歯科衛生士として職場を退職するとき、気になるのが「退職金」。退職金の相場・平均はいくらなのか、はたまた出ないこともあるのかなどを解説します。
日本歯科衛生士会が2015年に公表した歯科衛生士の勤務実態調査では、常勤・正社員の歯科衛生士のうちおよそ8割が「勤務先に退職金制度がある」と答えました。
職場別で見ると、「退職金制度がある」と答えた人の割合は以下のようになっています。
歯科衛生士の退職金は、勤続年数によって変わってくることが多いようです。勤続年数とは、「同じ歯科医院に連続して勤めた年数」のこと。つまり歯科衛生士歴とは異なります。基本的に歯科医院では、勤続年数が3年以上で退職金が出ることが多いようです。ただ求人情報に「退職金制度:あり」とだけ書かれていることも少なくなく、勤続何年で退職金が出るのが、条件が不明な歯科医院もあります。
また歯科衛生士の退職金の相場・平均は、月給(基本給+手当)の1〜4ヶ月分と決められていることが多い様子。月給の平均は25〜30万円ほどなので、最低でも25万円が退職金として支給されていることになります。なお大学病院や総合病院、公共施設であれば、一般企業の会社員と同様、基本給×勤続年数×0.6〜0.7という額が支給されることもあるようです。
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勤続年数3年:260,000×2ヶ月=520,000円
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勤続年数5年:270,000×2ヶ月=540,000円
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勤続年数10年:295,000×2ヶ月=590,000円
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勤続年数20年:345,000×2ヶ月=690,000円
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1年ごとに少しずつ昇給していく(役職によって変動あり)
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勤続年数3年:210,000(基本給)×3×0.6=378,000円
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勤続年数5年:220,000(基本給)×5×0.6=660,000円
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勤続年数10年:250,000(基本給)×10×0.6=1,500,000円
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勤続年数20年:400,000(基本給)×20×0.6=4,800,000円
規模の大きな病院や公共施設では、経験を経るにつれて役職も付いてきます。ゆえに基本給も上がりやすく、勤続年数3年の場合と5年の場合、10年の場合で退職金の額に大きな差が開いてくることがわかります。小規模の歯科医院ではこうはならず、また歯科医院によっても退職金の制度はまちまちなので、上記のようになるとは限りません。
先に挙げた通り、常勤・正社員の歯科衛生士のうちおよそ8割が「勤務先に退職金制度がある」と答えています。逆に言うと残りおよそ2割は、常勤で働いていても退職金がもらえない環境にあるということ。
なお非常勤の歯科衛生士では、およそ9割が「勤務先に退職金制度がない」と答えました。週に数日しか働かない非常勤の場合は、退職金が出ないことがほとんどのようです。
歯科衛生士の退職金は、勤続年数によって金額が変わってくる上、転職で勤続年数はリセットされます。例えば歯科衛生士として働いたのは合計10年間でも、9年目になるときに転職すると転職先での勤続年数は2年となり、退職金が出ない可能性があります。ただ中には勤続2年でも退職金が出たり、逆に勤続年数が6年以上でないと退職金が出ない歯科医院もあるようです。
いずれにせよ就業規則に退職金の決まりについて書かれているはずなので、退職を考え始めたら確認しておくと良いでしょう。
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