アスピリン喘息は、呼吸器やアレルギー疾患の専門医の間では既に昭和55年ころから注目されるようになっていたものであり、また、本件事故当時、ロキソニンの使用説明書や医学文献にアスピリン喘息についての記載があったことからすると、歯科医師であっても、アスピリン喘息に関する知識を修得することは容易であったと認めざるをえないばかりでなく、前記医師の業務の特殊性及び薬剤が人体に与える副作用等の危険性に鑑みれば、右認定のアスピリン喘息に関する知識が福岡市内の開業歯科医師の間では一般的に定着するに至っていたとはいえないなどの事情は被告に課せられていた研鑽義務を何ら軽減するものではないことは明らかである。
男性は非ステロイド性抗炎症薬の投与によって誘発される気管支喘息(ぜんそく)「アスピリン喘息」を患っている可能性があった。患者への解熱鎮痛薬ロキソニンの投与は禁じられているが、同診療所で治療後、処方されたロキソニンなどを服用。間もなく心肺停止状態になり21日後に死亡した。
判決で裁判長は、(1)男性はそれまでアスピリン喘息と診断されたことがない(2)以前、非ステロイド性抗炎症薬を処方され服用したと思われるが異常はなかったことから、ロキソニン投与によって重い発作を引き起こすことは予見できなかったとして、担当医師の過失を認めず、男性の死亡との因果関係も認められないと判断した。
東京外国語大学卒業後、航空会社でのサラリーマン生活を経て、歯学部に編入。学生時代からワンディー株式会社でライター、セミナー司会者として勤務。歯科医師国家試験を受けた4週間後に、歯科技工士国家試験を受けて両方合格し即ダブルライセンスを取得。現在は臨床をやりつつ、歯科医師国家試験予備校講師、歯学教育系YouTuberとしても活動中。でも本当はGReeeeNさんくらい音楽をやりたいと考えている。
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