先日、令和4年度の診療報酬改定が発表された。改定を受けて、これから「保険の予防」はどうなるのだろうか。
ストック型歯科医院を専門とするコンサルタントの高橋翔太氏は、保険算定の予防は「60分」という予約枠が必須の時代になると指摘する。予防歯科クリニックの経営の今後について、詳しく話を聴いてみた。
ーー今回の改定で、SPT2がSPTに統合されました。か強診のクリニックからすると、減点されたように思えます。
おっしゃる通り、令和4年度の歯科診療報酬改定において、SPT2が無くなりSPTに統合され、か強診の歯科医院からは一見減点されたように見えます。しかし、毎回のSPTで歯周精密検査をすれば増点になるのです。
今回のインタビューの結論は、今後「保険の予防」は、60分という予約枠が必須の時代になってくる、ということです。詳しくはこの後お話しますが、当たり前のことをキッチリとやって、安定収益・高利益を狙うことがますます重要になってきます。
ーー「60分」という時間がキーワードになってくると。
はい、課題は処置時間だと思っています。現在、多くの歯科医院がSPTおよびSPT2を30分や45分といった予約枠で処置しています。しかし、今後は毎回SPTと歯周精密検査を行なっていくことを考えると、これでは時間が足りません。少なく見積もっても、60分の予約枠を割り当てる必要があるはずです。
ーー確かに30分の予約枠では、SPTの処置だけで終わってしまいます。
予防の予約枠を60分にすると、キャンセル数をできるだけ少なくすることが重要になります。キャンセルが発生することを見込んで30分や45分という予約枠でやっていれば、SPTの処置だけで時間を消費してしまい、歯周精密検査や歯周基本検査をする時間は取れないでしょう。
もしこうなってしまうと、今回の改定によって減点になるクリニックが出てきてしまうということになります。重要なのは、「60分」という予約枠の時間です。
ーーもう少し実際の点数も含めて、具体的に教えてください。
具体的に見ると、以下の図の通りです。詳しく解説をしていきましょう。
上図の「①改訂前」と「②改定後」を比較すると、か強診のクリニックからすると単純に減点されているように見えますが、下図の「精密検査」を加えると増点になるんです。

改訂後は、SPT(②)+歯周検査(③)で実施していくことが想定されます。
ーー「保険の予防」で安定的に収益を上げていくには、SPTに加えて精密検査の実施が必要ということですね。
はい、今回の改定後も「保険の予防」を使った高収益のクリニックを目指していくためには、SPTに加えて精密検査の実施が重要です。特に今まで、SPT2で算定をしていたクリニックには必須でしょう。
本来であれば、SPT2には初回は精密検査が作業項目として含まれていますが、本当に精密に実施していたかどうかについてはグレーゾーンでした。ある意味で、SPT2のルールが精密検査の実施を曖昧にする隠れ蓑になっていた、とも言えます。しかし今後はSPT2が無くなり、SPTと検査、という風に単純化されてしまいます。
ーー検査をしっかりとやってこなかったクリニックは、戦々恐々としているかもしれません。
今回の改定を経て、「保険の予防」には2つの選択肢があります。精密検査を諦めて単価・売上の減少を受け入れるか、きっちりと検査を行なって売上の増加を狙うか、という二者択一です。もちろん、先生方には後者を選択していただきたいと考えています。
ーーしかし今回の改定で、不安になる先生も多かったのではないでしょうか。
「60分の予約枠を取ってキャンセルが出れば売上がゼロになる。予防の売上が心配だ」だったり、「毎回、歯科衛生士が検査をやってくれるのかが不安。面倒だと思われないだろうか」といった声を、私も複数の先生方からいただいています。
こうした不安や悩みを解決するのが、「デンタルフィットネス」という考え方です。デンタルフィットネスでは、予防のリピート率は95%を超えており、キャンセルは基本的に発生しない。そして、新人でもベテランでも、どんな歯科衛生士でも簡単に始められる仕組みを用意しています。
ーー予防の患者さんが、自ら望んで通い続けてくれる仕組み、ということですね。
20年以上も前から、全国各地のクリニックで導入され、大成功をおさめています。私たちは30年前から「60分枠」で予防歯科をやり続けてきた実績があります。
今回の保険改正に、デンタルフィットネスはバッチリと適合していると考えています。「保険の予防」の仕組みの導入について、この度セミナーを行いますので、ぜひご関心ある先生方はお申し込みください。
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