている人が増えているように見受けられますが、パワハラ問題は未だに絶えません。法律と共に私たちの考え方も、まだまだアップデートしていく必要がありそうです。
相手を優先にしすぎてしまうと自分の感情を抑え込んでしまい、我慢する、耐えるということが増えてしまいます。そして相手から思うような期待通りの反応がなかった場合、「こんなにしてあげてるのに!」とわかってもらえない悲しさが怒りに代わりやすくなってしまいます。
結局のところ、自分の感情を抑制してしまっているため心に余裕が持てなくなっている状況に陥ります。そして相手に対して攻撃的な態度に出てしまい、これを受け取った相手から同じように攻撃を受けるという負のスパイラルが生まれてしまうのです。
反対に、好意をもって接する相手からは好意的に思われます。これが「好意の返報性」です。まずは自分に言われて心地よい言葉を積極的に相手に使うようにすることで、人からの反応も良い方向へと変わっていくことでしょう。
コミュニケーションの是非は「自分の在り方」で決まります。プラスの表現は人間関係に良いスパイラルを生み出します。
相手に届く言葉とは何でしょうか?どんな言い方をすれば、お互いに気持ちよく物事を進行できるのでしょうか?同じことを伝える場合でも、「言い方」次第で相手の気持ちは変わります。
言葉はそれ一つで人を笑顔にすることができます。しかし一方で、知らぬ間に相手を不快にさせてしまうこともあります。よりよい人間関係をつくるためにも適切な言葉をピックアップし、意識的に言いかえる習慣を身につけていきましょう。